エボラ出血熱の日本上陸が現実味を帯びてきた~日本で感染者が出た時の5つの対処法~

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WHOが西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱が世界的なリスクとなりかねないと警告しました。アメリカやスペインでも感染者が出ており、日本でも感染のリスクがないと言い切れません。デング熱もそうだったように・・・。

△エボラ出血熱は全世界にリスクがあるとWHOが警告

チャン事務局長は演説で、今回のエボラ熱の感染拡大は「極めて危険なウイルスが、いかにして保健インフラの弱点を突いて広がり得るかを示している」と指摘。流行を制御できなければ「全世界がリスクにさらされる」と警告した。
エボラ熱、東アジアは対策強化を=「全世界にリスク」と警告—WHO (時事通信) – Yahoo!ニュース

世界保健機関(WHO)のチャン事務局長は13日、フィリピンで開催されたWHO西太平洋地域の年次会合で演説し、西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱が世界的なリスクとなりかねないとして、東アジア・太平洋諸国に対策強化を呼び掛かけました。

西アフリカのエボラ感染者は2か月後には1週間に1万人増える

2か月後には感染者が1週間に1万人増えるペースになると発表
Yahoo!ニュース – エボラ週1万人ペースで増加へ(2014年10月15日(水)掲載)

エボラ出血熱は過去何回か流行していますが、今回の西アフリカ3か国(ギニア、リベリア、シエラレオネ)のケースは感染者、死者ともに過去最大級です。

現代では航空機など交通機関が発達しているため、一度感染症が発生すると瞬く間に世界中に広がり、多くの感染者が発生する可能性があります。
過去には、ペスト、コレラ、インフルエンザ(スペインかぜ)がありました。

あと60日が勝負の分かれ目

国連のエボラ出血熱対策チーフ、アンソニー・バンバリー氏が14日、NYであった国連安全保障理事会に西アフリカからテレビ中継で参加し、「エボラ出血熱を今止められなかったら、世界は完全に未曽有の事態になる」と警告
No.30662 エボラ出血熱「あと60日が勝負… – 4585 – (株)UMNファーマ – 株式 – textream

エボラとの闘いをレースに例え、「(エボラは)我々より先を行き優勢だ」とし、12月までの60日間が闘いになると語りました。この60日間は、感染者の70%を療養施設に収容し、死亡者の70%を二次感染なく埋葬しなければ、感染拡大は止まらないとしています。
No.30662 エボラ出血熱「あと60日が勝負… – 4585 – (株)UMNファーマ – 株式 – textream

感染者数はほぼ1万人、感染死者数はほぼ5千人に達する

WHOは、22日、感染やその疑いのある人が9936人となり、このうち4877人が死亡したと発表しました。
エボラ感染者数 今週中に1万人超えか NHKニュース

エボラ出血熱の感染者の数は、このところ毎週、およそ1000人ずつ増えており、今週中に1万人を超えるとみられています。
エボラ感染者数 今週中に1万人超えか NHKニュース

△世界的に感染拡大が懸念される中、特に、エボラ出血熱は欧州を中心に感染のリスクがある

アフリカ大陸からのエボラ出血熱感染者の治療にあたった医療関係者の2次感染者が米国とスペインで相次いだ。
<エボラ出血熱>防護すきだらけ 欧米で2次感染 (毎日新聞) – Yahoo!ニュース

アメリカのノースイースタン大学に研究によるとフランス、イギリスがもっとも感染する確率が高い

10月24日までにエボラ熱が到達する確率は、フランスが75%、英国が50%、ベルギーが40%となり、スペインとスイスは14%だった。
エボラ熱「上陸」確率、フランス75%・英国は50%=研究チーム (ロイター) – Yahoo!ニュース

フランス、イギリスでの数字が高い理由は、航空ルート

エボラ熱の感染が最も深刻な国の一つであるギニアがフランス語圏であることや、フランスへの航空ルートが多いことなどから同国への感染拡大の確率が特に高いという。また、英国はヒースロー空港が世界最大規模のハブ空港であることが理由。
エボラ熱「上陸」確率、フランス75%・英国は50%=研究チーム (ロイター) – Yahoo!ニュース

さらには、イギリスのウイルス学者も欧州での感染を指摘する

英ランカスター大学のウイルス学者、デレク・ギャザラー氏は「(エボラ熱の感染拡大が)西アフリカで続き、状況がさらに悪化すれば、航空機を通じて感染が欧州に広がることは時間の問題だ」と指摘した。
エボラ熱「上陸」確率、フランス75%・英国は50%=研究チーム (ロイター) – Yahoo!ニュース

航空機を通じて全世界に感染が拡大するリスクがあります。

感染した人がそれに気づかず飛行機に乗って移動し、アフリカ以外でも発生する可能性があります。無症状のまま行き来するのが一番怖いと言えます。

△つい先日、アメリカで初のエボラ出血熱感染者が出たとのニュースがありました(その後、死亡しました)

米国内で初めてエボラ出血熱と診断されたトーマス・エリック・ダンカンさん (42才) がテキサス州ダラスのプレスビテリアン病院で亡くなった。
現地レポート:米国初のエボラ出血熱による死亡:JBpress(日本ビジネスプレス)

26日に発熱と吐き気を訴えてテキサス・ヘルス・プレスビテリアン病院を訪れた。病院で看護師には西アフリカへの渡航の事実を伝えたが、「軽度かつ通常のウイルス性疾患」と診断され、抗生剤を処方されて帰宅した。
コラム:なぜ米国でエボラ感染者は見逃されたか| コラム| Reuters

プレスビテリアン病院はダラスでも有数の規模を誇る総合病院であり、また、他のウイルス感染症で臨床試験中の新薬 (brincidofovir:ブリンシドフォヴィル)の投薬や人工呼吸管理・人工透析など集中管理が行われたが、多臓器不全から回復することができなかった。
現地レポート:米国初のエボラ出血熱による死亡:JBpress(日本ビジネスプレス)

エボラ出血熱は、アメリカでの高度な治療でも、死に至る病気だということが明らかに。ましてや、現地の西アフリカの治療はというと・・・。

男性患者を担当していた看護師が感染・発症

米疾病対策センター(CDC)は12日、米南部テキサス州ダラスの病院の女性看護師がエボラ出血熱に感染し、発症したことを正式に確認したと発表した。
エボラ出血熱、米国内での感染を初確認 (読売新聞) – Yahoo!ニュース

アメリカ疾病対策センターは、死亡した患者を治療する過程で作業の手順にミスがあり感染を引き起こしたとした上で、治療にあたった他の医療関係者も感染している可能性もあるとしている
治療過程で手順ミス〜米疾病対策センター(日本テレビ系(NNN)) – Yahoo!ニュース

女性が死亡した男性の治療の後、防護服や手袋などを脱いだ際、ウイルスが付着した可能性が指摘されている

△欧米での2次感染の原因とは?

欧米で2次感染が起きた原因は、わずかな油断、感染予防訓練の不足、病院の予算不足などの可能性が指摘
<エボラ出血熱>防護すきだらけ 欧米で2次感染 (毎日新聞) – Yahoo!ニュース

防護服を着て治療に当たったが、脱いだ際に付着した体液に触れてしまった可能性があるという。また、男性が人工透析器や人工呼吸器を必要としたため、体液に触れる危険が高まったとの見方もある。
<エボラ出血熱>防護すきだらけ 欧米で2次感染 (毎日新聞) – Yahoo!ニュース

エボラ出血熱対策の訓練不足が懸念される

全米看護師連合の調査によれば、85%がエボラ熱対策の教育を受けておらず、36%に防護服がない。
<エボラ出血熱>防護すきだらけ 欧米で2次感染 (毎日新聞) – Yahoo!ニュース

△スペイン、フランスで3次感染者の可能性

スペイン当局は16日、エボラ出血熱が疑われる症状が新たに4人に確認されたと発表した。その中には、マドリードに向かっていたエールフランス機内で発熱と震えを訴えた乗客と、最近リベリアに渡航していた神父が含まれている。
Yahoo!ニュース – エボラ熱がスペインとフランスで拡大か、1人は機内で発症 (ロイター)

スペインでは、死亡した神父2人の治療に当たっていた看護師が2次感染したのを受け、エボラ感染に対して厳戒態勢が敷かれている。

一方、フランスのメディアは、エボラ熱に感染した人道活動家と接触した看護師1人が、2次感染した疑いでパリ近郊の病院に入院したと伝えた。
Yahoo!ニュース – エボラ熱がスペインとフランスで拡大か、1人は機内で発症 (ロイター)

△日本におけるエボラ出血熱の検査体制が懸念されている~危険性が高いウイルスを扱う能力を備えた施設はあるが、制度上、取り扱いが許されていない~

現在、日本では「感染の疑い」の有無までしか調べることが出来ない

日本では感染が疑われる患者が見つかってもウイルスを調べる体制が整っておらず、確実な診断ができないことに懸念が広がっている。
<エボラ出血熱>国内検査に懸念…危険ウイルス扱えず (毎日新聞) – Yahoo!ニュース

厚生労働省の担当者は「現状では感染の疑いの有無までしか調べられない」という。
<エボラ出血熱>国内検査に懸念…危険ウイルス扱えず (毎日新聞) – Yahoo!ニュース

エボラウイルスは最も危険度が高く、最高レベルの設備を有した施設でなくては扱うことができない 例:国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)と理化学研究所バイオリソースセンター(茨城県つくば市)

仮にエボラ出血熱の可能性がある患者が見つかった場合、感染研村山庁舎で患者の血液や尿、のどから採取した粘膜などを検査するが、ウイルスを取り出したり、培養したりすることは許可されておらず、確実に感染しているとの判断はできない。
<エボラ出血熱>国内検査に懸念…危険ウイルス扱えず (毎日新聞) – Yahoo!ニュース

日本学術会議のメンバーとして今年3月、BSL4施設の必要性を提言した江崎孝行・岐阜大教授(病原微生物学)は「今は特効薬がなく、効果があるのか分からない薬を患者に投与している。ウイルスを培養できればいきなり人体に投与しなくても薬の効果を研究できる」と施設の重要性を指摘する。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141016-00000007-mai-soci

△日本で感染者が出た時の5つの対処法~もはや、日本でも感染リスクがないと言い切れない状況となりました~

エボラのウイルスが発見されたのは1976年のスーダン。その後、突発的に10回ほど流行し、感染したときの致死率は50~90%と非常に高いものになっています。治療法も確立されていません。
西アフリカで流行続くエボラ出血熱 海を越えて日本上陸はあるのか (THE PAGE) – Yahoo!ニュース

1.パニックにならないこと

勝田教授は「エボラについては、過去の映画などで怖いというイメージが染みついているので、極端にあおらなくても、一般新聞レベルの報道でもパニックに火がつくのではと考えられる。正しい情報を得ないまま、社会的なパニックを起こすことが最も危険といえる」と強調。
西アフリカで流行続くエボラ出血熱 海を越えて日本上陸はあるのか (THE PAGE) – Yahoo!ニュース

西アフリカでは、患者が脱走するなどでパニックが起きました。

2.直接、血液・体液・分泌物等に触れないこと

エボラ出血熱のウイルスは空中には浮遊しない。感染するのは、感染者の血液、汗、嘔吐(おうと)物、尿、唾液、精液などに触れた場合
エボラ出血熱、知っておくべき5つのこと – WSJ

疑い患者の血液等を素手で触れないこと(手袋を必ず使用する)が重要である。
エボラ出血熱とは

防護服や医療用の保護眼鏡・高密度マスクなどを身につけ、手袋も2重にするなど、医療従事者の装備についても定められています。しかし、その後西アフリカで爆発的感染者が出たことで再度見直しが進められています。
Yahoo!ニュース – エボラ出血熱、日本で発生したらどうなる? (withnews)

現地では、ビニール手袋等の物資不足で、治療にあたっている医師や看護師に感染しています。

3.死んだ動物には近づかないこと

海外だけでなく、日本でも死んだ動物には決して近づかないようにしましょう。というのも、死んだ動物は、病原性の強いウイルスによって死亡した可能性があり、動物から人への感染が起こる可能性があります。
エボラ出血熱の原因・症状・予後 [感染症] All About

感染例

1. オオコウモリ → サルなどの動物 → 人間 → 人間

2. オオコウモリ → 人間 → 人間

4.早急な治療を受けること(残念なことに、確実に完治するワクチンや治療法は確立されておりませんが、早期の治療しか生き延びる確率を高める術はありません)

エボラ出血熱の致死率は90%に達することもあるが、医療関係者によると、現在の致死率は70%程度で、助かった人々は早急に治療を受けていた。今のところワクチンも治療法もない。
エボラ出血熱、知っておくべき5つのこと – WSJ

唯一の治療法は、点滴薬などで脱水症状を防ぐことなど、対処療法しかないのです。
エボラ出血熱とは?日本人感染!?感染源と感染経路 流行を止められない!? | まこっちパパの虹色生活情報便

西アフリカを中心にしたエボラ出血熱の感染拡大を受けて、厚生労働省は、国内で感染者が確認された際に、新型インフルエンザ治療薬「アビガン錠」の投与を認める方針を固めた。
エボラ国内確認なら…新型インフル用国産薬投与 (読売新聞) – Yahoo!ニュース

WHOによると、エボラ出血熱の初期症状は発熱や頭痛、筋肉痛、喉の痛みなどで、マラリア、腸チフス、コレラなどと見分けにくい場合がある。
エボラ出血熱、知っておくべき5つのこと – WSJ

アメリカで開発されたジーマップという未承認薬も100%完治するものではありませんでした。
日本でも、未承認薬はありますが、効果は???治療を受ける施設は45か所ありますが、治療薬はまだ開発段階です。新型インフルエンザの薬が効くとされています。

5.隔離すること

エボラ出血熱の感染拡大を防ぐためには、唯一、隔離することしかないのです。
エボラ出血熱とは?日本人感染!?感染源と感染経路 流行を止められない!? | まこっちパパの虹色生活情報便

感染者は隔離された状態で防護服を着用したスタッフによって治療を受ける。
エボラ出血熱について | 活動ニュース | 国境なき医師団日本

エボラに限らず、インフルエンザ等の感染症も隔離が必要不可欠です。

ちなみに、日本にはエボラ出血熱のような危険な感染症の患者を収容して治療する指定医療機関が全国に45か所あります。想定訓練等の準備は整っているのでしょうか!?

最後に、日本でエボラ出血熱が大流行する可能性は少ないとの見方が多いですが、アメリカ、スペインで感染者が出たように可能性がゼロではない限り油断禁物と言えると思います。

https://matome.naver.jp/odai/2141324919190383501
2014年10月24日