米イリノイ大学は2014年5月8日(現地時間)、貫通するような穴が空いても自己再生するプラスチック素材をスコット・ホワイト教授らの研究チームが開発したと発表
プラスチック材料に、平行した2本の血管のような毛細管を通しておき、プラスチックが損傷した際に、その中を血液のように2種類の液体が流れる。この2種類の液体が損傷部分で混じり合うと、ジェル状になると共に、損傷部分に染み渡っていく。
そしてそのジェルは、時間の経過とともに、堅い高分子になり、損傷部分を再生する
【やじうまPC Watch】イリノイ大、貫通する穴が空いても再生するプラスチックを開発 – PC Watch
ジェル化は2つの液体が混じるとすぐさま始まるので、液体が「傷口」からこぼれ落ちることはない。一方、固まるまでにはの時間は制御可能で、固まりきる前に傷口の小さな隙間にも浸透できる。
自己再生能力を持ったプラスチックは、民生品はもちろんのこと、宇宙ステーションなど修理や部品の取り替えが困難な状況にも好適としている。
【やじうまPC Watch】イリノイ大、貫通する穴が空いても再生するプラスチックを開発 – PC Watch
実は結構開発が進んでいる自己修復素材
これまでも微少な傷を回復できる素材はすでにあり、NECのPCの一部にはひっかき傷などを修復できる「スクラッチリペア」技術が採用されている。一方、今回、同チームが開発したのは、大きな穴が空いても、生物のように再生するというもの
【やじうまPC Watch】イリノイ大、貫通する穴が空いても再生するプラスチックを開発 – PC Watch
スペインのIK4-CIDETECリサーチセンターで発明された『ターミネーター』
エネルギーや触媒を使わなくても自己修復を行なって元通りになるプラスティック・ポリマー
切っても元通り!自己修復するプラスティック、その名は……? – IRORIO(イロリオ)
損傷すると「出血」する自己修復プラスチック素材も
南ミシシッピ大学Marek W. Urban 博士らのチームが開発した、亀裂などのダメージを受けた部分が赤く変色する性質と、光や温度変化、pH変化で自己修復する性質を備えるプラスチック素材。
「出血」(変色) は長い鎖状の分子構造が外部ダメージなどで切れた際、赤く変化する性質を持たせたため。また日光や電球からの可視光、温度やpH変化を受けて「鎖」がまたつながることで自己修復し、色も元に戻ります。
ダメージで「出血」する自己修復プラスチック、米研究者が発表 – Engadget Japanese