【JAZZ】第1回 ” I’ll Close My Eyes ” 【名曲・名演】

jazzhistory
“まぶたはその人の記憶を映す最高のスクリーンであって欲しい”

元祖「遠恋」ソング?


https://matome.naver.jp/odai/2140996480046241001/2146400735166202503
ミュージカル映画の大ヒット曲
この曲は、イギリスの作曲家ビリー・リード(Billy Reid)が1945年に作詞・作曲したものです。その後、アメリカのバディ・ケイが新しい歌詞を付けました。この曲はミュージカル映画 “Sarge Goes To College”(1947) に使われ大ヒットしました。

ビリーの原歌詞は男性の失恋をテーマにしたものでしたが、バディはこれを、遠い場所にいる男性に忠誠を誓う、女性の気持ちに置き換えています。

私は瞳を閉じる そして誰も見ない
すると浮かんでくる あなたの姿が
誰に抱きしめられても 私は心を開かない
誰に告白されても イエスと言わない

私は瞳を閉じる あらゆる楽しみから目をそむける
あなたなしでは 一体何を思い出に残すというの
遠く離れて過ごす いくつもの年月の間に
あなたはご存じかしら
私は瞳を閉じて 心の中であなたと会っている
Dinah Washington – I’ll Close My Eyes Lyrics | MetroLyrics

(訳:jazzhistory)

http://www.youtube.com/watch?v=GGpzUoh9Zaw
映画が封切られてから半世紀以上。”I’ll Close My Eyes”は今日に至るまで、数多くの歌手やミュージシャンに愛される、ジャズのスタンダード・ナンバーであり続けています。ここではジャズ史にその名を残す名歌手サラ・ボーンの歌唱をお聴きください。
http://www.youtube.com/watch?v=VMgjS_HkCKM
ブルー・ミッチェルの歴史的な名演です。その歌心にあふれた演奏は、多くのプレイヤーにとって今なおビバップ(※)の教科書的な存在であり続けています。

また、伴奏を務めるウィントン・ケリー(ピアノ)の粋なフレーズにもぜひ耳を傾けてみてください。

※ビバップ:ジャズの形式のひとつ

明るくも、渋みのある名演。

http://www.youtube.com/watch?v=05oY4zCRX-M
彼はジャマイカ生まれのトランぺッターで、19歳の時に渡英して活動しました。他のプレイヤーのサイドにまわることが多く、自身の作品は多く残しませんでしたが、その流れるようなメロディは、「ジャズの帝王」と呼ばれるマイルス・デイビスも賞賛したといいます。

ちなみにこの曲のピアノ伴奏も、上記のブルー・ミッチェルと同じくウィントン・ケリーです。両方のピアノ伴奏を聞き比べてみるのも面白いのではないでしょうか?

このアルバムには、他にもハンク・モブレー(サックス)、ポール・チェンバース(ピアノ)といった、素晴らしいプレイヤーが参加しており、作品により厚みが加わっています。

現代トランペットの旗手 カイザーはゆったりとした演奏で

http://www.youtube.com/watch?v=y-3qxfPyb88
ライアン・カイザーはわずか19歳でデビューした俊英で、21世紀のジャズ界をけん引するトランぺッターの1人です。
彼は上記の演奏とはうってかわって、非常にゆったりしたテンポの、リラックスしたプレイを繰り広げています。音色の温かみに耳を傾けてみてください。

“I’ll Close My Eyes”の演奏は非常に多く存在します。興味のある方はYouTubeなどで検索してみてください!

https://matome.naver.jp/odai/2140996480046241001
2016年05月23日