Banksyが公共空間に描いた新作は誰のもの? ブリストルで騒動に/チェルトナムにも新作登場

nofrills
「ゲリラ・アーティスト」として名をはせるバンクシー (Banksy) が、ウェブサイトで発表した新作はブリストルの倉庫街の壁に埋め込まれた板切れに描かれていた。その目の前には青少年のための活動をする団体の拠点――彼らは資金繰りに困っている。そこから勃発した騒動とは。/GCHQ本拠地近くにも新作登場

ボーイ・クラブ(少年のための娯楽・余暇活動をする団体)の建物内におかれた1枚の板……

Boy Club Kitchenと表示のある扉の横に、何やら、絵の描かれた板が置かれています。

この板は別の場所から取り外されたものです。そしてこの絵を描いたのは……

※この写真、リンク先で大判で見てくださいね。右側のドアにニヤリとさせられるはず。

「実際にどこの誰なのか」が知られていない英国のアーティスト、Banksy

Banksy. イングランド南西部、ブリストルから出てきたストリート・アーティスト。ステンシルの手法を使って、ところ構わず建築物・構造物の壁などに、政治的メッセージ性の強い「作品」を次々と残していたこの「ゲリラ・アーティスト」が広く一般の注目を集め始めたのは、2004年から05年にかけてのこと。

「バンクシー」がブームになったのはもう10年も前になるのですが、「対テロ戦争」や「政府による監視・統制」を皮肉った作品は、当時の「Web2.0」の流れにも乗って、実際にそれが描かれた場所から遠く離れた世界各地に、拡散していきました。

Flickr(2004年サービス開始)では、2005年初頭から、人々が撮影したBanksyの作品の写真を集めるグループが稼動。署名らしきものが残されていない作品について、このグループの掲示板で「これはBanksyだろうか?」という鑑定会みたいなのが行われているのを、何度も目にしました(多くの場合、別のアーティストの作品であることが指摘されるなどしてましたが)。

彼の作品が「迷惑な落書き」ではなく「人々が買いたがるようなアート」であるとみなされつつあったころ、彼はパレスチナで「作品の発表」を開始。2005年にはイスラエルが不法に建築している分離壁に「風穴を開ける」ような絵を描き、2007年にはキリスト生誕の地であるベツレヘムでクリスマスの企画を行い、町のなかに「作品」を残しました。子供でも呼び止められ、武装し威圧的な態度をとる兵士に所持品検査を強いられるという日常の光景を逆転させたこの作品もそのひとつ。
彼(名前も年齢も非公開だが、男性であることはわかっている)の活動はドキュメンタリー映画にもなっています。映画のタイトルは、英国のミュージアムなどで一般的な、「出口の手前にギフトショップがある」(入場料は取らないが、代わりにグッズやカタログを買って帰ってくれ、という意味)というのにちなんだもの。
彼の作品の多くは、もう既に「古典的」と呼んでいいような「反商業主義」や「反戦」、「反帝国主義」のメッセージに満ちています(「反商業主義」は「商業の否定」ではなく「商業主義、つまり商業第一主義、収益さえあがれば何でもありというやり方に対する否定」であることに留意)。

ほとんどすべてが、「権威的な何か」をおちょくるもので、常にどこかに「笑い」の余地があります。その「笑い」は時には「苦い笑い」であるにせよ。

大変に皮肉なことに、そんな彼の作品が「アート市場」で高額で取引され、彼が作品を描いた壁はくりぬかれ、「街」という文脈から切り離されてばら売りされるようになってずいぶん経ちます。

英ロンドン北部の1ポンドショップ(日本の100円均一ショップのような、途上国の「安価な労働力」の上に成立している流通の形)の横の壁に描かれた、「(ロンドン五輪などでぱたぱたとはためいていた)小型の英国旗を縫製する子供」の絵は……

……くりぬかれて売られました。ものすごい値段がついたことがニュースになりました。

Disputed Banksy Mural Sells for More Than $1.1 Million
By Scott Reyburn Jun 3, 2013 9:10 PM GMT+0900
http://www.bloomberg.com/news/2013-06-02/disputed-banksy-mural-sells-for-more-than-1-1-million.html

2013年には米国各地でグラフィティを描きまくるなどしたのですが、そのときにNYCの壁に描かれた「口づけを交わす警官たち」も、このようにくりぬかれて、モダンアートとして売られたそうです(写真一番右)。

2014年4月半ば、そんなBanksyの新作と思われるものが、イングランドで発見された。それも複数。

▼その1) チェルトナム

イングランド南西部、Cheltenham(「ちぇるてんはむ」ではなく、「チェルトナム」です)。

英諜報機関の中でも盗聴・暗号解読などを専門とするGCHQの本部がおかれている街。

GCHQについてはこちらを参照。このシフォンケーキの焼き型のような「パノプティコン」式建物が、チェルトナムにあるGCHQ本部。(ここであえてパノプティコンというのは、ブラックジョークにもほどがあると思います。)

The Guardian@guardian

New Banksy? Mural near GCHQ depicts agents listening in on phone box gu.com/p/3zd6g/tw
「GCHQ(英国の諜報機関)本部の近くの壁に描かれた絵で、エージェントが電話ボックスを盗聴しているのだが、これはバンクシーの新作だろうか」

Patrick Corrigan@PatrickCorrigan

The art of protest: suspected new #Banksy on a wall in Cheltenham, home of GCHQ, which spies on us for @Number10gov pic.twitter.com/ftr9LmzyaR
アムネスティ・インターナショナル北アイルランド支部のパトリック・コリガンさんのツイート。電話ボックスの中に、人がいる写真。

Andrew Bloch@AndrewBloch

New Banksy depicts secret agents eavesdropping on a phone box in Cheltenham – home of GCHQ pic.twitter.com/uU5QN3dwD0
電話ボックスの中に、誰もいない写真。右側の2人の後ろにアンテナ的なものが。

ITV News@itvnews

Banksy-esque spying mural appears behind Cheltenham telephone box, close to GCHQ itv.co/1qWs81w pic.twitter.com/z7NTBOCZRJ
この時点ではまだ「バンクシー」との確定は出てない段階。

The Telegraph@Telegraph

Banksy-esque artwork on the side of a house near GCHQ fw.to/G1jDwmE (Photo: Jules Annan/Barcroft Media) pic.twitter.com/EAMFcepYpG
いやあ、本当に「そのへん」の壁に描いてますが、この家の人なんかは、「どーして気付かなかったんだろう!」という感覚のはず。

The Wilson@TheWilsonChelt

Banksy in Cheltenham ?! Never thought I’d see the day! pic.twitter.com/Wo5Zl06AMM

https://matome.naver.jp/odai/2139766907535728801/2139769264543027403
http://goo.gl/maps/Gmp7f

(この電話ボックスですね。アンテナはバンクシーが持ってきて貼り付けたのでしょうか。)


https://matome.naver.jp/odai/2139766907535728801/2139769264643027503
http://goo.gl/maps/59bga

GCHQ本部からは3キロほど。

BBC News (UK)@BBCNews

Is #Banksy responsible for appearance of street art in Cheltenham? bbc.in/1qWEtTs
ただ、このミューラル、Banksy.co.ukにはアップされてないんですね。

ここはバンクシーの公式サイトで、「これは私の作品」ということを本人が認める場合はここに写真がアップされることになってます(ただしここに写真がアップされないからといって彼の作品ではないと断言できる、ということにもならないので……)。

▼その2) ブリストル

チェルトナムからさほど遠くない湾岸都市、ブリストル。Banskyの出身地で、ストリートアートが活発な土地柄。Banksyの有名な作品もあります。
ブリストルについては、この本(日本語版)に詳しいはず。

The Telegraph@Telegraph

Banksy has posted new work on his website, but where exactly is it? fw.to/YGdh3l pic.twitter.com/3eLEbtbwJ4
こちらは、Banksy.co.ukに無言で掲載。「こんなの描いたんですが、さて、どこにあるでしょう」というメッセージです。
‘Mobile Lovers’ a new mural from Banksy. thisiscolossal.com/2014/04/mobile… pic.twitter.com/htrb42k91g
これもbanksy.co.ukにアップされた写真。抱き合っているのに、ふたりの片手はスマホを持ち、目はそれぞれのスマホ画面に釘付け。本「まとめ」冒頭で見た、あの板に描かれている絵です。

Alice Vincent@alice_emily

#Banksy‘s #MobileLovers has been found in #Bristol. We spoke to the man who saw it first telegraph.co.uk/culture/art/ar… pic.twitter.com/zVvGgGsIVc
場所はわりとすぐに判明します。こんな、荒れた感じの雑草ぼうぼうの場所に突然現れた「アートコレクター垂涎の品」(……残念だけど、そういう見方をしなければならないのが今のバンクシーで)。取り外したのは、土地所有者が作品が盗まれないようにするための措置でしょうか……。

Jon Kay@jonkay01

So, #Banksy is back home in Bristol. New “Mobile Lovers” work found in Clement Street. bbc.co.uk/news/uk-englan…
場所はここ。
http://goo.gl/maps/qbrxc

StreetArtNews@streetartnews

Banksy’s “Mobile Lovers” has been removed from its location in Bristol. #banksy pic.twitter.com/5yWlb0vHvi
「恋人たち」の絵が描かれた板を、発見から数時間後に取り外したのは……。

Banksy新作発見の報に、デヴォンから車で駆けつけた写真家、ブライアン・ガーウッドさんのブログ(写真たくさん)。

ブライアン・ガーウッドさんはブログで次のように書いています。

「車を飛ばして1時間半の間ずっと、まだ取り外されていなければいいが、と思っていた。絵が描かれたのは木の板で、ねじで2箇所、留めてあるだけだということを知っていたからだ。現場に到着すると、少人数の人だかりができていた。写真家も2人、来ていた。近くにあるBroad Plain Boy’s Clubのリーダーが『警護』していた。彼らは絵の描かれた板を取り外し、重要なことをしているクラブの活動資金を得る助けにしようとしていた。運よく、私が現場についてから取り外しの工具を持った人が現れるまで5分ほどあり、その間に、屋外で作品の写真を撮影することができた。取り外されたあとは、絵はBoy’s Clubの建物の前に短時間展示され、その後に建物内に運び込まれていった」

このときにガーウッドさんが撮影した近接撮影の写真がブログにありますが、スマフォの画面からの青い光が2人の顔を照らす様子など、非常に細かく描き込まれています。短時間でざーっと書いてびゅーっと逃げる、というスタイルでの創作活動のBanksyもきっとアトリエでは綿密な下書きをしているのでしょう。

絵の取り外しについて、ガーウッドさんは、「もし彼らが取り外さなければ、ほかの誰かが金銭目的のために取り外しているだろう。あるいはヴァンダライズされるかもしれない」という考えを述べ、「この作品と、取り外しの是非論は、メディアが大いに関心を持っている。これからどう展開するか、興味深く見守っていきたい」と結んでいます。
http://blog.actualcolour.com/2014/04/banksy-mobile-lovers-bristol.html


https://matome.naver.jp/odai/2139766907535728801/2139769265243030503
http://goo.gl/maps/OJ13V

現場はここ。一帯は川沿いの倉庫街で、この草がにょきにょきと生えているような塀も倉庫か何かの敷地のもの(反対側に回り込むと、使われていないわけではなさそうですが、少なくとも、手入れはされていません)。

奥にある青緑の建物がBroad Plain Boy’s Club(Googleマップではボクシングジムのような表記になっていますが)。イングランドの聖ジョージの旗が掲げられています(なんかちょっとBanksyの方向性とは違う……)。

kate@sneakerslutkat

New Bristol #banksy piece taken down to protect it oh & they’re charging to view it… pic.twitter.com/sSkG0WJuat
元の場所には別の板が張られ、「Banksyの新作は、ヴァンダリズムの被害にあうなどしないように、私たちのクラブで保管しています。ご自由に見にいらしていただければと思いますが、いくばくかの寄付金をお願いします」というメモが。
でもこれ、ボーイズ・クラブの敷地ではなく、隣の敷地の塀に描かれたものですよね……。そのお隣さんが、事実上無人状態で誰も管理していないので、という理由はあるのかもしれませんが……。
このボーイズ・クラブの行為は正当化できるのでしょうか。はい、上沼恵美子相談員……
(この人に言わせたら「全部、うちの敷地」にされちゃいますか)

ITV News@itvnews

Financially-struggling youth club, who removed new #Banksy, asks for donations to see it itv.co/1l3fRqq pic.twitter.com/OsBfVZAzzP
「金銭的に苦境にあるユース・クラブがBanksy新作を取り外して持ち去り、見学者には寄付金を要請している」とITVニュース。

ASBLewiSHAME@ASBLewiSHAME

@itvnews Great youth club, teaching kids to thieve and exploit…
「すばらしいユース・クラブだなあ。子供らに盗んで搾取せよと教えてるんだ」

Gillian Newsome@NewsomeGillian

@itvnews really? What happened to the traditional fund raising people do. Instead theyve stole to make money.
「お金のために盗みですか。昔と違って今は、こんな方法で資金集めをするんですか(驚愕)」

The Telegraph@Telegraph

Banksy’s new work could raise money for a struggling Bristol youth club fw.to/GhN0ejc
テレグラフが熱心ですね……

Bristol City Council said they were not “100 per cent sure of the ownership” of the wall Mobile Lovers had been attached to. But Dennis Stinchcombe MBE, 58, leader of the youth project, claimed he had been urged to take the piece by a friend of Banksy.
Banksy’s boost for Bristol youth club – Telegraph

つまり、ブリストルの市当局は、作品が描かれた壁の「所有主について100%確信できない」状態だが、板を取り外したユース・クラブのリーダー(MBE受けてるのか)のデニス・スティンチコームさんは、バンクシーの友人から作品を取り外すべきだと言われたと主張してい……

(おもしろい!)

(正体不明の芸術家の匿名の友人!)

“I was approached by somebody who knows Banksy very well,” Mr Stinchcombe said. “He’s an artist himself and he said ‘you need to take that Dennis, get it into that club – it’s what it is meant for’.
Banksy’s boost for Bristol youth club – Telegraph

スティンチコーム氏いわく、「バンクシーを非常によく知っている人から接触があったんですよ。その人もアーティストで、『デニス、あの絵はあなたが受け取らなければならないんですよ。クラブの中に運び込みなさい。そのために描かれたんですから』と言っていました」

“Banksy never does his street art on pieces of wood, they are always on walls so they can’t be taken away. We need £120,000 to keep going and our fundraising appeal has so far only brought a few thousand pounds.

“Now we’ve ended up with a Banksy on our doorstep. It is a dream come true. I’m absolutely buzzing.”
Banksy’s boost for Bristol youth club – Telegraph

スティンチコーム氏いわく、「バンクシーは木の板に描くことはしない。取られないように、壁や塀に描く」……って、ダウト。NYCで何かを描いた扉が除去されてますよ。木の扉ではないかもしれないけど。

いわく、ユース・クラブは12万ポンドの資金が必要だが、今のところ募金では数千ポンドしか集まっていない。そこに「目の前にバンクシーの作品が出現したんです。夢が現実になったようなものです」

「パンをトーストしたらキリストの顔が現れた」りしちゃうのでは……。

Mr Stinchcombe said he had guarded the piece until this afternoon, when he received the tip off from the unnamed man. “We have taken it off the wall carefully, it isn’t damaged at all,” he said.

… “If we hadn’t taken it, someone would have ripped it from the wall or vandalised it.”
Banksy’s boost for Bristol youth club – Telegraph

うーん。いや、そんな「12万ポンド」とかいう大金が「見学料」だけでまかなえるはずがないわけで、「保護しないと」と言いながら、売る気満々じゃないっすか。。。

Stinchcombe said Mobile Lovers had been placed as close as possible to the club, which is behind tall locked gates.

“He has done it to help the right people,” he said. “Somebody was saying it is worth £40,000 but I am hoping for £100,000.

“We will let people come and see it here for a while, then get it to Bonhams for valuation.”
Banksy artwork Mobile Lovers could raise £100,000 for Bristol youth club | theguardian.com

これはテレグラフではなく、ガーディアン掲載のPA(通信社)の記事より。

いわく、スティンチコーム氏はストリート・アートとして製作されたものを勝手に持ち去って、鍵のかかるゲートの内側に運び込んで「見学はご自由に。しかし当方への寄付金をお願いします」ということをやっている。そうしておいて「これで助けられるべき人が助けられる」と言い、「4万ポンドだという話だが、10万は行くのではないか」などと言い、さらに「しばらく一般公開したあとで、競売会社に査定してもらう」と。

このユース・クラブは確かに重要な活動をしているそうです。何もすることがないとギャング活動や犯罪に手をそめてしまいかねない子供たちに、スポーツなどの活動の場所と時間を与える。レッスン料を取ってしかるべき内容でも、払えない子からは取らない(月謝をもらうことより、その子に居場所を与えることが目的)。そういう活動なので、財政的には厳しい。公的支援は受けていない。クラブは歴史が古く、スティンチコーム氏は過去何十年もこの活動を行っており、人びとの信頼も厚い……と。

そうであるにしても、「つるの恩返し」みたいにBanksy自身が作品を寄付したのならわかるけれど、自分の敷地にあるわけでもないものを……

BBC News (UK)@BBCNews

New #Banksy artwork in Bristol could be auctioned bbc.in/1kxMG0k pic.twitter.com/y3mxKzRcDs
BBCも、ずいぶん遅れて記事にしています。遅れた分、取材は詳しい。

John Maggs@john_maggsfbu

Whatever the legality & morals of the #Bristol #Banksy art saga, this has brought to attention the desperate underfunding of youth clubs
だからといってバンクシーを(バンクシーの意思にかかわりなく)「ロビン・フッド」扱いしてよいということにはなりませんけど、この点は確かに。

ITV News@itvnews

Mayor of Bristol ‘pretty sure’ removing new #Banksy art is ‘theft’ itv.co/1l3fRqq #MobileLovers pic.twitter.com/noyvcp6mTH
……というわけで、ブリストル市長が改めて確認したところ、この絵が描かれた板がついていた塀の所有権は市にあるということのようで……。

The Mayor of Bristol said the new Banksy artwork belongs to the city council and removing it would be “stealing” as the row over the picture continues.

George Ferguson said he’s “pretty sure” the removed Banksy “belongs to us” and “on the face of it would be theft”.
Mayor of Bristol ‘pretty sure’ removing Banksy is ‘theft’ – ITV News

ブリストル市長は、バンクシーの絵は市のもので、勝手に取り外したことは「窃盗」に当たるとの見解。

市長は当たり前のことをいってると思うんですが、ガーディアンのPA記事のコメント欄なんか見ちゃうと、ここで「彼らのしていることは窃盗だ」と言うことで「市長は、困っている正義の味方(ユース・クラブ)を苛める悪いやつだ」という攻撃を買う可能性がある。マジで頭がおかしくなるような非論理。それも、タブロイド紙やデイリー・メイルのコメント欄ならわかるけれど、ガーディアンだから、マジでヘコむ。もう本当に、「コメント欄」の時代は終わりですよ。まともな情報交換・議論の場にならないことを前提としなければならない状態。

(ガーディアンのコメント欄は、シリア内戦以降、めちゃくちゃになってるんですよね。いや、ひょっとしたらウィキリークス関連でアサンジ信者が暴れまわったあとに流れが変わったのかもしれない。2000年代後半、編集長と編集者たちが「コメント欄のない新聞は考えられない」といいきるほど「コメント」を重視して「新聞のあり方を変えた」ときにコメント欄にいた人たちがいなくなってることが大きいのかもしれないけれど。)

Bristol Culture@Bristol_Culture

Very little support for Dennis Stinchcombe removing the new Banksy piece. “Beyond despicable” sums up these comments: bristol-culture.com/2014/04/16/ban…
なるほど……ガーディアンとかのコメント欄を見ているだけでは感覚がおかしくなるかも。必要以上に絶望してしまう。これはBanksyも言ってるんだけど、よくないんですよ。

banksy@thereaIbanksy

※このアカウントはファンが運営している。

Emma Rowlands@emmabisacre

@GeorgeFergusonx please fight to get our Banksy back in its rightful place! It’s part of what makes Bristol unique!
市長あてツイート。「私たちのBanksyの作品を何としても元々あって当然の場所に戻してください。ブリストルがブリストルらしくしていられるのはこういうもののおかげなんですから」

George Ferguson@GeorgeFergusonx

I am! @emmabisacre Listen to what I have to say re #Banksy‘s #Bristol piece at 5.30pm @BBCRadio4
市長から返信(この方、ブリストルでロードメイヤーではない公選市長が導入されて当選した第一号なんですね)。「そうしますよ。BBCラジオでしゃべりますから聞いてください」と。

Marc Leverton@LevertonWrites

@GeorgeFergusonx Give the boys club some money and stick the Banksy in the museum, that way everyone wins.
「ユースクラブには金、バンクシーは博物館、これでみんなでウィン・ウィン」

Alison Nye-Webber@alisonnyewebber

@GeorgeFergusonx I don’t normally agree with you on much but on this I do. This is theft pure and simple. It should be returned asap.
「ふだんはあなたの考えには賛同しないんですが、今回は賛成です。これは窃盗。それ以上でもそれ以下でもない。すぐに返却されねばなりません」

George Ferguson@GeorgeFergusonx

Come on @Pete_Levy it was a good humoured discussion between myself and Dennis Stinchcombe as to how we might achieve a win win with this!
こんなに「ウィン・ウィン」言ってる人、なかなか見ない。(笑)

Emma Rowlands@emmabisacre

@GeorgeFergusonx have you now established it was a council owned wall?
「作品のあった壁はカウンシルのものだということは確定ですか」

George Ferguson@GeorgeFergusonx

Yes @emmabisacre according to the latest information from our property department, but seeking win-win solution for all. #Bristol #Banksy
「はい。市の不動産部からの最新情報ではそうです。ただ、全員にとってウィン・ウィンの状況が望ましい」

Dan Martin@Dan_Martin

.@georgefergusonx tells @BBCRadio4 he wants to “find a way for the #Banksy painting to benefit the boys club & people of #Bristol
「ユース・クラブにとってもブリストルの市民にとっても益のあるようにしたい」と。

Lifestyle District@LStyleDistrict

RT @Dan_Martin: .@GeorgeFergusonx tells @BBCRadio4 the #Banksy painting “should be on maximum display to the people of #Bristol

George Ferguson@GeorgeFergusonx

Thanks! @emmabisacre but Dennis Stinchcombe has done so much for the young people of #Bristol over many years and should not be demonised.
「デニス・スティンチコームさんは長年、ブリストルの若者たちのために大変に尽くしてこられた。彼を悪魔化してはなりません」

確かに、発言内容がまったくの「善意の人」なんですが、だからといって……ということなんですよね。そこをこの「ウィン・ウィン」のポジティヴ・シンキングで乗り切るという、90年代っぽい前向きさ。。。行政や政治には、これが必要なんですなあ。

George Ferguson@GeorgeFergusonx

Check your facts Boss @BTolBristol I have not cut youth funding – all done before my time and I am doing all I can to save #Bristol‘s clubs.
「ユース・クラブの予算削減は私が市長になる前の政策で、私はクラブ維持のために全力を尽くしている」

George Ferguson@GeorgeFergusonx

Debating #Banksy ‘Mobile Lovers’ @BBCRadio4 this evening – a potential win win for #Bristol and Boys Club – 37mins in bbc.co.uk/programmes/b04…

Bristol Post@BristolPost

New Banksy painting could be headed for a Bristol museum while ownership row is resolved. Read more: ow.ly/vRWcm
「所有権をめぐる対立が解消されるまではブリストル博物館に入れられるという方向性も」と地元メディア。

▼ブリストルとバンクシー

George Ferguson@GeorgeFergusonx

My preference for #Banksy street art is it stays in the street, but suggest buying time by putting on public display: bristolpost.co.uk/New-Banksy-tem…

Speaking before the piece was removed, George Ferguson, Mayor of Bristol said: “It’s good to see another witty Banksy raid on his home city – respectfully painted in a blocked up doorway.

“He is part of what gives Bristol its artistic, creative and subversive spirit which makes us such a sparky place.

“I hope it will be respected and protected as we would want for any other legitimate work of street art.”
Banksy’s boost for Bristol youth club – Telegraph

テレグラフ記事から、絵が取り外される前の市長のコメント。「バンクシーが出身地でまたやってくれましたね、今回はドア口を塞いである板に描いてくれたんですね。彼はブリストルの反抗的なアート精神を体現しているんですよ、こういうのがあってこそブリストルの刺激は」云々。

何年か前は、ブリストル市当局が「モダンアートのコレクターに人気? そんなの関係ねぇ」(←当時の流行語を思い出して書いてみました)とばかりに、「落書きは落書きです」という態度で消してたんです。その後、市議会で「あれはアートなので保全すべき」ということになったんだっけ。

市長が公選制になったのは、さらにその後ですね。

この展開には、Banksy本人は大爆笑でしょう。ほんの数年前まで、彼の作品は消されまくっていた。本人がそれをおちょくったこんな作品も描いてるんです。
消された名画のひとつ。ロンドン、BTタワーの見える通りに描かれた「監視カメラ社会」をおちょくった One Nation Under CCTV のグラフィティ。

▼そしてそのCCTVに……

BBC News (UK)@BBCNews

CCTV apparently captures artist Banksy & accomplice at work on “Phone Lovers” in Bristol bbc.in/1in98bT pic.twitter.com/E97jr4yMFR
ひどいオチ(笑)

アップデート

▼チェルトナム

Joff Fitch@jofffitch

The #cheltenham #Banksy has been vandalised already but the guys in @FairviewChelt pub are trying to clean it up pic.twitter.com/NFQ3SnUJ9N

nofrills@nofrills

twitter.com/BBCEngland/sta… 顔を塗りつぶすんじゃなくてモザイクかけるとかバラクラバかぶせるとかすればおもしろかったのに。

Cheltenham Pubs@CheltenhamPubs

Local publican, passers by and residents rush to save vandalised #banksy @GlosEcho #Cheltenham @Glos_Media pic.twitter.com/JYc5zAXG46
塗られた白ペンキをみんなで洗い流している。

▼ブリストル

artnet@artnet

After it was stolen and then confiscated, the Bristol Museum is now showing Banksy’s latest #Banksy artnt.cm/1iugPwM
ブリストル博物館(入場無料)が展示。

Hazel Grian@LicoriceHazel

Peaceful compromise! “@Bristol_Culture: Mobile Lovers now free at Bristol Museum with donation box for Boys Club bristol-culture.com/2014/04/18/ban…
今回の件で有名になったユース・クラブへの寄付金の箱も置かれている。

Richard Payne@richardpayneitv

Some telling me they want #banksy piece to stay at @bristol_museum for good. Donations grow for Broad Plain Boys Club pic.twitter.com/jNBIBWDC4u
ユース・クラブへの寄付金は順調に集まっているようです。雨降って地固まる。これは一連の経緯を含めて全部、「バンクシーのアート」ですね。

brizzleness@brizzleness

If you go & see Banksy @bristol_museum don’t forget to see the other galleries & exhibitions too! pic.twitter.com/LAFXskOrMV
バンクシーだけじゃなくてほかの部屋もちゃんと見ようね。

9月21日まで、ジェレミー・デラーやってるじゃん。

収蔵品検索はこちら。考古学や産業関係の物品が多いようです。ブリストルは港湾都市なので海事関係も。あと、古代エジプト関係のものもいろいろあるみたい。
http://museums.bristol.gov.uk/

博物館と美術館(アート・ギャラリー)、どちらも入場は無料。資産家が寄贈した中国の陶磁器コレクションがあるそうです。

あと、数年前に閉館に追い込まれた英帝国・コモンウェルス博物館のコレクションを全部、この博物館が引き受けているんですね。奴隷貿易とかオセアニアへの移民とかの資料があるはず。
http://en.wikipedia.org/wiki/British_Empire_and_Commonwealth_Museum

Ian MacDougall@IMacDougall2

Only in Bristol- Banksy & Gromit on Park Street! pic.twitter.com/eHvYzIo3pg
イベントのときの写真。これぞ、ブリストル(音楽はトリップホップで)。

kyle murgatroyd@kylemurg

Been banksy hunting in Bristol today! What a guy pic.twitter.com/mdNF4nEskF

Paul Davies@longtimelurker

Always a pleasure to visit #Bristol and then we see this! #Banksy pic.twitter.com/rHz04nDl6b

Sam Not Samuel@SamHealeo

Banksy’s new art, this is why I’m proud to be from Bristol pic.twitter.com/1cECpIr4TR

See also:

2012年7月。この「まとめ」の2ページ以降に、拙ブログでのBanksyに関する記事(2005年~)の一覧があります。

https://matome.naver.jp/odai/2139766907535728801
2014年04月19日