”悪魔のぬいぐるみ”
小さな町の小さなおもちゃ屋。
その少女は何かをさがしていた。
ミッキーマウス、ドナルドダック・・・
いろいろなぬいぐるみが棚に置いてある。
少女は、そのひとつひとつを見つめながら、
「これじゃない・・・これじゃない・・・」
とつぶやいていたが、突然、プーさんのぬいぐるみを指さして言った。
「あっ!熊のぬいぐるみ!」
「あっ!熊のぬいぐるみ!」
「悪魔のぬいぐるみ!!」
”青い血”
昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんが山に芝刈りに出かけるとき、やさしいおばあさんが急に真剣な顔になって言いました。
「昼になったら、かならずこのお弁当を食べてくださいね・・・・。」
やがて、昼になり、おじいさんは切り株の上に腰掛けて弁当を開きました。
中には、おむすびが3個。その中のひとつを一口食べたとたん、おじいさんは言いました。
「あ~、おいちい!」
「あ~、おいちい!」
「青い血!!」
”悪の十字架”
先生の大学時代の友達、○○君。
○○君が体験した本当にあったお話です。
暑い暑い夏の夜。
そう、今晩のような夜だったそうです。
先生の友達の○○君は、その日、眠れませんでした。
のどがからっからに乾いていたんです。
冷蔵庫の中は昨日から何も入っていません。
しかたなく○○君は台所に行って、水道の蛇口をひねりました。
ところが、・・・
水が出ないのです。
断水???いや、そんなことは聞いていない。
でも、やはり水は出ないのです。
異常なのどの渇き。
○○君はがまんできなくなり、近くのスーパーに水を買いに行きました。
しかし、時計は夜中の1時。こんな時間までスーパーは開いているのか、少し不安でした。そのころは、今のようなコンビニなどありませんでした。
人気(ひとけ)のない道を○○君は急ぎました。
ついにスーパーに着きました。しかし、案の定、そのシャッターは下りていたのです。
横になる扉を何度もたたいてみましたが、 何の反応はありません。
そのとき、○○君は気づきました。ドアの横に貼ってある紙に。
紙には消えそうな文字で明日の開店時間が書いてありました。
○○君はつぶやきました。
「このスーパー、開くの十時か・・・」
「開くの十時か・・・」
「開くの十時か・・・」
「悪の十字架!!」
”猫の魂”
猫のタマが今日はやけにうるさい。
ニュアア ニュアア
タマには、人間には見えない何かが見えるのだろうか。
勉強が手につかない。
「猫のタマ、シーッ!!」
「猫のタマ、シーッ!!」
「猫の魂!!」
”池に怨念”
いかにも怖そうな声で、「血のような真っ赤な色をした鯉が、
池におんねん!(いけにおんねん)」
注:大阪弁で「おんねん」は、「居るの」
”恐怖のシュウマイ”
勤め帰りのサラリーマンがシュウマイを買った時の話。
家に帰ってシュウマイを食べようとフタを開けてみると、10ヶのシュウマイが入っていた。 お茶を入れようと手を離したすきに、フタが閉じてしまったので、また開けた。
すると、驚いたことにシュウマイが1ヶ無くなっていた!
えっと思った途端に手が離れて、シュウマイの箱のフタがパタンとまた閉じてしまった。 彼がまたフタを開けると・・・
なんと今度はシューマイの数がまた1つ減ってしまっていた。つまり8ヶになった。
なんどもパタパタとフタを開け閉めしているうちに、シュウマイの数は減って、ついに1つも無くなってしまった。
実はシュウマイは全部、フタにくっついていた。
”本当にあった高層ホテルの怖い話”
海外のとある高層ホテルで、運よく100階の部屋を取ることができた旅行グループ一行。
観光に出かけようとしたとき、ホテルのフロントで「今夜は夜の12時に全ての電気が使えなくなります。エレベーターも使えなくなるので、12時前に必ず帰ってきてください。」と言われました。
一旦は了解したものの、観光に夢中になった彼らは12時に間に合わず、100階まで階段で上らなくてはいけなくなりました。
ところが途中で疲れ果てたため、一人が「1階上るごとにひとつ、怖い話をして気を紛らわそう」と言い出しました。
彼らはそれに従い、1階上るごとにひとつずつ、怖い話をしながらひたすら歩きました。
そしてついに99階。怖い話も最後です。最後の一人が口を開きます。
「俺が今からする話は本当に怖いからな。落ち着いて聞いてくれ」
どんな怖い話なんだろう・・・。全員が静かに待ちました。
「本当に怖いからな・・・。あのな、1階に・・・・・部屋のカギ忘れた・・・・・・。」
”狼男”
昔、古い洋館に髪の長い男が住んでおり、満月の夜に鏡の前に座って櫛を振り上げ、おお、髪をとこう(狼男)と言った。