責任逃れ? アギーレジャパン誕生と日本サッカー協会の現状とは

いっきゅうさんた
以前から噂があった通り、ハビネス・アギーレ氏がサッカー日本代表の監督に就任しました。しかし巷では「ブラジルW杯の責任は取らないのか」「敗因の検証なしに監督を決めていいのか」といった声がたくさんあります。アギーレ氏就任における日本サッカー協会の思惑とは。サッカー日本代表の未来は大丈夫なのでしょうか。

ハビエル・アギーレ氏、日本代表監督就任!

日本サッカー協会の専務理事である原博実氏が24日、日本代表の新監督として、メキシコ人のハビエル・アギーレ氏と合意したことを発表した。
日本代表の新監督、メキシコ人のハビエル・アギーレ氏と合意 (SOCCER KING) – Yahoo!ニュース

この日本サッカー協会の発表に対し、批判の声が続々と…

元サッカー日本代表の城彰二氏が、次期日本代表監督にハビエル・アギーレ氏が就任することを発表した日本サッカー協会に対し、フェイスブックで疑問を投げかけている。
「今大会、日本は何が通用しなかったのか? 何が通用したのか? 今後の日本代表はどの様な方針で行くのか? 分析はしたのだろうか?」
城彰二氏がハビエル・アギーレ次期代表監督の就任発表に苦言「謎がいっぱい…。とても残念です…」 – ライブドアニュース

代表監督人事については、当然ながら協会の内部からのリークが無ければ伝わって来ない話であり、原さんとは限りませんが内部の誰かが意図的に情報を流していた事は確実です。
こうしてアギレたままにアギーレジャパンがスタート | Blog版蹴閑ガゼッタ

独断でジーコ監督就任を決めた川淵氏が追求をウヤムヤにしてしまうように「あ、オシムって言っちゃったね」とわざとらしくリークをした事件がありましたが、今度はそれを集団体制で、リークの責任すら分からない形でやられてしまった感がありますな。
こうしてアギレたままにアギーレジャパンがスタート | Blog版蹴閑ガゼッタ

外国人監督とスタッフだけに日本代表を託すのは、率直に言って丸投げである。よくも悪くも財産として次代に継承できるように、のちに監督やコーチを任せられる日本人スタッフは必要だ。
【戸塚啓コラム】なぜ日本人監督は候補外なのか? – ライブドアニュース

今回の監督人事もなし崩しが狙いだったのでしょうか。
ここでは視点を変えて、日本サッカー協会にスポットをあててみましょう。

日本サッカー協会とは

日本サッカー協会は、日本サッカー界を統括し代表する団体として、サッカー競技の普及および振興を図り、もって国民の心身の健全な発達に寄与することを目的とする
日本サッカー協会 – Wikipedia

サッカー日本代表人気もあって、スポンサーからの巨額の資金を受けており、2010年度予算は前年度より約14億円多い約176億円を計上している。
日本サッカー協会 – Wikipedia

日本サッカー協会には理事会、常務理事会、評議員会、裁定委員会、そして13の専門委員会、2つの大会実施委員会、6つの特別委員会があり、その下に事務局が置かれている。理事会はJFAの各種業務を協議・決定する機関で、原則として毎月1回開催される。
日本サッカー協会 – Wikipedia

協会のトップとは、どのような方でしょうか。

日本サッカー協会会長・大仁邦彌氏

大仁会長は現役時代は日本代表DFとして44試合に出場。日本サッカーリーグ三菱重工の監督を退任後に5年間のサラリーマン生活を経て92年に日本協会入りした。
JFA理事会で正式決定!大仁新会長 自前の“虎の穴”つくる  — スポニチ Sponichi Annex サッカー

「なぜ彼が新会長? と協会関係者に聞くと、『何もしないからでしょ』という答えが返ってくるような人です(笑)。口が堅いのが取り柄で、人柄の良さでここまで上り詰めた人なんですよ」(ベテランサッカー記者A)
日本サッカー協会の新会長大仁邦弥氏は“何もしない人” | THIS WEEK – 週刊文春WEB

日本サッカー協会副会長・田嶋幸三氏

田嶋さんがアイデアを持たない人物とは思わない。そのアイデアの是非は別だが。むしろ、コンセプト先行型というか学究肌の人であって、聞かれもしないのにベラベラしゃべるタイプではないかな?一種のオタクとも言えるわけだが。
【サッカー批評issue49】日本サッカー協会前会長・犬飼基昭氏のロングインタビュー – GARIMPEIRO NOTE

田嶋は川淵の犬だから。田嶋が協会の要職について大きな仕事したことない。コネと権謀術だけで上にのし上がってきたのが田嶋。指導者としても失敗しているし。こんな奴が協会にいる限りサッカー協会は腐る一方だな。
田嶋幸三は会長選でどんな裏工作をしたのか – サポティスタ

日本サッカー協会は人材枯渇?

日本サッカー協会内で人材が不足しているのも事実なんです。すべての責任は会長在任中に役員を育てようとしなかった私と川淵君にある。
岡野俊一郎と金子勝彦が語る日本サッカー(その1)健全な組織の発展妨げた川淵氏の権力増大と院制 | フットボールチャンネル | サッカー情報満載!

2002年のW杯後に急に収入が増え、念願だった協会ビルも購入し、組織がどんどん拡大していった過渡期において後進を育てる時間がなかったこともまた事実。
岡野俊一郎と金子勝彦が語る日本サッカー(その1)健全な組織の発展妨げた川淵氏の権力増大と院制 | フットボールチャンネル | サッカー情報満載!

そこで外部から人材を招聘してきては解雇する、という人事が繰り返された結果、川淵君の力だけが増していって、周囲はイエスマンばかりになった。必然的に会長退任後は誰もリーダーシップを発揮できない状態になる。
岡野俊一郎と金子勝彦が語る日本サッカー(その1)健全な組織の発展妨げた川淵氏の権力増大と院制 | フットボールチャンネル | サッカー情報満載!

会長を退任された後も最高人事を牛耳る、いわゆる院政を敷いたことも組織の健全なる発展を妨げたと僕は思うんです。
岡野俊一郎と金子勝彦が語る日本サッカー(その1)健全な組織の発展妨げた川淵氏の権力増大と院制 | フットボールチャンネル | サッカー情報満載!

専務理事と技術委員長を兼任している原博実氏

原君(博実)も強化のトップである技術委員長と実務方のトップである専務理事を兼任するなんて、こんな馬鹿げた話は聞いたことがない。非常識ですよ。どちらか一方を辞めるべきです。
岡野俊一郎と金子勝彦が語る日本サッカー(その1)健全な組織の発展妨げた川淵氏の権力増大と院制 | フットボールチャンネル | サッカー情報満載!

原技術委員長はザッケローニ監督を選任し、その後も代表強化の最高責任者としてマッチメークやスケジューリング、あるいは合宿地の選定に当たっていた。当然、ワールドカップ本大会での結果について、ザッケローニ監督と同様の(あるいはそれ以上の)責任があったはずだ
アジアカップを視野に入れれば、新監督就任は早い方が良いのは間違いないのだが…… : コラム | J SPORTS

とにかく辞めればそれで良いと割り切れるのなら楽なんですがね(笑)。協会に責任を取らそうとしても他に代われる人材がいないし、抜本的な対策とそれに力を与えるビジョンを持った人はもっといない。
辞めることだけが責任では無いけども・・・ | Blog版蹴閑ガゼッタ

前回や今回の監督選びの経緯を見ても、やはり予想通り原さん以外に現協会で外国人監督に対するコネを持った人が居ないというお寒い現状があります。
辞めることだけが責任では無いけども・・・ | Blog版蹴閑ガゼッタ

原さんの兼任問題については以前にも問題にしましたが、やはり改めて考えてみると現状の協会で原さん以外に外国人監督に対するルートを持っている人間がいない、そしておそらく評価も出来ないという人材枯渇の現実が大きいのではという気がします。
まずは協会が変わらなければ日本も変わらない | Blog版蹴閑ガゼッタ

人材は原さんしかいないのでしょうか。

原博実専務理事によるW杯の検証会見

ブラジルW杯に関しては、我々ももっとやれるはずだという思いはあったが、ああいう結果に終わってしまった。なぜそうなったのかと言われれば、いろんな要素が重なり合っていたと思う。
原専務理事が語ったW杯の敗因とアギーレ氏招聘の経緯 | ゲキサカ[講談社]

ベースキャンプ地はドローの前に決めないといけなかった。そのあとに決めると、他の国がすでに決めていて、残っている場所から決めないといけない。
原専務理事が語ったW杯の敗因とアギーレ氏招聘の経緯 | ゲキサカ[講談社]

コンディションのつくり方で言うと、指宿でかなりハードな練習を積んだが、1シーズンをフルに戦ってきた選手は逆にもう少し休ませたほうがよかったのではないかというのもある。
原専務理事が語ったW杯の敗因とアギーレ氏招聘の経緯 | ゲキサカ[講談社]

自分たちのサッカーをやろうというところと、相手をある程度リスペクトして合わせるところのバランスが、もしかしたら崩れていたのかもしれない。
原専務理事が語ったW杯の敗因とアギーレ氏招聘の経緯 | ゲキサカ[講談社]

自分たちの得意な形を出そうと思ってもできないときに、アルゼンチンやオランダ、ドイツを見ていると、そういうときでも悪いなりに踏ん張れる。相手のリズムでも、うまく耐えている。そういうところからの戦い方をいくつか持っていて、リスタートであったり、カウンターであったり、そういうところはまだまだ足りなかった。
原専務理事が語ったW杯の敗因とアギーレ氏招聘の経緯 | ゲキサカ[講談社]

選手に聞いても、1対1の当たり合いが激しかったと言っていた。4年に一度、国を背負って戦う中で、一つひとつの争いが激しい。日本にはそれがまだまだ足りない。
原専務理事が語ったW杯の敗因とアギーレ氏招聘の経緯 | ゲキサカ[講談社]

アギーレ氏に白羽の矢を当てた理由

海外にいる選手たちに対してもしっかりといろんなアドバイスができて、かつJリーグもしっかり見てもらう。ザッケローニ監督のときと同じように、欧州、南米で経験があって、リーグの経験もそうだし、なおかつ代表の経験、W杯の経験もある。そういう人の中で日本の良さを生かしてくれて、日本人のコーチを入れてくれる。日本の良さ、文化を生かしてくれる人と当たってきた。
原専務理事が語ったW杯の敗因とアギーレ氏招聘の経緯 | ゲキサカ[講談社]

選手として1986年のメキシコW杯に出ている。コーチとしても出ていて、監督として2度出ている。W杯を4度経験している。
原専務理事が語ったW杯の敗因とアギーレ氏招聘の経緯 | ゲキサカ[講談社]

非常にジェントルマンで、気持ちの強い人なので、日本の良さも引き出してくれると思う。日本人の良さを生かしながら、さらに粘り強いというか、たくましいチームになれるような、そういう指導をしてくれる経験は積んでいると思う。
原専務理事が語ったW杯の敗因とアギーレ氏招聘の経緯 | ゲキサカ[講談社]

これからは専務理事の仕事に専念

新しい強化担当の技術委員長はだれがやる?
「そこまではまだ考えてない。ただ、ずっと(専務理事と技術委員長の)両方をやることはできないので、そこも検討しないといけないと思っている。できるだけ早く決めたいと思う」
原専務理事が語ったW杯の敗因とアギーレ氏招聘の経緯 | ゲキサカ[講談社]

天皇杯のあり方だったり、ナビスコ杯のあり方だったり、ACLもある。どう整理して、カレンダーの中に入れるか。今、僕がやらないといけないのは、各種の大会を整理すること。女子も男子以上に大変なカレンダーになっている。それをどうやって整理するか。
原専務理事が語ったW杯の敗因とアギーレ氏招聘の経緯 | ゲキサカ[講談社]

協会批判の声がある一方で…

今回はワールドカップ開幕前から新監督選任に動き出していた結果、早い時期に新監督を迎えることができるようになった。それは、素直に喜ばしいことと言っていい。
アジアカップを視野に入れれば、新監督就任は早い方が良いのは間違いないのだが…… : コラム | J SPORTS

。「ワールドカップでの敗戦の分析や検証が終わっていない段階での新監督選任はおかしい」という意見があることも承知している。しかし、ザッケローニ監督のチームの検証はワールドカップ前にも終えることができたはずだ。「検証」というのは科学的な作業であって、「結果論」「感情論」ではない。
アジアカップを視野に入れれば、新監督就任は早い方が良いのは間違いないのだが…… : コラム | J SPORTS

大会の総括が完全に終わった後で監督選びに取りかかっていたら、余った監督の中から次の監督を探す必要がある。これは非常にマズイ。
サッカーコラム J3 Plus+  諸悪の根源は日本サッカー協会なのか?

いつの時代も「お上」を批判すると比較的、簡単に人気取りができる。協会を批判することで一定の人たちから容易にシンパシーを得られるが、「安易な責任論」というのは日本サッカーを後退させるだけであり、決してプラスにはならないと思う。
サッカーコラム J3 Plus+  諸悪の根源は日本サッカー協会なのか?

フットボールを愛し、見る目も持つ人間の総量が最後は物を言う。着眼点は人それぞれでいい。むしろ、一つではない方がいいだろう。この競技には絶対的な正解、不正解はないからだ。だがフットボール大国と呼ばれる国では、アルゼンチン人も、ブラジル人も、ドイツ人も、オランダ人も、スペイン人も、人々は自分たちの物差しで拍手し、野次を浴びせる。
その点、日本フットボールはまだ遠く及ばない。例えば、完全な敗者として帰国した指揮官を笑顔で迎えることは、強さの根本を太くはしないだろう。
国民の「サッカー力」が上がらなければ日本代表は強くならない|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva|World Football

私達ひとりひとりの目線が日本サッカーを強くする。
ということでしょうか。

最後に、アギーレ氏招聘に対する世間の声

日本代表監督のイビチャ・オシム氏(73)。
監督としては守備的な戦術家だという印象がある。どんなチームを引き受けても必ず結果を出し、サプライズを起こす。守備のスペシャリストだといっていい。日本の弱点が守備だから、ちょうどいいかもしれない(笑い)。日本の成長を助けてくれるか注目に値する。
ただし、ザッケローニのやり方とは違う方法だ。アギーレがもし監督になったとしても、そのやり方の定着には長い時間がかかるだろう。短期的には忍耐が必要だ。
【オシム分析1】次期監督候補アギーレ氏は必ず結果出す ただし… — スポニチ Sponichi Annex サッカー

フォルランがアギーレジャパン誕生を喜んだ。Aマドリード時代に指揮官と選手として共に戦った間柄で「知性、人格…。全て含めて見ても平均よりはるかに上のものを持っている監督」と絶賛。「(就任は)凄くうれしい。基本はボールを大事にするサッカー。アグレッシブさも今の日本に合っている」
フォルラン「今の日本に合っている」恩師アギーレ監督就任喜ぶ – ライブドアニュース

福田氏は、アギーレ氏が監督に就く利点を「非常に熱い監督。感情をストレートに出してくる監督なんですね。日本人自身はうまく感情を表に出さない感じですけど、感情を素直に出してくれる監督のほうがコミュニケーションがとりやすい」
福田正博氏、アギーレ新監督を「熱い監督。コミュニケーションがとりやすい」 – ライブドアニュース

欧州事情に詳しいJクラブ関係者によると「感情の起伏が激しくて、一度キレると止まらないという話は聞いたことがある。ピッチ内外で規律には厳しい監督で、指示通りに動かなかった選手やルールを破った選手がいると自宅まで呼びつけて数時間、説教したこともあったみたいだよ
日本代表新監督候補アギーレ氏の超スパルタ指導術 – ライブドアニュース

テレビ局TDNメキシコのラウル・メンデス・ガルシア記者は「鋭い爪を持つような活力、決断力がある。チームにモチベーションを与え、試合の状況を読むことができるインテリジェンスに富んだ監督」と評する。試合の状況、流れを瞬時に読み取り、的確な手を打つ。必要ならば、口笛だって吹く。
勝利への執着 アギーレ氏は抜け目ない“古ぎつね”妨害!?口笛も – ライブドアニュース

五郎@sukoyaka358

アギーレ氏が妨害? ずる賢い逸話。日本代表アギーレ新監督は、勝利に対して強い執着心を持っているという。試合中に、主審の笛に似た口笛を吹き、プレーを妨害したこともある。どんな手を使っても勝とうとする意欲がにじみ出ていたという。あらま。

スペイン紙「ムンド・デポルティボ」のマリア・カルメン・スアレス記者が指揮官の“正体”を明かした。
調子が良い選手でも練習での態度が良くないと思えば、平気でベンチに座らせる。そこにちゅうちょはない監督ですね。回りくどい言い方はしない。正直に話すし、ずばずばと言う。でも冗談も大好きだし、とてもフレンドリーな性格。
スペイン紙番記者が明かすアギーレ新監督 スタメン固定せずやる気優先  – ライブドアニュース

就任後も紙面を賑わすハビネス・アギーレ監督。
これからサッカー日本代表はどうなるのでしょうか。

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https://matome.naver.jp/odai/2140629998878337501
2014年07月27日