物語は、ロバート・マッコール(デンゼル・ワシントン)と少女娼婦のテリー(クロエ・グレース・モレッツ)の2人を中心に展開していく。
ホームセンターで働くマッコールは、面倒見がよく頼りになることから、職場での人気も上々だ。一人暮らしで毎朝決まった時間に起きては職場に出かけ、決まった時間に家路へとつく暮らしを続けている。そして、眠れない夜には24時間営業のカフェへと本を片手に足を運ぶのが日課だった。
夜は“必殺仕事人”のデンゼル・ワシントンにゾクゾクする!? 日経トレンディネット
ある日、マッコールはダイナーで店の常連の娼婦テリーと知り合う。将来の夢は歌手になることと照れるテリーだったが、別の日に彼女が自分を囲っているロシアンマフィアにボコボコにされるところを目撃したことから、抑えていた正義感が彼の中で目を覚ます。
実はかつて、CIAのスゴ腕エージェントだったマッコールは、今は昏睡状態で入院しているテリーの復讐のため、単身、ロシアンマフィアの隠れ家に乗り込むと、その無謀さを笑うマフィアたちを一瞬で壊滅してしまうのだ──。
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残酷なのに拍手したくなる反撃
本作の原案は、1985年から1989年にかけて米国で放送された同名タイトルのテレビシリーズ。日本でも1990年代に「ザ・シークレット・ハンター」というタイトルで深夜にテレビ放送されていた。オリジナル版の主人公は、警察や法で裁ききれない悪を退治する年老いたヒーローだったが、今回の映画化に当たり、昼と夜、2つの顔を持つキャラへと変更。驚異的な能力を持ちつつも、それを隠して生きる陰影のある新たなヒーローへ仕立て上げたという。
夜は“必殺仕事人”のデンゼル・ワシントンにゾクゾクする!? – 残酷なのに拍手したくなる反撃 日経トレンディネット
見どころは、デンゼル扮するマッコールが夜の顔を見せ始める中盤以降。中でも前述のロシアンマフィアの隠れ家でのバトルはアドレナリンが大分泌するほど。ひと言で言うと、殺し方がエグく、目を背けたくなるほど残酷なのだ。
といっても、本当に目を背けるわけではない。確かに残酷なシーンではあるが、ロシアンマフィアのあまりにも人間性を無視したテリーへの発言や、マッコールを小バカにした態度など、バトル直前に隠れ家で繰り広げられるやりとりがヒドイのだ。そんなマフィアの極悪人ぶりに業を煮やし、マッコールの反撃に、観客は心の中で拍手を送ってしまうだろう。
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“悪”のある役でデンゼルは力を発揮する
また、マッコールが自分では銃を持たないという設定も、本作のアクションシーンを魅力的にしている要因の1つだ。彼が使うのは、その場にあるもの。そのことについて、脚本を手がけたリチャード・ウェンクは「マッコールは銃を持たない。銃は彼の過去の一部だからだ。彼は部屋に入ってわずか2秒で、部屋全体の状況を見てとる。相手の左側に何があって、右側に何があるかを一瞬にして把握し、それがどんなものであれ、相手の動きを阻止するために利用するんだ」と述べている。そんなこだわりの設定が、これまでとひと味もふた味も違うアクションシーンを生み出している。
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メガホンをとったのは『トレーニング デイ』でデンゼルにアカデミー賞主演男優賞をもたらしたアントワーン・フークア。同作でデンゼルが演じたのは、新米刑事を教育する汚職刑事役。さらに『フライト』では制御不能となった航空機を胴体着陸させて乗客・乗員を救ったことから「奇跡のパイロット」として一躍時の人となりながらも、その後の検査でアルコールが検出され、法廷で裁かれるパイロット役に扮するなど、ここのところ正義そのものよりも、むしろ“悪”のある役柄でデンゼルは力を発揮している。
本作でもその流れは変わらず、悪を倒すヒーローであると同時に、人を殺す悪人でもある主人公を見事に演じきり、演技派デンゼルならではの映画になっている。
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クロエ・グレース・モレッツの娼婦役
モレッツが演じるのは、歌手を夢見ながらも、ロシア系マフィアに暴力で囲われて逃げ出せずにいる娼婦テリー。深夜のダイナーで読書にいそしむワシントン演じるマッコールと心を通わせ、再び世の悪を排除する“イコライザー”に覚醒するきっかけとなる重要な役どころだ。
フークア監督は、「まだ16歳なのに大人っぽくて、若い頃のジョディ・フォスターみたいだ」と、「タクシードライバー」で同じく10代の娼婦を演じたオスカー女優を例に挙げ、「一緒に台本を読んだ時は本当に驚いた」と絶賛を寄せる。モレッツは、テリー役を演じるに際し実際に「子どもの売春を防止する団体を訪問したの」といい、「色んな話を聞いて役を作り込んだ」と明かしている。
クロエ・グレース・モレッツの娼婦役に迫る「イコライザー」特別映像が公開 : 映画ニュース – 映画.com
『イコライザー』
監督:アントワーン・フークア
出演::デンゼル・ワシントン、クロエ・グレース・モレッツ
配給:ソニー・ピクチャーズ
公開日:10月25日より全国公開
『イコライザー』:公式サイト
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