中国・北京国際マラソン 深刻な大気汚染の影響で途中棄権者も
中国・北京で19日、国際マラソン大会が開催され、深刻な大気汚染の影響で、途中棄権するランナーも出ている。
スタート地点では19日朝、有害物質「PM2.5」の濃度が、日本の環境基準のおよそ12倍(1立方メートルあたり、417マイクログラム)を観測し、最悪レベルの大気汚染となった。
こうした中、主催者側は、大会の開催を決行し、およそ3万人のランナーが参加したが、中には、マスクをつけて息苦しそうに走ったり、早々に棄権するランナーの姿も見られた。
棄権した日本人は、「3kmでリタイアです。きょうは空気が悪いので、3kmでやめときます。体調を考えて。本当は、もっと走りたかったんですけど」と話した。
中国のネット上では、「選手が人工空気清浄機になっている」などの書き込みがあり、大会開催に批判の声が上がっている。.
中国・北京国際マラソン 深刻な大気汚染の影響で途中棄権者も(フジテレビ系(FNN)) – Yahoo!ニュース
先進国の一部地域ではWHO指針値に近いレベルまで削減させる事に成功している一方、途上国では家庭での薪の使用に加えて都市部で自動車の使用が増大して汚染が深刻化する傾向にあり、1990-1995年の時点で途上国の年平均濃度は先進国の3.5倍である。WHOは、PM10の濃度を70μg/m³から30μg/m³に減らすことができれば、世界の大気汚染に関連する死亡者年間330万人を15%減らせるだろうとしている。
2014年7月19日、日本メディアによると、熊本大大学院自然科学研究科の戸田敬教授らの研究グループは18日、PM2.5(微小粒子状物質)の中に、発がん性があり、シックハウス症候群の原因になるホルムアルデヒドが含まれることを初めて確認したと発表した。
気体のホルムアルデヒドは吸い込んでも多くが気管までで消失するが、PM2.5と結びつくと肺に到達しやすいという。戸田教授は、「健康へのリスクが高いと考えられる」と指摘している。
微小粒子状物質「PM2.5」の値が深刻なレベルになっている。
白いスモッグに覆われている北京では、11日にサッカーのブラジル代表とアルゼンチン代表の親善試合が予定されている。9日の中国メディアによると、中国のチームと練習試合をしたアルゼンチン代表のメッシ選手が体調不良を訴え、途中退場。鼻などが息苦しそうに見えたという。
健康への影響
人間が呼吸を通して微粒子を吸い込んだ時、鼻、喉、気管、肺など呼吸器に沈着することで健康への影響を引き起こす。
呼吸器疾患、特に慢性気管支炎や肺気腫を含めた慢性閉塞性肺疾患の患者においては、健康な人よりも沈着量・沈着速度ともに大きく特に気道の病変に応じて大きくなるほか、沈着量よりも沈着速度の方が大きく増加するという研究結果がある[31][32]。環境省は2008年にこれらをまとめ、「COPDでは気道閉塞により全肺、特に気管支での沈着が増加する」としている。また粒子状物質への暴露は人の気道や肺に炎症反応を誘導するほか、粒子状物質が気道において抗原反応性を高めるアジュバントとして働き喘息やアレルギー性鼻炎を悪化させる作用や呼吸器感染への感受性を亢進させる作用が実験動物で認められ、人に関しては少なくともディーゼル排気ガス (DE) やディーゼル排気微粒子 (DEP) では喘息やアレルギー性鼻炎を悪化させる可能性があると結論付けている。
粒子状物質 – Wikipedia
PM2.5濃度
WHOの報告書によると、PM2.5の濃度が最も低い国はアイスランドで約4.8ug/m3。
以下、ブルネイ、オーストラリア、エストニア、フィンランドと続いている。
PM2.5の濃度が最も高い国はパキスタンで約101ug/m3。
その他、日本は約10ug/m3で12位、韓国は約23ug/m3で50位、中国は約41ug/m3で78位。
WHOではPM2.5の年間平均許容量を10ug/m3と定めており、約9割近い国が基準値を超えている。
意外にも報道で注目される中国より濃度が高い国が多くある事が分かりますね。
pm2.5関連ニュース
大気汚染による死者、2012年は世界で約700万人=WHO
世界保健機関(WHO)は25日、大気汚染が原因の死者が2012年には推計約700万人だったとする報告書を発表した。大気汚染は世界にとって、引き続き唯一最大の環境健康リスクだとしている。
大気汚染による死者、2012年は世界で約700万人=WHO| Reuters
大気汚染の影響が最も深刻なのは、東南アジアと西太平洋地域の低・中所得国で、2012年には屋内空気汚染で330万人、屋外大気汚染で260万人が命を落としたという。