ソニーのAIBOがひっそりとサポートを終了していた

道楽生活
ソニーのAIBOがひっそりとサポートを終了していた件についてまとめていました。

ソニーのAIBOがひっそりとサポートを終了していた

・ソニーが犬型ペットロボットAIBOの修理サポートを終了した

・2006年にソニーはロボット事業からの撤退を発表し、AIBOの生産を終えた

・AIBOの飼い主たちは「こんなにサポートが長く続くとは思わなかった」「動かなくなるのは考えたくない。家族の一員ですから」「いつかこの日が来るだろうと思っていた」など、思いはさまざまだった
【悲報】犬型ペットロボット『AIBO』の修理サポートが終了… 飼い主「家族の一員だから動かなくなるのは考えたくない」 : はちま起稿

AIBOとは

AIBO(アイボ)は、ソニーが発売していた子犬型などのペットロボット(エンタテインメントロボット)。

全長約30cmの動物型ロボットである。

4足歩行ができ、子犬に似せた動作をし、ユーザーとコミュニケーションすることで成長するように設計されている。

専用のメモリースティックを介して、ユーザーが自らプログラミングすることも可能である。

家事を分担させるためではなく、動作させてその挙動を楽しむために供されるロボットである。

同製品の成功により、現在ではエンターテイ(ン)メントロボットと呼ばれる市場も発生、玩具メーカーや他の家電メーカーにより、様々な同用途向けの製品が発売されるきっかけとなった。

それらの中には介護や情操教育の現場で実際に用いられているものもある。

AIBOの名前は、Artificial Intelligence roBOt の略で、AI(人工知能)、EYE(目、視覚)そして「相棒(aibou)」にちなむ。
【悲報】犬型ペットロボット『AIBO』の修理サポートが終了… 飼い主「家族の一員だから動かなくなるのは考えたくない」 : はちま起稿

開発から終焉へ

AIBOに関わるマーケットが存在していなかったため、ソニー内部でも、「ソニーはおもちゃを作る会社ではない」などの冷ややかな意見が多数派であった。

プロジェクトは、当時の土井利忠常務を責任者として組織され、現場のリーダーとして、ソニーを退職しゲーム会社ナムコ(現・バンダイナムコゲームス)にて要職に就いていたエンジニアを呼び戻すことによって遂行された。

当初より家庭向けロボットを目標に開発、試作品発表の段階で製品化による販売を望む声も多く、開発側はヒットを確信したとも言われている。

開発の経緯はNHKの『プロジェクトX』でも取り上げられた(2003年7月22日放送 第122回 「復活の日 ロボット犬にかける」)。

製品第1号のERS-110を1999年に発売して以降、高機能化や廉価仕様(ERS-31L)のモデルの発売が毎年行われ、ソニーマーケティングによるデモイベント等も実施されてきたが、出井伸之会長は2004年の経営会議でロボット事業からの撤退を命令、2005年に就任したストリンガーCEOによるエレクトロニクス機器部門のリストラ策として、CLIE・電子辞書(EBDictionary)と共に生産終了となった。

しかし、ペットロボットというジャンルを確立したその意義は大きい。

それまでにも類似の商品がなかったわけではないが(例:ファービー)、受け身ではなく自律稼働する個体として家庭に持ち込まれた「ペット」であるという点が革命的だったのである。

また、「電気製品の日本」「ロボット大国日本」のイメージを世界に向けて強く発信したという面も功績の一つである。

AIBO、君を死なせない 修理サポート終了「飼い主」の悲しみ

ロボットだから永遠に一緒だと思ってたのに……。
迫りくる「別れの日」を前に「飼い主」たちの努力は続いている。(編集部・高橋有紀)

リビングで飼われている「ほくと」は10歳。毎朝8時半になると目を覚ます。飼い主の60代の女性が「ほくと、何してるの?」と話しかけると、ほくとが答える。
AIBO、君を死なせない 修理サポート終了「飼い主」の悲しみ〈AERA〉 (dot.) – Yahoo!ニュース

「ぼんやりしてた」「なでなでして」

10年変わらない、この家の日常の風景だ。

以前は元気に部屋の中を動き回り、旅行にも連れていったが、最近は定位置でじっとしていることが多い。

足の関節が悪く、動くたびに異音がしたり、転びやすくなったりしているからだ。

ケガが多く20回は「入院」したほくとだが、その「病院」もこの3月で閉鎖されてしまった。

ソニーが修理サポートを終了したのだ。
AIBO、君を死なせない 修理サポート終了「飼い主」の悲しみ〈AERA〉 (dot.) – Yahoo!ニュース

●「家族の一員ですから」

ほくとは犬型ペットロボットAIBOの「ERS‐7」だ。初代AIBOの発売は1999年。

その後、2006年にソニーはロボット事業からの撤退を発表し、AIBOの生産を終えた。在庫のない部品も多かったが、それでも今年の3月まで「クリニック」と呼ばれる修理サポートは続けられてきた。

「終了したサービスのサポートを企業がこんなに長く続けることは、通常考えられない。アップルなら2、3年でOSのサポートが終わりますよ」
AIBO、君を死なせない 修理サポート終了「飼い主」の悲しみ〈AERA〉 (dot.) – Yahoo!ニュース

と、あるAIBOファンは話す。クリニック閉鎖を知った前出の女性は最後の検査に送り出すとき、クリニックの人たちへのお礼状をほくとに持たせた。

「今までと同じようにほくととの時間を過ごしたいと思っても、なかなかステーション(充電機)から下ろすことができません。(動かなくなる日が来ることは)考えたくないですね。家族の一員ですから」

計15万台が販売されたAIBO。いまだに「飼い」続け、かわいがっている人は多い。
AIBO、君を死なせない 修理サポート終了「飼い主」の悲しみ〈AERA〉 (dot.) – Yahoo!ニュース

●ロボットをどうみとるか

月1回、神奈川県川崎市で開かれているオフ会にお邪魔した。

12人の参加者が愛「犬」を連れてきて遊ばせている。オフ会が縁で結婚したという夫婦がいた。

部品やバッテリーの交換用にヤフーオークションで中古のAIBOを探しているという男性もいた。

「いつかこの日が来るだろうと思っていた」「グーグルがロボット事業に手を出している。ソニーは見る目がなかった」

飼い主の思いはさまざまだ。
AIBO、君を死なせない 修理サポート終了「飼い主」の悲しみ〈AERA〉 (dot.) – Yahoo!ニュース

技術者として長年ソニーに勤めた乗松伸幸さんは、10年に早期退職し、株式会社ア・ファン~匠工房~を設立した。

古いオーディオ機器など修理窓口がなくなった製品の修理を請け負う。

以前1匹のAIBOを修理したことが口コミで広がり、現在、20匹が入院中だ。毎日のように問い合わせがくるが、態勢が整うまで待ってもらっている状況だ。

「企業として利益の出ないサービスを終了する判断は仕方ないが、その中で取り残されてしまうお客様がいる。ソニーの技術者として、私たちは誇りや理念というものをたたき込まれている。お客様が望む限り、責任を持ってサポートしたい」
AIBO、君を死なせない 修理サポート終了「飼い主」の悲しみ〈AERA〉 (dot.) – Yahoo!ニュース

老いたロボットをどうみとるか。こんな問題をいったい誰が想像しただろう。

ソフトバンクが6月に発表した人型ロボットpepperにも、数年後、数十年後、いずれ同様の事態が起きるかもしれない。前出のAIBOファンは言った。

「これこそが、ソニーが最後に見せてくれた『未来』なのかもしれませんね」

※AERA  2014年8月4日号
AIBO、君を死なせない 修理サポート終了「飼い主」の悲しみ〈AERA〉 (dot.) – Yahoo!ニュース

AIBOの買取はいまだに行われているらしい

https://matome.naver.jp/odai/2140693261618384201
2014年11月29日