ニュース
俺のソース (論文紹介)@OrenoSource
論文等
Evolution of Social Systems among Non-Human Primates: : Inequality and Equality Principles for Coexistence
伊谷 純一郎
社会・経済システム (3), 1-15, 1985-11-01
社会・経済システム学会
○伊谷平等性起源論の修正。人間社会の平等性は類人猿と共有する性質で、それ以前の段階からの遺産である。
○平等原則は集団形成・維持を保証しない。統合原理の補完が必要である。統合原理としては、人間ではアイデンティティ機能を持つ文化、分業、言語、血縁=<父・母><父祖>の発明、絶対者の発明、地縁などがあるが、チンパンジー属では母子・兄弟姉妹関係、共同、互酬性、性行動、敵など、より始原的な段階にとどまり、小規模集団統合にしか有効でない。敵はとりわけ重要である。
○人間社会の制度的不平等は平等原則の動物が二次的に作り上げたもので、ヒト以外の霊長類の不平等原則とは起源も機構も異なる。といっても、霊長類の不平等原則も「自然に、本能的に」構成されるのではなく、社会的に構築されるものである。
霊長類の社会集団と平等原則 黒田末寿
ヒト以外の霊長類における平等・不平等はもっぱら個体の社会行動をとおして捉えられるものである。それは結論から言えば相称的行動と非相称的行動の二分法によって語られる。相称的行動は相称的関係すなわち平等を創出し,一方,平等な関係のもとに相称的行動が演じられる。逆に,非相称的行動は非相称的関係すなわち不平等を創出し,その不平等な関係のもとに非相称的行動が出現する。
人における平等・不平等は一見はるかに複雑な様相を呈しているが,根本的にはやはり相称的行動と非相称的行動が果たしている役割は大きい。そこにヒト以外の霊長類と人間社会との接点がある。その上で,人における平等的行動の展開は,一方では行為そのものの相称性から,行為の結果の相称性へ,また,身体レベルでの相称性から,表象レベルでの相称性へといった方向での発展がなされ,人間社会に独自の刻印を見ることができる。
「サルの集団/ヒトの集団、サルの平等/ヒトの平等」 寺嶋秀明(神戸学院大学) 集まることのやるせなさ(サルの集団・ヒトの集団,サルの平等・ヒトの平等)
:1. 黒田末寿(AA 研共同研究員、滋賀県立大学)
「霊長類社会の平等原理と集団」
2. 寺嶋秀明(AA 研共同研究員、神戸学院大学)
「サルの集団/ヒトの集団、サルの平等/ヒトの平等」
狩猟採集社会では腕の立つ狩人が威信を得るはずであり、そういった人物がリーダーシップをとると想像されるかもしれない。ピグミーは古来、槍一本でゾウを仕留める狩猟者として有名である。ゾウを一頭仕留めると、数十人が一週間以上、肉三昧の日々を送ることができる。しかし、ゾウの狩猟は大きな危険と背中合わせである。ピグミーの男は皆優れたハンターであるが、ゾウ狩りができる者は十人のうち一人か二人にすぎない。きわだった身体運動能力、ゾウの行動についての深い知識、勇気、決断力など、すべてが備わってこそ可能となる猟である。しかし、そのような資質をもった者であっても、しばしば大けがをしたり、命を落としたりする
市川光雄 1982 『森の狩猟民―ムブティ・ピグミーの生活』(単著)、人文書院
狩猟採集民の平等の二つ目は、物質的平等である。狩猟採集民は「何もないから平等である」というのが素朴平等論であるが、彼らはけっして「何もない」わけではない。狩りの獲物などは財産であってしかるべきである。しかし、それはほとんどの場合「自動的に」と表現してもいいような流れによって、同じバンドの親族や仲間たちに分配されてしまう。少なくとも食料の保存をしない狩猟採集社会では、肉の分配は最大の社会規範と考えられている
Kelly, Robert L. 1995 p163 岸上伸啓 2003
Kelly, Robert L. 1995 p163
岸上伸啓 2003
しかし、これらの行動規範から、狩猟採集民では自然と平等な関係が成立していると考えるのは明らかに間違っている。むしろその反対である。規範としての平等の確立は、その破綻への恐れと表裏一体のものである。ブッシュマンの対面的コミュニケーションでは、直接相手に何らかの反応を指令するような働きかけをしないことなど、両者の間に優劣が顕現しないように細心の注意が払われる。多数が参加する共同作業でも、一人が他人に命令するようなことはない。共同作業において複数の役割があるときには、その役割の頻繁な交替が行なわれる。このような平等への「意志」に基づいて行なわれる動作や会話によって、ふだんの平等な関係が成立しているのだ
北村光二1996「 <平等主義 >というノス タル ジア― ブッシュマ ンは平等 主義者ではない」 『アフリカ研究 』48
北村光二1996「<平等主義>というノスタルジア―ブッシュマンは平等主義者ではない」『アフリカ研究』48
菅原和孝『語る身体の民族誌―ブッシュマンの生活世界(1)』京都大学学術出版会,1998年,360
、「機会の平等」を「人々の間での“選べる選択肢の数”の平等」として定義する経済学理論をベースにした実験課題を開発し、「機会の平等」に対する脳の反応を「結果の平等」とは区別したうえで検証することに成功した。
実験の結果、金銭的報酬(お金)が得られるときや心地よいと感じることがあったときに活動する脳の領域(図2)のうち、前頭前野腹内側部という領域が「選択の機会の平等」の度合いに応じた活動を示し、対照的に線条体という領域は「選択の機会の平等」とは無関係に自分の選択肢の数の多さに応じた活動を示すことが分かった。これらの結果は、他者との「機会の平等」を求めることに、前頭前野腹内側部が重要な役割を果たしていることを示唆している。本研究成果は、近代の人間社会において、「結果の平等」だけでなく「機会の平等」も考慮されるようになった理由についてのひとつの自然科学的な説明を提供
大学プレスセンター – 玉川大学脳科学研究所が「選択の機会の平等」を感じる脳の部位を発見 ——米国科学雑誌に論文を発表
玉川大学脳科学研究所(町田市玉川学園6-1-1 所長:木村 實)の松元 健二(まつもと けんじ)教授と青木 隆太(あおき りゅうた)研究員ら

