牛乳の次はバター不足、農水省の「白モノ利権」学校給食用の事業交付金まで

nouka
何故バター不足?なぜバターだけが、頻繁にお店の棚から消えるのか。実は奇妙でも何でもない。その答えは、天下り団体「農畜産業振興機構」によるバター輸入独占業務にある。過去には子供のために使われるべき学校給食のための予算までも食い物になっていた。

バター不足が深刻化、バターはどこに消えた?

スーパーに行ってもバターがない、という自体に困っている人が増加中。全国的に、バターの品不足が続いている。また、安いバターは普段の倍、高級バターも3割も値上がり中。

クリスマスを前に、ケーキ作りには欠かせないバター不足は洋菓子業界も深刻なダメージを受けそう。ケーキの予約は早めが○。

バターについては、2008年にも品薄騒動があった。だが、翌年春には過剰在庫を抱えたかにみえた矢先の同年夏にはまた品薄になった。同省は2010年にも緊急輸入をしている。

よく考えればおかしくないか。同じ乳製品の牛乳やチーズなどが品不足になることはない。なぜバターだけが、頻繁にお店の棚から消えるのか。

実は奇妙でも何でもない。その答えは、天下り団体「農畜産業振興機構」によるバター輸入独占業務にある。
バター値上げの背景に、農水省の「白モノ利権」 — オルタナ: 「志」のソーシャル・ビジネス・マガジン「オルタナ」

スーパーから消えたバター

あつ@a2sky

いつも買ってた450g700円弱のバターがまさかの1000円越え。カルピスバターでもないのに…と迷ったけど結局買う。ゔー(*_*)

Wada Hiroshi@Owlwise_Hiroshi

雪印北海道バター(10gに切れてる)がスーパーの棚から消えて困っていた。小出しに陳列する所もあるが、タイミングよく行かないと買えない。全国的に品薄状態。ところが、今日たまたま立ち寄ったコンビニのファミマに置いてあるではないか・・・^^:
今のところ、コンビニが狙い目なのでしょうか

通常の食品であれば、国産が足りなければ民間の事業者が輸入すれば済む。しかし、バターについては農水省のバター利権があるため、そうはいかない。
バター値上げの背景に、農水省の「白モノ利権」 — オルタナ: 「志」のソーシャル・ビジネス・マガジン「オルタナ」

理由として、昨夏の猛暑の影響や酪農家の減少などがあげられているが、最も大きなものは農水省のバター利権と言われている。

元々牛を飼育するための肥料の自給率は25%(2007年度)と低く、外国からの輸入に頼ってきた。主な飼料であったとうもろこしのバイオエタノール需要による値上がりに続く円安が追い打ちをかける形で、酪農家の経営を圧迫している影響も大きい。

国際価格500円のバターを1キログラム輸入した場合、3倍以上の1,634円にも跳ね上がります。こうして機構に納付される上納金は11億円にもなります。
消費者を踏みつけるバター利権 – koh*u53*2のブログ – Yahoo!ブログ

輸入バターには、特殊な関税割当制度が適用されている。

一定の輸入量までは一次税率(関税三五パーセント)が課せられ、その枠を超えると公立の二次税率 (一キログラム当たり関税二九・八パーセント+一七九円)が課せられる。一次税率の対象は六○○トンと極めて限られた数量で、これは機構が国際航空会社や国際物産展にあらかじめ割り当てる。

普通に輸入しようと思えば、二次税率を払わなければならない。加えて、輸入業者はわざわざ機構にバターを買い入れてもらい、農水大臣が定めたキロ八○六円の輸入差益(マークアップ)を上乗せされた価格で、買い戻さないといけない。

機構がやるのはペーパーワークだけで、差益11億円強が収入になる。現代版「上納金」とでもいうのだろうか、とにかく不可思議な制度なのだ。

日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社+α新書)より

酪農家が減っていく現状で、このままの利権状態を維持しようとする農水省をほっておくと、近い将来、庶民はバター食べられないかもしれません。
リストラおやじのあぶない生活!: バターが売っていない

だからと言って、アメリカでは禁止されているほどのマーガリンを食べろと?

日本ではバターを9個買って5,580円、アメリカでは30個買っても4,800円
※ 1個あたりのバターの重さは両方との450gで一緒です。

さすがに30個もいらないですが、腹が立つのを通り越して笑ってしまいました。

アメリカと日本のバターの価格差は実に3倍以上もあるわけです。
いまだに高いバターの価格、アメリカと日本の価格差は3倍以上 « ライフスタイル・スローライフ

この価格差が全て利権になっている。

本来であれば、畜産振興予算は畜産関係団体や生産者に直接交付すればよく、こうした法人を経由する必要はありません。天下り官僚を養うために予算が中抜きにされているのです。
伏魔殿である農畜産業振興機構 – koh*u53*2のブログ – Yahoo!ブログ

過去には、学校給食用牛乳等供給推進事業交付金の中抜きも

この予算は、基本的には都道府県が事業主体で、そこへ補助を出すのですが、農水省と都道府県の間に独立行政法人農畜産業振興機構という組織が入って、そこを経由して補助金が流れていました。

PTのヒアリングで、今年度、農水省からこの独立行政法人に、8億6400万円が流れているのに、ここから都道府県に合計で6億6300万円しか交付されていないことが明らかになりました。
無駄撲滅PTによる是正の例|河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり

平成12年度以降、毎年、この予算が農水省からこの独立行政法人を経由して流れていただけでなく、農水省から独立行政法人に流れたお金とそこから都道府県に流れたお金の間に、最大で年間28億円の差があったことがわかりました。

合計すると、独立行政法人農畜産業振興機構に、この予算から68億円が滞留しています。
無駄撲滅PTによる是正の例|河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり

すでに来年度の概算要求にあがっている予算の中にも、PTの是正の提案を受け入れてもらったものがいくつもあります、と紹介されたもの。

まさか子供の学校給食のための予算からも中抜きをするとは、ちょっと理解できない団体です。そうして中抜きされた予算が、天下りスーパーエリートを自称する財務省官僚のための給料、および高額な退職金、退職者手当を維持するために使われているのが現状です。

高額な農畜産業振興機構の役員退職者手当

退職手当の額は、在職1月につき、その者の大食の日における本俸の月額に100分の12.5の割合を乗じて得た額に、業績勘案率を乗じて得た額に、100分の87の割合を乗じた額とする。

理事長 108,800円
副理事長 996,000円
総括理事 942,000円
理事 887,000円
監事 760,000円
https://www.alic.go.jp/content/000090990.pdf

https://matome.naver.jp/odai/2141605765283720001
2014年11月27日