野球好きにはたまらない!ファミスタに出てくる選手の名前がじわじわくる

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いわずと知れたファミコンソフトの名作『プロ野球ファミリースタジアムシリーズ』、通称「ファミスタ」。このファミスタに出てくる選手の名前をじっくり観察してみると、これがなんともじわじわくることをご存知でしょうか。幼少期に感じたあの違和感をじっくりとひもといてみたいと思います。

ファミスタについて簡単に説明しておきます

1986年にシリーズ第一弾が発売。ファミコンにおける今までの野球ゲームと比較し、その操作性やプロ球団をモデルとしたリアリティの高さが話題に。その後、大人気となりシリーズ化され近年ではモバイルゲームとして発売された超ロングランの野球ゲームです。

なんで選手の名前がおもしろいの?

当時のファミコンソフトのスペックでは、選手名は平仮名4文字までが限界で、しかも、濁点は1文字換算、小さい「つ」や「よ」などは表現できなかった。そのため、渡辺(わたなべ)という名前の選手は『わたなへ』、正田(しょうだ)なら『しようた』と表現するのが、一番ご本人の名前に近い表記だった。

※もちろん、もっと長い文字数を名前に使うこともできたはずだが、限られたスペック容量を操作感など他の部分に振り分けたほうが良いと考えられていた。

1986年発売の『プロ野球ファミリースタジアム』に出てくる選手

きたへふ(広島東洋カープ:北別府)

北別府 学(きたべっぷ まなぶ)

現役通算213勝をあげた、広島東洋カープの大投手

コントロールが抜群で「精密機械」との異名をとり、投手賞の中では最高と言われる沢村賞を2度受賞、その他にも最多勝や最優秀防御率のタイトルも取得している。

沢村賞2回、最優秀投手賞2回、ゴールデングラブ賞1回、最多勝2回、最優秀防御率1回、野球殿堂入り

通算勝利数213勝は、日本プロ野球歴代19位

しようた(広島東洋カープ:正田)

正田 耕三(しょうだ こうぞう)

広島東洋カープ不動の二塁手。スイッチヒッターとして日本プロ野球史上初の首位打者に輝く

首位打者2回、ゴールデングラブ賞5回、盗塁王1回、を含め数々のタイトルを取得。通算打率は287.

ばあす(阪神タイガース:バース)

ランディ・バース(Randy William Bass)

誰しもが認める史上最強の助っ人。打撃力もさることながら、その人の良さや野球への姿勢など人格面での評価が非常に高い。

首位打者2回、本塁打王2回、打点王2回、最高出塁率2回、最多安打2回。セントラル・リーグ初の外国人本塁打王に輝き、三冠王も2度獲得している。

通算打率337. 通算本塁打202 通算打点486

1987年発売の『プロ野球ファミリースタジアム’87』に出てくる選手

初代ファミスタの大ヒットに味をしめ、ナムコは毎年ファミスタを発売していきます。

くろまて(読売巨人:クロマティ)

ウォーレン・クロマティ(Warren Livingston Cromartie)

日本プロ野球における外国人助っ人の代名詞といえる名選手。お尻を大きく突き出したクラウチングスタイルの打撃フォームが独特で、当時の野球少年ならば必ず一度は真似をしたことがあるはず。風船ガムをふくらますパフォーマンスも有名。

タイトルは、首位打者1回、最高出塁率1回、最多安打1回を獲得。通算打率321. 通算打点558

しのすか(読売巨人:篠塚)

篠塚 和典(しのづか かずのり)

芸術的とも呼ばれるバットコントロールと華麗な守備はあまりにも有名。巨人軍の主力選手として、6回のリーグ優勝、3回の日本一に貢献、首位打者にも2度輝いた。

通算打率は304.

※1992年までの登録名は篠塚利夫(しのづかとしお)

1988年発売の『プロ野球ファミリースタジアム’88』に出てくる選手

この『プロ野球ファミリースタジアム’88』から選手の名前がどうもおかしくなってきます。このころになるとファミコンソフトのスペックが向上し、濁点を含めて4文字の名前を使うことができるようになっているにもかかわらず、4文字におさまる選手名も縦横無尽に変形され、中にはどう考えてもネタとしか思えない名前が出てくるのです。

きたぽつ(広島東洋カープ:北別府)

北別府 学(きたべっぷ まなぶ)

いやいや、だから大投手なんですってば。どう考えてもおかしいでしょう。なんですか「ぽつ」って?

きたへふ、のままでいいじゃないですか。

濁音・半濁音が1文字でカウントできるなら、「きたぺぷ」「きたべつ」「べっぷ」とか、もっと近い名前が絶対にあったはずです。

ほぴの(阪急ブレーブス:星野)

星野 伸之(ほしの のぶゆき)

これもおかしいです。あえて「ぴ」をいれる必要性をまったく感じません。

「ほしお」「こしの」「おしお」「ほしだ」など、たくさん候補があるなかで「ほぴの」を選ぶのは若干の悪意すら感じます。

球速の遅さが有名な星野投手ですが、独特のフォームから繰り出されるストレートは体感スピードが速いようで、あの伊良部投手より速いと感じる打者もいたそうです。

ちなみに通算奪三振2041個は日本プロ野球歴代21位の大記録です。

むぎの(近鉄バッファローズ:阿波野)

阿波野 秀幸(あわの ひでゆき)

新しい変形のパターンです。おそらく阿波野から「粟」を連想し、さらにそれを「麦」に昇華させています。一般的には粟よりも麦の方が美味しいので、良い意味を込めたつもりなのかもしれません。

ルーキーイヤーにいきなり両リーグトップの奪三振を記録し、翌年は新人王に輝く。最多勝1回、最多奪三振2回、ゴールデングラブ賞1回を獲得。

たきだし(日本ハムファイターズ:西崎)

西崎 幸広(にしざき ゆきひろ)

もはや原型をとどめていません。「たきだし」という選手名を見て、この西崎を思い出す人がどれだけいるというのでしょうか。ナムコさん、これはちょっとひどいんじゃないでしょうか。たしかにそうとう笑わせてはいただきましたけれども。

最多勝1回、ゴールデングラブ賞2回を獲得し、トレードで移った西武ライオンズの東尾監督をして、当時の化け物ルーキー松坂に「西崎を手本にしろ」と言わしめた投手。

ファッション誌『メンズノンノ』の表紙を飾った初のプロ野球選手としても有名で、その甘いマスクに魅かれた女性ファンが多かったようです。

きよすく(西武ライオンズ:清原)

清原 和博(きよはら かずひろ)

駅の売店でしょうか?これは確実に、確実にねらってます。こんな大選手に対し、ある意味バカにしたような変形をしてくるところにナムコ開発陣の凄みを感じます。

本塁打王や打点王のタイトル獲得経験がないのは意外な感じがしますが、新人王、ゴールデングラブ賞5回、最高出塁率2回、そして数々のMVPを獲得しています。

通算1955三振、通算196死球はどちらも日本プロ野球歴代1位の記録です。

おやしき(大洋ホエールズ:屋鋪)

屋鋪 要(やしき かなめ)

文字を増やす新しいパターンです。あたまに「お」をつけるのは丁寧語の基本ですが、なぜかバカにしている感じがするのは私だけでしょうか。

とにかく足が速く、盗塁と守備範囲の広さは圧倒的で、高木豊、加藤博一と3人で「スーパーカートリオ」として、加藤の後釜として高橋の加入後は「ニュースーパーカートリオ」として活躍した。

ファミスタのゲーム内でもやたらと足が速く手こずった思い出があります。

盗塁王3回、ゴールデングラブ賞5回を獲得しています。

ばなな(南海ホークス:バナザード)

トニー・バナザード(Antonio “Tony” Bernazard Garcia)

たしかに海外の方の名前の略し方は日本人には理解できないモノがたくさんあります。が、「ばなな」はどうなんでしょうか。

超短気ですぐに乱闘騒ぎを引き起こしますが、俊足でスイッチヒッターでもある巧打者で長打力もある素晴らしい助っ人でした。

ぶうまん(阪急ブレーブス:ブーマー)

ブーマー・ウェルズ(Gregory DeWayne “Boomer” Wells)

「ぶうまあ」でいいじゃないですか。なぜ「まん」をつけてしまうんでしょうか。何故だかはわかりませんが、日本語の語尾の「まん」は、まあるくて重量のある感じを与えるので、その印象なんでしょうか。でも、当時のブーマーはそんなに太ってなかったんですけどね。

首位打者2回、本塁打王1回、打点王4回、最多安打4回、三冠王1回、ゴールデングラブ賞2回を獲得している超大物助っ人です。

ぴこ(中日ドラゴンズ:彦野)

彦野 利勝(ひこの としかつ)

これはやっつけ過ぎでしょう。「ぴこの」ならまだ分かりますが、なぜあえて短縮したんでしょうか。それとも何か、ボタンを押したときの「ピコッ」という音と因果関係があるのでしょうか?まったく謎めいています。

左手と右手の間をあけてグリップを握る独特のフォームは今でも記憶に残っています。

ゴールデングラブ賞を3回受賞しています。

1989年発売の『ファミスタ’89開幕版!!』に出てくる選手

この年には新ゲームタイトルで発表されたファミスタですが、選手名の珍変形の妙技は衰えを知りません。

おおによ(広島東洋カープ:大野)

大野 豊(おおの ゆたか)

いわずと知れた大投手ですが、どういった経緯でこのような名前になってしまったのでしょうか。想像するに「おおの」→「おおにょ」→「おおによ」でしょうか。最初の変形にまったく必然性がなく、はなからバカにしてるとしか思えません。

独特のフォームから繰り出す変化球を苦手にする打者が多く、かの松井秀喜が「大野さんのボールは一生打てない」と言ったそうです。

投手タイトルの最高峰である沢村賞1回、最優秀防御率2回、最優秀救援投手1回、ファイアマン賞1回を獲得し、野球殿堂入りを果たしています。

はたはた(読売巨人:なかはた)

中畑 清(なかはた きよし)

うまそうな名前です。でもけっして魚ではありません。どうしても軽くバカにしてるように感じてしまうんですが、ナムコ開発陣に悪意はないのでしょうか?

守備がうまい記憶がないのですが、ゴールデングラブ賞を7回受賞しています。

ひぽさわ(ヤクルトスワローズ:広澤)

広澤 克実(ひろさわ かつみ)

半濁音の系譜は今年も引き継がれているようです。「ひろさわ」ならなんの違和感もないのに、たった一文字変えて「ひぽさわ」にするだけで、なんたる間抜け感を醸すのでしょうか。

飯田、古田、池山、などと野村スワローズの全盛期を支えた一人で、打点王を2度獲得しています。読売ジャイアンツ、阪神タイガースの両大人気球団で4番を務めたことのある、球界唯一の選手でもあります。

るる(読売巨人:呂)

呂 明賜(ろ めいし/ルー・ミンスー)

どこかで聞いたことのある名前です。「るる」を決定したときのナムコ開発陣の中に風邪をひいている人がいたのはもはや明白です。

クロマティとガリクソンという大物助っ人ふたりと同時期に在籍したためあまり出場機会にめぐまれませんでしたが、「アジアの大砲」と呼ばれた豪快な打撃と強肩が記憶に残っています。

にら(大洋ホエールズ:新浦)

新浦 壽夫(にうら ひさお)

一文字カットしただけで翌日に臭いの残りそうな名前になってしまいました。

野球ゲームでは普通、昨シーズンの実績をもとにして選手の実力パラメーターを決めていくので、実名を使う場合は細心の注意を払うと思います。ただ、「にら」の場合はその細心の注意が裏目に出てしまった典型的な例だと考えられます。

最優秀防御率2回、最優秀救援投手1回、奪三振王1回、最多セーブ2回、最優秀投手賞1回、カムバック賞1回を獲得している大投手です。

1990年~92年発売の『ファミスタ’90』『ファミスタ’91』『ファミスタ’92』に出てくる選手

このころになると、名前のなかで一文字だけ変えるというマイルドな変形が主流になります。ただ、中にはやはりどう考えてもおかしいだろ、とツッコまざるを得ない変形を見つけることができます。

たにちげ(横浜ベイスターズ:谷繁)

谷繁 元信(たにしげ もとのぶ)

主流の1文字変換ですが、どうしても辛い鍋が食べたくなってしまう変形です。それとも、赤ちゃん言葉風にすることで、当時まだまだ若かった谷繁の様子を表していたのでしょうか。

現在は、中日ドラゴンズの選手兼監督として現役続行中で、通算出場試合数は日本プロ野球歴代2位の記録です。

やまもも(中日ドラゴンズ:山本)

山本 昌広(やまもと まさひろ)

くいしんぼうの私はついヤマモモ(山桜桃)を想像してしまいますが、この「やまもも」は食べられそうにありません。

つい先日、最年長勝利投手の記録を更新したばかりのバリバリ現役投手です。

最多勝3回、最優秀防御率1回、最多奪三振1回、沢村賞1回、最優秀投手2回、を獲得している大投手です。

かおり(西武ライオンズ:鹿取)

鹿取 義隆(かとり よしたか)

なぜ勘違いをおこさせるような変形をするのでしょうか。「かおり」といえば普通は女性を連想するでしょう。「かとし」とか「かこり」とか他にいくらでもありそうなもんですが、開発陣に女性がいたんでしょうかね。

最優秀救援投手1回、ファイアマン賞1回の獲得です。

ぴつころ(中日ドラゴンズ:彦野)

彦野 利勝(ひこの としかつ)

おどろきです。「きたへふ」→「きたぽつ」ばりの変換を遂げ、「ぴこ」から「ぴつころ」へ昇華しました。完全に魔貫光殺砲です。

1998年に引退し、現在は野球解説者としてご活躍です。

1993年からは原則実名制へ

1992年を最後にファミスタの選手たちはモデルとなった選手の実名制になります。こうして、88年から92年までの5年間は、まるで幻のだったかのように過ぎていきました。

※選手の所属球団及び球団名は、各ファミスタ発売当時の所属・名称といたしました。

https://matome.naver.jp/odai/2140997973659263001
2017年02月18日