意外と知らない方も多いですが、歌舞伎座以外にも歌舞伎を上演している劇場がたくさんあります。
一幕見席のない劇場でも、歌舞伎座に比べると比較的手頃なチケット代で歌舞伎を楽しむことが出来ますので、ぜひチェックしてみてください!
国立劇場(東京・半蔵門)
その入口からロビー、客席まで、すべてがゆったりとした余裕のあるつくりが特徴的。ロビーを華やかに彩る彫刻や絵画を眺めるのも、休憩中など空いた時間の一興です。
幕見席はありませんが、歌舞伎公演は国立劇場の主催とあって、とにかくチケットがお手頃です。いちばん安い券種は1500円ほど。
大劇場ながらとても見やすい設計で、いちばん上の席からでも舞台が近く感じられます。
歌舞伎座などでは長い物語(狂言)の一部が上演されることが多いですが、国立劇場ではその全てを上演する「通し狂言」が多く上演され、なかなか観ることができない場面を観られる貴重なチャンスにありつけることも。
それでありながら、チケット代は1,500円~と破格!
http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_l/2014/25121.html?lan=j中村吉右衛門、中村歌六、中村又五郎、尾上菊五郎、中村錦之助、中村芝雀、中村東蔵ほか。
http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_l/2014/3635.html?lan=j尾上菊五郎、尾上松緑、尾上菊之助、中村時蔵ほか。
若手役者が等身大の言葉で歌舞伎の面白さ、見どころを伝える解説コーナー「歌舞伎のみかた」もこの公演ならでは。
写真は2014年7月の歌舞伎鑑賞教室。
明治座(東京・人形町)
歌舞伎座や国立劇場に比べると小ぢんまりとしたつくり。
人形町という文化的な街の雰囲気や、活気溢れるロビーのお土産屋さんも明治座の楽しみの一つ。
幕見席はありませんが、いちばん安い三等B席(画像)は3000円台と歌舞伎座よりリーズナブル。
舞台との距離が近く、3階席でも舞台の熱気を感じられます。
花道までよく見渡せる右側、宙乗り演出があるときは役者を間近に見られる左側など、3階の特等席を見つけて。
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/other/2015/05/post_144.html明治座は、歌舞伎座ではなかなか観られない花形(若手歌舞伎役者)が中心となって奮闘するフレッシュな舞台が魅力。
三代目猿之助が手がけた歌舞伎に適した舞台機構で、歌舞伎座に勝るとも劣らないダイナミックな演出が可能なのも大きな強み。思いがけない演目がかかることも。
左は2015年5月公演。
浅草公会堂(東京・浅草)
若手の登竜門とも言われており、毎年、花形歌舞伎役者たちが勢いたっぷりに奮闘します。公演初日に会場前で行われる鏡開きや、毎公演開演前の出演者による「お年玉挨拶」など、役者たちの素顔を垣間見ることができる距離の近さも魅力の一つ。
例年、夜の部の終演時間が20時頃と他の会場に比べて早いのも特徴で、終演後はお正月の華やかな空気に賑わう浅草の街を満喫できます。
ロビーの売店も賑やかで、「雷おこし」や「人形焼き」などが浅草の名物が並びます。(販売物は変更となる可能性があります)また、2階のロビーから眺める浅草寺は、地上からとは違った眺めで目を楽しませてくれます。
※台東区の施設のため、成人の日には成人式が催され、昼の部が休演になります。
高さがあるので、少し温度が高め。体温調節しやすい服装で行くのがおすすめです。
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/other/2015/01/post_141.html一等席は歌舞伎座の半額の9000円!
20代の若手7人が顔を揃え、大役に奮闘する熱い一ヵ月。
学割の購入方法はこちらに詳しく記載。
新橋演舞場(東京・東銀座)
歌舞伎以外にも演歌歌手のコンサートや、新派の公演などで利用されています。歌舞伎座の立て替え期間中、歌舞伎座に代わって公演を支え、歌舞伎ファンを楽しませてくれた第二の歌舞伎座です。
幕見席はありませんが、3階席は概ね3000円〜と歌舞伎座に比べてリーズナブル。
三階席に居ながらにして感じられる舞台の近さも印象的です。
四代目市川猿之助の襲名披露で話題を呼んだスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」(画像)も、創始者である三代目市川猿之助のもと、1986年にこの劇場で初演されました。近年では滝沢歌舞伎、劇団☆新感線のいのうえ歌舞伎や松竹喜劇など、バラエティ豊かな作品が上演されています。
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/shinbashi/2015/01/post_58.html
南座(京都・四條)
11月末〜12月の吉例顔見世興行のほか、不定期。
過去の公演はこちらのリンクを参照。
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kyoto/archives.html
かつては南座にも幕見席があったそうですが、残念ながら今はなくなってしまいました。
通常の歌舞伎公演では、3等席が4000円ほどと歌舞伎座と同じくらいの価格設定。
11月末から12月にかけて行われる吉例顔見世興行は、東西の人気役者が顔を揃えるとあって、わずかな席数の4等席も5000円台と少々値段が張ります。
画像は南座の3階席から。
上方歌舞伎で活躍する役者たちによる趣向を凝らした解説とおなじみの演目で、初めて歌舞伎を観るという人にもぴったりの公演です。
お値段も3000円、全席自由席と気軽。普段はなかなか手の届かない、手に入らない憧れの席にも座れちゃいます。
大阪松竹座(大阪・道頓堀)
3階席の最後列12席のみの設定なので、競争率は高いかもしれません。
博多座(福岡・博多)
空港から地下鉄で8分という、抜群のアクセスの良さも特徴。
席は3階席、一幕16席ずつと少なめ。その後ろの立ち見席が販売されることもあります。
http://www.hakataza.co.jp/sp/ticket/others.php
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/other/2015/02/post_139.html
番外編:松竹大歌舞伎(巡業)
歌舞伎には、巡業と呼ばれる全国公演があります。
6〜7月頃の東コースと中央コース、8〜9月頃の西コース、そして11月の全国と、それぞれ違う出演者、違う演目で各地を巡ります。
料金は会場によって異なりますが、概ね1000〜6000円ほどが主流。
お住まいの街のホールで、歌舞伎座を沸かせる歌舞伎役者たちを観られる絶好のチャンスです。
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/jyungyou/2014/11/post_50.html