知性と野生が入り混じった狂乱の創作楽器集団、ウアクチの衝撃

lessthanpanda
クラシックから現代音楽、ポップ/ロックまで独自の創作楽器で演奏をするブラジル・ミナス州の音楽集団、ウアクチ(Uakti)の、心に響く豊かな音楽を紹介します。

ブラジルの打楽器集団、ウアクチとは

Uakti
1978年結成の創作楽器での演奏を特徴としたブラジルのグループ。

ブラジルのミナス・ジェライス州を拠点とする創作楽器によるインストゥルメンタル・グループ
UniMúsiCa 8/30(fri) ウアクチを極める @国立Notrunks

ブラジルの中でも独特の音楽性をもった所謂「ミナス音楽」に属する1グループ。

メンバーはミナス(・ジェライス)州立交響楽団出身
ウアクチの魅力 | 雨の日には雨の音楽を

グループのリーダー、マルコ・アントニオ・ギマラエスは交響楽団でチェロを演奏する傍ら、創作楽器の制作にいそしみ、1978年に4人でウアクチを結成。

この不思議な名前は、トゥカーノ族(ブラジル北東部からコロンビアにかけての地域を生活拠点とするインディオの部族)の神話に現れる伝説的な存在「ウアクチ」に由来している
UniMúsiCa 8/30(fri) ウアクチを極める @国立Notrunks

ウアクチの伝説:
“ウアクチは不思議な生き物で、体中に穴が開いており、風がその穴を通るたびになんとも魅惑的な音を発していた。その”音楽”が部族の女性をあまりに魅了したため、嫉妬した男たちはウアクチを捕らえ、殺してしまった。ウアクチの遺体が埋められた場所からは椰子の木が生え、人々はウアクチが奏でていたような魅惑的な音楽を奏でるため、その椰子の木を使ってフルートを作るようになった”

メンバー自身が開発したオリジナル楽器を用いた演奏が特徴で、ジャズからミニマル・ミュージックまでジャンルを超えた世界を追究し続けている
ウアクチ | DrillSpin (ドリルスピン)

結成以来、現在に至るまで35年以上活動を継続。独自の音楽を発信し続けています。

現在までに10数タイトルものアルバムを発表し、クラシック音楽をテーマにしたものから舞台音楽まで、実に多彩な音楽性を展開してきました
レコードショップ芽瑠璃堂 > ウアクチ > ビートルズ (MCR9009)

近年では2013年リリースのビートルズのカバー集「Beatles」が話題に。

みんなの評価

彼らの演奏する楽器にはとにかく不思議なものが多い。

ほんとに驚かせたのはその圧倒的な演奏能力。
創作楽器、ミニマルミュージックなんてイメージで語られがちなウアクチですが、DVDを見ると高度な演奏技術のバカテク・打楽器トリオと言ったほうが正しいような演奏
Uma Nuvem Se Aparece | 「ウアクチ UAKTIを聴く」のこと

その楽器の音色が要因のひとつとなった独自の宇宙を作り上げている
ウアクチの魅力 | 雨の日には雨の音楽を

ウアクチの魅力はあくまで”自然”を感じさせること。
どの楽器を使っても、どんな楽曲を演っても、そこには不思議と”大地”や”大河”や”森林”を想起させる何かがあります
Uma Nuvem Se Aparece | 「ウアクチ UAKTIを聴く」のこと

更にそれらを既成の楽器かそれ以上の演奏技術をもって演奏する。
彼らが単なるおもしろ楽器演奏家に留まらない理由はそこにある
Amazon.co.jp: Mapa: 音楽

演奏動画

アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲「三月の雨」。メンバーが次々と楽器を持ち替え、圧巻としか言えないパフォーマンス。
ビートルズのジョージ・ハリスンの名曲だって、ウアクチにかかればこんな素敵なサウンドに。
ブラジルを代表するクラシック作曲家、ヴィラ・ロボスの「カイピラの小さな汽車」。
同郷の伝説的ミュージシャン、ミルトン・ナシメントの名曲。ハーディ・ガーディのような手回し楽器が気になる。
アコースティックギターの衝撃的なアルコ(弓弾き)から始まり、シンセベースのようなエフェクトのかかったパイプ打楽器、ビリンバウ風の楽器、ピッコロでモーツァルトをアレンジ。
こちらもビートルズのナンバー。原曲はビートルズのアルバム”Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band”収録曲で唯一のジョージ・ハリスン作曲のもの。
ミニマルミュージックの雄、フィリップ・グラスの楽曲。マリンバの音色が心地いい。癒しを求める方にも是非聴いて頂きたい。

アルバム紹介

Beatles
数多あるビートルズのカバー作品の中でも、特筆すべき異色の作品。創作楽器で演奏される中後期のビートルズの楽曲から、新たな魅力が発見できるはず。超オススメ!
2013年作。
Philip Glass: Aguas da Amazonia
アメリカのミニマム・ミュージックの分野で活躍した作曲家、フィリップ・グラスの作品集。ジャケット通りの透き通った大自然を感じる演奏が素敵すぎます。
2005年作。
https://matome.naver.jp/odai/2139637557842180901
2015年02月17日