2014年10月6日の日経の記事にこんな見出しが…
2014年10月6日の日本経済新聞で、「火山研究者、全国にわずか40人 就職先少なく学生減る」という記事が出る。
国内に110の活火山があるにもかかわらず、全国の大学で「火山研究者」は40人ほどしかおらず、「40人学級」と自嘲気味に言われている。そのため若手研究者の育成が望まれる。という内容。
火山研究者が40人しかいない?ほんと?
「40人学級」。火山研究者不足の現状について、大学関係者の間では自嘲気味にこういわれている。内閣府によると、全国の大学で火山現象の観測や調査に携わる研究者は40人ほど。同じく火山活動が活発な米国は約130人、イタリアは約150人、インドネシアは約120人いる。
火山研究者、全国にわずか40人 就職先少なく学生減る :日本経済新聞
背景に、就職先の少なさがある。自治体や省庁が積極的に火山研究者を受け入れるべきと説く。
他紙では
他紙でも日本経済新聞と同じようなことが書かれている。
その中でも信濃毎日新聞では少し詳しく、「国立大学で研究に携わる研究者」が40人と書いている。
問題は、手厚い観測態勢がとれる火山が一部でしかないことだ。全国の国立大学で研究に携わる研究者は40人ほどしかいない。態勢の強化が急務だ
信濃毎日新聞[信毎web] 御岳山噴火 見据えよう 火山の危険(2014/9/28)
噴火のタイプや前兆となる地震の起き方は火山によっても違い、予知には限界がある。個々の火山ごとに特徴を熟知した専門家の存在が欠かせないが、国内の大学にいる火山研究者は「40人学級」といわれるほど少ない。
火山列島、急襲 御嶽山噴火、地元は備え途上:朝日新聞デジタル(2014/9/28)
大学で火山の観測や研究に従事する研究者は40人程度で、火山学を専攻する学生も減っている。
社説:御嶽山の犠牲者 「戦後最悪」から教訓を – 毎日新聞(2014/10/3)
雑誌メディアでは学会関係者のコメントを掲載
朝日新聞出版のサイトに掲載された記事では、気象庁が24時間の常時観測対象にしている47の火山を「40人でカバー」していると書いている。
日本火山学会の関係者はこう話す。
「日本は世界有数の火山国ですが、火山の防災対策は後進国と言わざるを得ない。地震と火山は同じように国の予算がついていると考えられているが、まったく違う。火山研究の予算はあまりに少なすぎる。このため、火山学者を目指そうという学生も少ないんです。国内にいる火山学者は40人程度では、観測体制も充実できません」
日本国内には活火山が110カ所、このうち「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」として火山噴火予知連絡会によって選定され、気象庁が24時間の常時観測対象としている火山が47カ所あるが、これを40人でカバーしなければならないというのだ。国内に約2000人もいる地震学者とは、歴然とした差がある。
火山国なのに、金なし、人なし… “お寒い”ニッポンの火山研究 〈dot.〉|dot.ドット 朝日新聞出版(2014/10/1)
つまり40人しかいないとはどういうこと?
Twitterでも「火山研究者が40人しかいない」という書き方に疑問を持つ声がある。
相転移P(市民)@phasetr
これが「答え」か?
Twitterで疑問を持った方が調べた結果、「火山研究者が40人しかいない」という謎についての答えとして、「火山噴火予知連絡会に携わる研究者が国内の大学に40人しかいない」という意味であろう、と結論付けている。
火山学者が40人というのは、噴火の直前予知研究に携わる火山学者が40人という意味だと思う。
— 月野うさはかせ Prof.Lièvre (@usa_hakase) October 2, 2014
黒歴史譚☆ミ@Alcohol_Lover
今日の疑問をつらつらと出口が見えないまま解明しようとする企画、 #Q_of_TODAY
本日のお題「火山噴火予知対策予算および専門家数について」
黒歴史譚☆ミ@Alcohol_Lover
黒歴史譚☆ミ@Alcohol_Lover
さすがに40人ってことはないのでは?と、検索してみたところ2012年の記事にも同様の記載が
「高まる噴火リスク、備えは後手 暮らし守れるか」
asahi.com/special/bousai…
火山によって噴火のタイプや噴火前の地震の起き方は異なり、各火山の特徴に精通した専門家がいないと十分な対策ができない。だが、国内の大学の研究者は少なく、その数から「40人学級」とも揶揄(やゆ)される。国立大学の法人化で予算が厳しくなるなか、観測網の維持も厳しくなっている。
朝日新聞デジタル:高まる噴火リスク、備えは後手 暮らし守れるか – おすすめ記事〈火山列島 災害大国 迫る危機〉(2012/12/2)
黒歴史譚☆ミ@Alcohol_Lover
sevo.kyushu-u.ac.jp/sevo/reports/2… (2008/4/16 毎日新聞)
「40人学級」という言葉がある。義務教育の話ではない。日本列島には108もの活火山があるが、噴火予知に携わる大学の研究者は全国に計40人ほどしかいない現状を言う。近い将来には30人学級か、学級閉鎖すら起こりうる危機的状況だ。
毎日新聞(2008/4/16)
九州大学 大学院理学研究院 附属地震火山観測研究センターのサイトより
http://www.sevo.kyushu-u.ac.jp/
黒歴史譚☆ミ@Alcohol_Lover
今日のところは「気象庁 | 火山噴火予知連絡会委員名簿」data.jma.go.jp/svd/vois/data/… あたりがソースなのかなあ、ということにしておきますねw
まとめると…
「日本で40人しかいない火山研究者」の条件
・火山の観測や調査に従事する(各紙報道)
・全国の国立大学に所属する(信濃毎日新聞)
・火山噴火予知連絡会によって選定された47の活火山の常時観測に携わっている(朝日新聞出版)
・噴火予知の研究に携わる(毎日新聞)
各報道から察するに…
全国の国立大学で、気象庁の噴火予知に携わり火山観測をしている研究者が40人しかいない、とのことか。
追加:火山観測をしている研究者が少ない理由
2015年6月6日のNHK「深読み」で、火山観測研究者が少ない理由が取り上げられた。
http://www1.nhk.or.jp/fukayomi/
活動中の火山が少ない。→火山に関するデータが少ない。→論文が書けない。→教授になれない。→人が火山研究から離れる
と説明された。地震研究者は少なくともこの5倍と説明された。
火山観測を大学任せにされていることの弊害か。
今朝のNHK深読み。日本の火山学者は50人に満たず、40人学級と呼ばれてるらしい。なぜか?火山はデータが少ない→論文が書けない→教授になれない、ということらしい。競争は学術を歪める
— Toyoaki Nishida (@toyoakinishida) June 5, 2015
NHKつけたら「何故火山予知避難ができないか=研究者が少ない・論文書けない」で始まってて、ちと違うと思った。
私見は「定点観察・観測者がいない」から。昔は居たところでも、国や自治体が予算を切って全部閉ざさした。
毎日見ている誰かがいれば、山の変化って気づくんだよ。— 彩★コロナ終息祈願 (@aya_promenade) June 6, 2015
追記:文科省によると現在「火山観測」している研究者数は47人
・文部科学省によると、国内の大学で火山観測に携わる教授・准教授・講師・助教・任期付き研究員は年々減り、現在47人。
・国策として増やす方向を続けてきたイタリアは、『定義がやや違うが』150人以上という。
・火山観測所に常駐して観測する研究者の増員が求められている
(メモ)
2015年9月27日の御嶽山噴火から1年経過に合わせての共同通信発の静岡新聞紙面記事に、火山研究者の具体的な人数と、少なさについてが掲載。
追記:2018年1月の草津白根山の噴火を受けての報道で「火山研究者は国内に80人しかいない」との報道→倍増した?→増えてたわけではなかった
文部科学省は国内におよそ80人しかいない火山の研究者を倍増させる目標を掲げ、2年前から次世代の研究者を育てるプロジェクトを始めています。今回のフォーラムもその一環で、火山の研究者や気象庁の担当者らおよそ140人が集まりました。
予知の困難克服へ、火山学者が研究フォーラム TBS NEWS
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この「80人」という数字のソースは、福井新聞に掲載。
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地震研究に比べ研究者の数の少なさも指摘される。政府資料(14年)によると火山研究者は全国で約80人、うち大学に属する研究者は47人にすぎない。
草津白根山噴火の教訓 手薄な体制 再構築が急務 | 論説 | 福井新聞ONLINE 2018年1月27日 午前7時30分
2014年の政府資料より。
大学所属の研究者が47人というのは前にも出ていた。
数字の取り方が違うだけで、4年前と比べて特に新しく研究者が「増えた」というわけではないみたい。
追記:2018年2月9日の衆院予算委で共産党の塩川議員の質問で火山研究者の数について言及があった
111の火山。50の要監視。でも、研究してる火山学者さんは47人 若手はわずか5人。大丈夫なの? / @yzjps 塩川鉄也(共産) https://t.co/k8pyJ76geK | 3:15:36経過
— シマシマネコのママ⛅(😷ウィズコロナとか、嫌だ。消費税減税・原発は禁止に。 )🌈 (@simanekomama) February 9, 2018
平成28年で 45名 40歳以下は 7名 / @yzjps 塩川鉄也(共産)火山対策 https://t.co/k8pyJ76geK | 3:17:48経過
— シマシマネコのママ⛅(😷ウィズコロナとか、嫌だ。消費税減税・原発は禁止に。 )🌈 (@simanekomama) February 9, 2018



http://www.kazan-g.sakura.ne.jp/J/doc/doukou.html古いデータだが、会員数は右肩上がりだった。
2014年の火山学会秋季大会の発表者も結構いる。
http://www.kazan.or.jp/doc/kazan2014/