世界三大コンサートホールにある共通点が見つかる。その共通点を改善すべく立ち上がったカラヤンのなし得た偉業とは。音響家の目線から迫ります。
ウィーンにある楽友協会大ホール(ムジークフェライン)
アムステルダムにあるコンセルトヘボウ
ボストンにあるシンフォニーホール
これが世界3大有名ホールと言われています。
3つとも長方形の箱型であることが分かります。
この形はシューボックス型と呼ばれます。
靴箱ですね。
ではなぜシューボックス型のホールが有名になっているのか。
それは音源の広がりや音に包まれた感じというのが、
横からの反射音に関係しているのではないかと考えられているからです。
側面の壁からの反射音が大きいほど、
音源の広がりや、音に包まれた感じが大きくなります。
これを解決すべく、生み出されたのがワインヤード型というホール
ワインヤードの制作に尽力を尽くしたのがカラヤンです。
ヘルベルト・フォン・カラヤンは、オーストリアの指揮者。1955年より1989年までベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の終身指揮者・芸術監督を務め、一時期それと同時にウィーン国立歌劇場の総監督やザルツブルク音楽祭の芸術監督などのクラシック音楽界の主要ポストを独占して、圧倒的な権力を誇った。
ただし、これは3大有名ホールであって、3大音がいいホールだとは限りません。
なぜかというと、「音がいい」ということには人の好みが入ってくるため、
ある人には「音がいい」と感じても違う人には「良くない」と感じることが
多々あるためです。
ウィーンの楽友協会のメモを見ると、
「とても響く、pになるほど音がきれい、弦楽器がきれい、しかし客席の雑音も響く」
という風に書いています。
うーん、一概に何いいホールなのかというのが決まってないのが、
現在の建築音響の頭の痛いところでもあるのです。
ベルリンフィルハーモニーのメモも少し。
「響きもサントリーホールに似ている(サントリーホールが真似たのだが)、打楽器の音がいい、
低弦はよい、お祭り騒ぎ(乱暴)に聞こえる可能性がある、客と一体となったコンサートの雰囲気」
これも感じ方は人それぞれです。
上記は私が感じたことですので・・・
https://matome.naver.jp/odai/2141644673475575901
2014年11月20日
客席うまい具合に側面の壁となっているのですね。
このことにより、舞台との距離が近く、どの席からも舞台が見やすく、
音に包まれた感じもするというホールが可能になっています。前の3つのシューボックス型ホールは1870年ごろ
つまり音響技術者などまだまだいない時期に、
先人の知恵やら勘を頼りにつくられたホールです。
それに対してワインヤードは、1963年に完成。
音響物理を駆使して計算で作られたホールと
言っていいと思います。