ベストセラー『逆転力 ~ピンチを待て~』 指原莉乃 ビジネス書と見まごうばかりの構成力の高さ

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「読みやすい」と本人も太鼓判を押した、現役アイドルによる新書が売れている。 指原莉乃による『逆転力』は8月11日の発売以降、さまざまなブックランキングで上位を飾り続けている。発行部数も初版の5万部から増刷を重ね、8万5000部に達した。
さしはら りの 指原 莉乃
プロフィール
愛称さっしー、さしこ(ちゃん)
生年月日1992年11月21日
出身地 日本・大分県大分市
血液型O型
公称サイズ(2010年10月時点)
身長 / 体重159 cm / ― kg
スリーサイズ73 – 53 – 81.5 cm
単位系換算[表示] 活動
ジャンルアイドル
所属グループHKT48
活動期間2008年3月1日 –

「歌もダンスもヘタでかわいくない」けど、トップアイドルになった指原莉乃

指原莉乃の名は、アイドルやAKB48に詳しくない人でも聞いたことはあるだろう。この春に放送終了した『笑っていいとも!』で2年半レギュラーを務めたことで、顔までわかる人も少なくないはず。
全国放送で実況中継もされるAKBの名物「総選挙」で昨年は1位に輝き、今年も2位の座を射止めるなど、押しも押されもせぬトップアイドルだ。
その指原は、中学3年生のときにAKB48の研究生に合格し、21歳のいまに至るまでAKBグループで活動してきた。その簡単な経緯も『逆転力』の冒頭に、わかりやすく記されている。
「歌もダンスもヘタでかわいくない」けど、トップアイドルになった指原莉乃 日経トレンディネット

小学校時代からアイドル好きだったこと、中学校でいじめられていたことがAKB48に応募する原動力になったこと、上京する前までは「まあまあ自信があった。顔もかわいいと思っていた」のが研究生として活動するうちに「正統派アイドルは無理」と思い知らされたこと…。
その後も時系列的に、約6年にわたる指原の活動とその時々に抱いた思いがつづられていく。(「歌もダンスもヘタでかわいくない」も、本人なりの自己評価。)
「歌もダンスもヘタでかわいくない」けど、トップアイドルになった指原莉乃 日経トレンディネット

実は本書、指原自身が書いたものではない。いわゆる“語り下ろし”というたぐいで、発売当時の記者会見で指原は「書いていない」と公言し、「おもしろい。すごくわかりやすい」と絶賛していた。
そのわかりやすさにはおそらく、指原自身がうっすらとしか自分でも理解していなかった思考を、構成したライターがしっかりとまとめたという意味もあるのではないだろうか。
「歌もダンスもヘタでかわいくない」けど、トップアイドルになった指原莉乃 日経トレンディネット

「自分だけのキャラを見つける」「振られたキャラは否定せず受け入れる」「対人関係に必要なのは“努力”と“客観視”」など、ビジネス書の目次と見まごうばかりの章だてからも、構成力の高さがうかがえる。
たかが21歳のアイドルの浅い思考とあなどるなかれ。6年間の社会人経験といえば、大学卒業後に就職した人であれば、30歳間近に当たる。また、アイドルという人から見られる立場での経験は、見られることや誤解されることの多さは一般社会人の比にならない。
普通の社会人よりも少し濃い仕事経験をして、業界のトップであがき続けている人物の素直な心情。社会との向き合い方に悩んだり試行錯誤したりしている人たちへのヒントが、具体的に示されているからこその売れ行きなのだろう。
「歌もダンスもヘタでかわいくない」けど、トップアイドルになった指原莉乃 日経トレンディネット

https://matome.naver.jp/odai/2141295823365407601
2016年06月24日