鈴木敏文氏(セブン&アイ会長)が教えてくれた商売の極意

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流通業の神様とまで称される鈴木氏の功績はここで列記するまでもないが、今回の退陣騒動にも、彼らしさが垣間見えた。それは、業績がいいことと、今のセブンがいい状態であることとは違うということ。彼なりの基準でモノを見てきたその半生を、私なりに復習しておこうと思う。

▼「晩節を汚した」とまで言われた最後

鈴木敏文氏、「カリスマ・サラリーマン経営者」の3つの敗因|ダイヤモンド
セブン&アイ・ホールディングスの「お家騒動」で、最後には、鈴木敏文会長(CEO)の電撃辞任となった。経営者としての圧倒的な力量と実績をもってこれまで会社を支配して来た鈴木氏を、創業家の伊藤家と現・セブン-イレブン・ジャパン社長の井阪氏サイドが排除したような構図だ。鈴木氏の敗因は、息子を会社に置いたこと、(創業家との)勝負のタイミングが遅かったこと、そして現社長を対外的に批判してしまったこと。鈴木氏はオーナー経営者ではない。年齢もすでに83歳である。しかも今回の一連の経緯は「暴走」と言われても仕方のないものだった
セブン&アイの鈴木会長が晩節を汚す結果を招いたワケ|産経新聞(ITmedia)
流通業を代表する大企業の意思決定とは思えない実態で、セブングループ中興の祖であり、カリスマ経営者の退任が決まった。その鈴木会長とは、コンビニ事業を日本に初めて根付かせ、かつグループの稼ぎ頭に育てた。当時、スーパーが主流だった小売業界の常識を一変させた。表面的には、鈴木氏の人事案(セブン社長の交代)が否決されたことが原因とされたが、何よりも伊藤創業家と対立してしまったことが真因と言われる。直近では、イトーヨーカ堂の社長人事でも突然前社長が復帰する異例の人事があったばかりだ。鈴木氏の人事案を止めたのは皮肉にも、16年3月に経営の透明性を高める目的で導入した指名・報酬委員会だった
鈴木敏文・セブン&アイ会長辞任の「本当の理由」|プレジデント
【勝見明氏】鈴木氏の思考法の大きな特徴は、常に未来に起点を置いて発想することにある。だから、過去や現在の延長線上でものごとを考える人々からはなかなか理解されない。今どんなに売れている商品であっても、満足のいくレベルに達していなければ、「売れれば売れるほど、セブン-イレブンの商品はこんなレベルかと失望される」。鈴木氏はそう考え、商品を店頭から即刻撤去させる。今回の社長を退任させる案も、まったく同じ発想から出てきたように思われる。常に「顧客の立場で」考え、「会社の都合は否定されなければならない」という信念なのだ

▼そうは言っても、彼の偉大さに変わりはありません

セブン新体制、統治の構図とコンビニ40年|日経新聞
セブン&アイ・ホールディングスは、創業一族の伊藤家の祖業であるスーパー事業と、鈴木敏文氏が育ててきたコンビニ事業が柱だ。グループ売上高は6兆457億円。営業利益の3523億円の大半はコンビニで稼ぎ出している。コンビニは、1974年に出店した1号店から始まり、80年に1000店舗達成。91年にはライセンス元の米本社を買収するまでになった。01年に銀行設立、03年に10000店舗突破。今日では18500店舗を越えている
鈴木敏文氏の功績とはいったい何だったのか|東洋経済
鈴木氏の実績は揺るがない。主には:
1)フランチャイズ制の導入
2)ビッグデータ活用と業績の見える化
3)オムニチャネル化の推進

コンビニはアメリカから導入した仕組みではあったが、小型商店の効率化を手伝うという出発点からして違っていた。鈴木氏はそれを丁寧に築き上げ、ついには各店舗で得られる数値の積み上げと活用にも尽力した。従来、KKDH(勘・経験・度胸・はったり)に支配されていた慣習そのものを覆したのだ。また直近では、グループ各社の商品をネットから買えるサービスで180万点にも達する。これを自社物流ルートで実現させた

「お客さんの立場に立って考えること。その一点に尽きます。お客さんに受け入れていただければ、どんな開発もコストが合う」
セブン鈴木敏文会長インタビュー〈前編〉「いつも転機の連続だった」 – 日経トレンディネット

鈴木会長のこれまでの試みは、その大半にパートナーがいた。もし、開発の段階でそのままの費用を現場にのせていたら、必ずしもうまく行かなかったはずだ。しかし、鈴木氏は試みを前に進めるために、工夫をしつつも妥協は一切せず、時にはパートナーが費用を担ってくれることもあった。「小売現場の素人だった」ことが幸いしたという同氏の言葉は逆に、本質を見抜く力の重要さを私たちに考えさせてくれている

▼セブンイレブンだけがなぜ突出しているのでしょうか

セブン-イレブン、勝ち続けられる理由とは?|東洋経済
2015年4月の消費増税後も、「新しいもの、食べる物ならおいしいものを作らなくちゃいけない」と言い、実際に成果を上げ続けてきたセブン-イレブン。そして「価格を下げたところがよかったという話は聞かない」とバッサリ。カタチだけ新しくてもダメ、日本制覇的な出店もお客さまには意味がない。お客さまの変化に合わせることが重要、という。プライベートブランド商品(PB)は「ナショナルブランド商品(NB)」に対して安いものとした解釈を勝手にしてしまっている。また、既存店売上が伸びないFC制度もありえない。これを理解しないと、他社はセブンの真似などできない
セブンイレブンだけがなぜ売れるのか? 鈴木敏文氏の仮説検証力||ダイヤモンド
口を開けば「仮説」と「検証」という言葉がでてくることで有名な、セブン&アイグループの鈴木敏文会長。どこも同じような広さ、同じような什器、同じような品揃えのコンビニ。しかし、店舗あたりの売上高を見ると、セブン-イレブンは67万円と、ローソンの55万円、ファミリーマートの53万円を圧倒している。結論からいうと、商品が買い上げられるスピードが違う。気温ひとつで消費者の気分が変わるのをつかみに行くスピードこそが、鈴木会長の真骨頂だった。同氏曰く「現場に行け」は誤りだという。「多様化」ではなく、「画一化」だと見抜いたのも同氏だ

【鈴木会長の仮説検証力】
1)「本当のようなウソ」を暴き、常識に縛られないモノの見方を獲得
2)成功事例のマニュアル化はダメ、効果が長続きしない
3)(まずは仮設に基づき)実際の店の品揃えに反映させ、その効果を検証
セブンイレブンだけがなぜ売れるのか?鈴木敏文氏の仮説検証力|超ロジカル思考 発想トレーニング|ダイヤモンド・オンライン

直感や客観的データに基づいて仮説の検証を繰り返し、斬新な仮説を設定する力を高める。これを鈴木氏は、組織に浸透させた。そこで鍛えられた力が、組織としての成功要因だ。鈴木氏は多くの経営者とは異なり、「現場主義」を重視しない。目の前の現象に踊らされることを懸念するからだ。顧客に飽きられやすいコンビニならではだろう。「私はこれが欲しかったんだ!」という驚きこそが、明日の顧客を招き得る。そして、客観的な「データ主義」をただ実践するだけでは、明日の顧客につながらないことも熟知している

▼セブンの強さは、ITなのか、人なのか

なぜ、セブンはビッグデータ分析する他社より日販が高いのか|プレジデント
流通業界でも最近は、ポイント会員の買い上げデータなどの「ビッグデータ」が注目されている。日本で本格的なPOSシステムを全店に導入したのはセブン-イレブンが最初(1983年)だった。一般的なコンビニは、POSシステムの販売データをもとに、よく売れた商品を売れ筋として発注すると思われがちだが、セブンは異なる。自分で考えて、試して、反省するということを繰り返しているので、人が強くなっていく。ハードやシステムの導入は決して難しくはないが、それを活かすかはやはり人次第だ。また、安くして売るという行為も、結局は安売り競争を招くだけで成果にならないことはすぐ分かるはずだ

結果の集計は、機械を使わなければ効率化できない。そこで、システムを作り込んできたわけです。しかし、それは、POS(販売時点情報管理)を使ったら何ができるか、ということではなくて、どうしたら仮説を検証するためのデータを入手できるかを考えた末にたどり着いた結論にすぎない
巧緻なシステムはいらない、作り過ぎを防ぐのがトップの仕事—セブン&アイ・ホールディングス 鈴木敏文氏:日経コンピュータDigital

システムの専門家は必要以上に巧緻なものを作ろうとする。しかし、そんなものは現場では使えない。作り手は、いろいろなものを追加して、それを付加価値だと説明したがるが、結局、現場を疲弊させ、ミスリードすることだってある。現場がやりたいことに、フィットする。ただ、それだけでいいという鈴木氏のIT視感

▼人が自分の固定観念を覆す作業:それが「仮設と検証」

『売る力 ~心をつかむ仕事術』鈴木敏文著
【勝見明氏の書評より】著者の鈴木敏文氏は、海外を含めたグループ総売上高九兆円の巨大流通企業、セブン&アイ・ホールディングスを率いる経営トップだ。鈴木氏は年4回発行されるグループの広報誌『四季報』で毎回、各界で活躍する著名人をゲストに招き、対談を行う。企業経営者ながら、鈴木氏が多様な分野の人々と“サシ”で対談ができるのは、経済人である以前に“信念の人”だからだろう。その信念もさまざまな鈴木語録で表現される。売り手の立場で「顧客のために」と考えるのではなく、常に「顧客の立場で」考える。真の競争相手は同業他社ではなく変化する顧客のニーズである

まず、固定観念や言い訳は、ビジネスを前進させない。売りない原因を見出し、そこに逆の視点を持ち込むことで、新しい可能性が見えてくる
まとめ編者

鈴木氏という人は生粋のアイデアマンだと痛感する。が、ゼロからすごいことを生み出しているわけではない。アメリカからコンビニというビジネスモデルを導入した。しかし、それを日本流にアレンジ。気付いたら、まったく独自のビジネスモデルに仕上げていた。アイデアを積み重ねると、ビジネスモデルになる。ここが、鈴木氏から学べる最大のポイントだ。決して、何らかの理論モデルを、やみくもに導入しているわけではない

鈴木敏文:売り手側の固定観念にとらわれない|PRESIDENT Online
セブンプレミアムを始めたとき、コンビニでも、スーパーでも、百貨店でも業種を問わず、全グループで同じ価格で販売するという、かつてない試みを私が発案した。しかし、グループ各社から反対の声があがった。しかし、(コンビニ、スーパー、百貨店といった)区分けは売り手側が勝手に決めつけているだけ。「顧客の立場」で考えるとどうなるか。顧客はセブンプレミアムについて、「この商品は200円を出して買う価値がある」と思えば、どの業種の店舗でも買ってくれる。重要なのは、自分たちの固定観念を否定し、顧客に価値を感じて買ってもらえる商品を開発していくこと
売れない原因からヒントをつかむ|PRESIDENT Online
コンビニ業界では、売上減少が続き、「市場飽和」と言われだした。しかし、売上が減るには減る理由があり、その原因を探れば、売れるヒントは見えてくるはず。現に、セブン-イレブンが投入した惣菜シリーズは、働く女性たちの間で大ヒット。コンビニ復活を印象づける結果となった。「飽和」と言うのは、努力の足らない売り手側の言い訳なのだ
セブン-イレブンの誕生の背景
1974年に東京・豊洲に誕生したセブン-イレブン。今のコンビニとはずいぶん異なるものだった。開店後、たくさんのアイデアを検証し、積み重ねることで、本家米国とは異なる小売業態へと進化していった。実は、そこには、もうひとつ大きな課題があった。当時、親会社イトーヨーカ堂が直面していた問題の解決策探しでもあったのだ。それは地元商店街といかに共存共栄していくか、だ。当時の鈴木敏文は「中小小売店の不振の原因は、生産性の問題であり、大型店との競争の結果ではない」と語っている。その言葉の通り、セブン-イレブンのフランチャイズ方式による経営近代化を達成した町の小売商店は、再び商売が成り立つようになっている
登場わずか1年で日本のコーヒー消費量1%を占めた、「セブンカフェ」の凄さ|永井孝尚のMM21
2013年1月の導入、16,000のセブン全店へマシン設置完了した9月には、2億杯を突破。当初の目標は、1日あたり1店舗60杯だが、直近では約95杯。年間4.5億杯の販売を見込んでいる。ネスレ日本によると、日本の年間コーヒー消費量は480億杯。セブンカフェは登場わずか1年で、日本のコーヒー消費量の1%弱を占めたことになる。リピート購入率55%は、セブンの食品中、ダントツ。缶コーヒー販売は横ばいで、セブンカフェの影響はなかった。三井物産や丸紅から仕入れ、AGFやUCCにコーヒー豆の焙煎を委託。セブンカフェに牽引されて、コンビニ各社全体のコーヒー売上は、7億杯になると言われている

競争社会にると、わたしたちはとかく他社との比較に目を奪われがち。相対的な比較は買い手であるお客様がすることであって、売り手側がすることではない
『売る力 ~心をつかむ仕事術』鈴木敏文著

今後は、異業種から突然競争が現れる時代になるという。セブンイレブン自らが、そういう存在として積極的な競争を仕掛けている。たとえば、セブンカフェ。雑誌・書籍。さらにコミック。ビール系飲料やATM利用件数に到るまで、セブンイレブンの日本一は次々と増えている。競合企業の動向にばかり着目していると、徐々にモノマネになりかねない

西村剛:「セブン銀行」に注目 ATM事業で高い成長性|ZAKZAK
「セブンイレブン」の店舗内に設置されたATMを運営し、ATM利用手数料が主な収入源となっている『セブン銀行』。ATM利用手数料が主な収入源となっている。ATM設置台数は、ゆうちょ銀行に次ぐ第2位の約19,300台(2013年末)。ATMの1回あたりの受け入れ手数料の単価は約130円で、年間の利用者数は6.98億人。直近では、米国のATM運営専門会社を買収し、米国にもATM事業を新規展開。
※鈴木敏文氏の著書によれば、お金の出し入れなどに限定したATMにしたことで、従来機の四分の一の費用にし、一日一台70人の利用で採算が取れるようにしたという

現実の消費者は経済合理性では割り切れない行動をしばしばします。「消費税分5%還元セール」も、単なる「5%引きセール」だったら、お客様は反応しなかったでしょう
『売る力 ~心をつかむ仕事術』鈴木敏文著

消費者は、損失回避の心理が強い。同じ値引きでも単なる5%引きでは消費者が信用してくれない。が、「理由あって安い」なら、消費者は「損をしない」と納得して買ってくれる。この損失回避が最優先となる心理を理解しておくと、陳列の仕方も変わってくるはず。たとえば、大きなフェイスで陳列し、接客や売り方の演出で売り手の自信を示せば、消費者は「買っても損はしない」と納得する

セブン-イレブン・ジャパン:女性、高齢者層開拓で業績絶好調 コンビニ大量出店で第2の成長期へ|ダイヤモンド
セブン-イレブン・ジャパンの成長力が回復し、他社を突き放しにかかっている。強さの理由は、一定エリアに集中出店するドミナント方式を徹底していることにある。しかし、過去10年以上の間に、他社との差は確実に縮まってきていた。理由の一つは、従来のような好立地の店舗を探すのが難しくなったからだ。東日本大震災を契機に、コンビニの利用者は女性や高齢者に拡大し、1店当たりの平均客数は過去最高を記録しているが、競合他社や異業種なども出店攻勢を強めており、コンビニの飽和感が高まることは避けられない
作業をするな、仕事をしろ! 〜ビジネスのキモは「仮説の立て方」にある|現代ビジネス
「ひまわりがブームになっているときには、たんぽぽの種をまこう」、秋元康氏の言葉である。これが売り手の意思というものだ。「売れた」からでも、「売れている」からでもなく、「売れると思う」から発注する。今日の時代は、「どんな商品がほしいか」、顧客自身もわからない。たとえば、「陽気のいい日の釣りの昼食には梅おにぎりがいいのでは」と仮説を立て、手づくりのPOP広告と大きめのフェイス(陳列棚)を獲る。これが顧客の気を引く。その提案(仮説)は、顧客に「おや?」と思わせることが大切で、「予定調和を壊す」ことになる

▼競合は、セブン・鈴木会長をどう見るているのでしょうか

ローソン営業利益は過去最高に 玉塚社長「セブン鈴木会長の退任は驚いた」|The PAGE
コンビニ大手のローソンは、2015年度通期の連結業績を発表:営業総収入は前年比17.2%増の5834億円。また、営業利益は、成城石井など連結子会社の好業績を反映して同2.9%増の725億と過去最高となった。業界3位だったファミリーマートがサークルKサンクスのグループと経営統合し、ローソンとは立場が逆転してしまった。玉塚社長は、鈴木敏文会長について問われると、「尊敬する経営者の一人。コンビニ業界の原型をつくり、リードしてきたのは明白。小売業に携わった当時、鈴木さんの本をたくさん読んだ」と答えた

▼結局、そのすごさについては、鈴木氏のシンプルな信念があったということです

創業前から鈴木敏文氏とセブンイレブンをスタディし続けてきた流通ジャーナリスト緒方知行によるインタビュー
「世の中の変化にちゃんと対応し続けていれば、飽和状態になることは絶対にない。飽和になるというのは逆に変化に対応できないから」。安さ競争に走ってしまえば間違える、コンビニだからこその便利競争に邁進したのが鈴木氏だ。その好例がドミナント戦略。その徹底をやったのが日本のセブン。ゆえに全国制覇(四国)はずっと後になった。セブンが開発したコーヒーや食パンも同じ。飽和に対して安さは力にはならない。つまり、未だ満たされていない新しいニーズ、未だ解決されていない生活課題、潜在ニーズを見ていけば、飽和などありえない。さらに言えば、試食をして良くなかったものは、売れていても取り下げる。そこにこだわりの高さがある
黒川孝雄:鈴木敏文著 「商売の原点」を読む (緒方知行編)
セブン・イレブン本部で毎週1回行われる「FC会議」が、既に1300回以上を数えているそうである。担当一人当り7~8店の加盟店を担当し、店舗の経営アドバイスを行っているが、彼らが全員参加して定例会議を行っている。そこでの数万ページ分に及ぶ速記録をもとに単行本を講談社から発刊したものが『商売の原点』『商売の創造』である。商売の基本原則という第一章から始まり、そこでは、品揃え、鮮度管理、クリンリネス、フレンドリサービスの四点をくどいくらいに口にする。今日、基本4原則などはどこもやっていることなので、その徹底度が問われている。下記引用の、リンク参照

小売業は、つねにお客様の立場に立ってものを考えなければなりません・・・お客様にとってそれが得か損かを考えるのであって、一方的にこちらが得になることだけを押し付けていたのでは、商売は長続きしません。
商売の原点 (生活図書ピース) | 鈴木 敏文 |本 | 通販 | Amazon

お客様が求めているのは安いものばかりではない。それを勝手に曲解しないほうがいい。たとえば食べ物に関しては、鮮度と味に対するこだわりは意外と価格に勝るとも考えられる。もっと言えば、安さよりも、品揃えや店員の態度がいいお店に来ようと思うのも、お客様の心理だと言える。しかも「飽きない」お店づくりができれば、お客様はもっと頻繁に来てくれるようになる。これらの積み重ねが売上につながっていくのだ。

店舗は日常のオペレーションがきちんとできていなければ、いくら店でキャンペーンをやっても、それは生きてこない。キャンペーン商品の販売額など、全商品の売上からすれば、わずかなものである。スポーツの基礎体力と同じように、日常的に培った売る力がなければ、何をやっても効果は期待できない。
2004年4月 鈴木敏文著 「商売の原点」を読む (緒方知行編) フランチャイズ時評 黒川孝雄

商売の基本原則
差別化の条件
売上ダウンと競合について
基礎体力が決め手
説得と納得
1万通りのやり方
教育マニュアルは必要ない
オーナーに対する義務

品ぞろえ、鮮度管理、クリンリネス(清潔)、フレンドリーサービス:基本四原則。小売業というのは、地味なことを、地道に、これでもかこれでもかと徹底して積み重ねていくことでしか、他店との差別化を図ることはできない
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店の前をきちんと掃除して水をまくということだけでも徹底すると、やがてはお客さまの数が増えてくる。これを信じてやり続けられるかが勝負になる。また来店したお客さまには押し付けやキャンペーンをやるのではなく、お客さまの気付いていないニーズを一緒になって見つけてあげることこそ本当の役割だと理解しておく必要もある

小売業における数字とはすべて結果。よって、大事にすべきなのは結果を生み出すプロセス。結果として売れているのだからいいと考えていると、近くに競合店が出現したとたん、売れなくなってしまう。(プロセスにおける)各論で一つひとつの問題を具体的につぶすことができるかどうか
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質の追求においては限界がない。周囲(競合)の平均値が上がってしまうと、みずからの相対的優位性を失われていってしまう。売上が落ち込むのは適切な対策ができていないからにほかならない。特に二年連続などあってはならない。自分の商圏をきっちり把握し、基本のところでは他に負けていないところまで磨いておかなくてはそもそも競争にならない

POPがすでに色あせて変色してしまっているとか、空調の吹き出し口が黒く汚れているとか、売場に売れなくて古くなったものがたまっているとか、など。たとえると、ため息の水が汚れているのに、そこにいくら新しい水を入れても、全体の水はなかなかきれいにならない
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お客さまの満足につながるような価値を提供するのが使命の自分たちが、手抜きはもちろん、経費節減で縮小均衡に陥るようなことがあってはならない。ファミリーレストランで言えば、人の数を減らしたせいで、テーブルが片付けられないままだとか、店内の空席にお客さまを案内できないまま待たせてしまうとか、お客さまが呼んでもウェイトレスが一向に来ないなど、お客さまの満足感が下がるようなことを続けていては、売上はさらに坂道を転げ落ちるように悪くなっていく

今の消費は完全に心理学の分野。主にお客さまの心の持ち方によって価値決定がされる時代。しかし、従来的には経済学の分野だった。政府の政策や行政のやっていることがうまくいかないのは、いまだに経済学の分野だけで考えているから。たとえば、これだけ減税をしたのだから消費が上向くはずだとかはその典型例
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お客さまは必ず飽きがくる。そして頻繁に変化する。ざるそばが正月に売れることもあれば、冬にアイスクリームが売れることもある。売り手がそこに積極的に踏み込んで、検証してみることが重要だ。売上結果から環境を読むのではなく、仮説を立てから行動をして検証するのがよい

商売の質を落とさないことに関しては、妥協のない取り組みをする。売れているからいいじゃないかと考えがちだが、その程度のものが売れているのは余計に怖い。最近は固定客が増えてきた。一人の顧客を失ったら、(たとえば)月に10個ものお弁当が売れなくなるということ
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試食しておいしくなかったら、商品の販売を中止にしてもいいというルールがセブンにはある。みずからこだわりをもつことが徹底されている。また、納入業者への教育と、問題の早期発覚とを徹底させている。実は以前に製造時間の虚偽記載が発覚したとき、鈴木氏に情報が上がらず激怒したことがある。それ以来の徹底なのだとか。さらに、デイリー商品の鮮度管理と強化を基本に据えること、そして地震や停電などに備えたロウソクなどの非常品など、お客さまの視点に立った品ぞろえが必要になる。これらがストア・ロイヤルティの柱となる

基本の徹底という原則は同じでも、徹底した個店対応で問題解決を図る。(店舗では)パートさんの定着が重要。パートさんのための教育マニュアルなど必要なく、答えは率先垂範。画一的なもので示すことはできない。相手の自発性を引き出すことができるのは、自分が仕事に対して熱意をもって取り組んでいるときだけ
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問題は小さなうちに手を打つ。これを放置していると大変なことになる。日々の基本を徹底していれば、そもそも問題は発見でき、改善されていく。それを疎かにしているから、問題が積み上がっていく。情報を共有化しながら、事細かに改善・工夫を続ける。その際、会議などは必要ない。リーダーが明確な方針を打ち出し、後は実行・検証あるのみである

春~夏型への移行は、四月に入ってからやったのでは遅すぎます。すでに一月ごろからやっていなければなりません・・・お客様の心理からすれば、冬の比べてそれほど温度が高くなっているわけでなくても、店内の様子がガラリと春型に変わっていれば、気分一新、売場に鮮度を感じ取ります。
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季節の変わり目のメリハリをきちんとつけるべき。ここは手を抜いたり、気付きがなければ、はっきりと差がつくポイントでもある。しかもそれを消費者に分からせるところまでやる必要がある。逆に言えば、夏でも肌寒い日々はおでんを売っても構わないのだ。

商品を二の次にした改装・・・商品より陳列棚のほうが威張っていたりします・・・商品を死なせてしまっている・・・店内をどんなにキラキラさせても、商品が二の次になってしまっていては、売上には結びつきません。
商売の原点 (生活図書ピース) | 鈴木 敏文 |本 | 通販 | Amazon

商品が「おいしく」見える店、これについて曖昧だと、いくら陳列に投資しても意味がない。またクリンネスも当然できていなければなりません。

鈴木敏文著 商売の創造(緒方知行編)
商品や売場に変化をもたらす。自己否定につながっても構わない。もちろん全店一斉になどと考える必要もなく、臨機応変にやって確かめてみればいい。どうせやるなら、数日間徹底的に試してみる。また廃棄ロスばかり気にする議論が多いのだが、実際には機会損失も同じくらい重要だ。売れている商品はほぼ必ず機会損失を生んでしまっている。それくらいの意識をもつべきだ。それもこれも、どんな商品がどんなカタチで売れているか単品管理の出来次第で結果が変わる。ここにセブンの強さがある

今の時代はお客さまに意見のない時代。ほしいものがほとんどそろっている。むしろ、お客さまは「なにかいいものを見つけて提案してくれよ」と言わんばかり。それには、私たちが主体的な意見を持っていることが前提。他方、メーカーや問屋さんがさかんに売り込みにきているが、売れない商品を強引に押し付けられているようなもの
商売の創造 (生活図書ピース) | 鈴木 敏文 | 本 | Amazon.co.jp

お客さまが欲しくなりそうなものを作るとともに、死に筋商品を排除し、売れる商品でもきちっとフェイスを取る。そこまでやって始めて売上が確保できる。たとえば、中華麺の売れ行きが夏を過ぎて落ちてくる。それを単に当たり前と思うか、それとも別途冷たい味噌ラーメンを開発して投入してみるか、これだけで実際に大きな違いを出したのがセブン流だった。しかも、売り出すなら、十分な数を並べ大きくフェイスを取る

POSは売れ筋を追求する道具ではない。売れないでいる死に筋を排除するためにある。(過度にPOSに頼ると)商売が縮小均衡になる。(しかし、そうなってしまうのは)商品に対する関心の低さが原因だ。ロスが出てもったいないからと、発注を手控え、相変わらず機会損失を出している。(こうなると)ますます縮小均衡に向かうばかり
商売の創造 (生活図書ピース) | 鈴木 敏文 | 本 | Amazon.co.jp

ドミナント戦略とは、一定の地域に集中的に出店していくやり方。配送の距離を短くし、配送コストを下げるのがもっとも効果的だ。またお客さまに、お店が認知されやすくなる。そして共同配送に踏み込むことで、あらたな常識に挑戦した。それもこれもコストを膨らませず、鮮度を保つためだ。いずれにしても、小売業の本質は、消費者に変わって、攻めの発注をやり切ることである。こうしたシンプルな信念は、鈴木氏がこの数十年繰り返して強調されてきた

https://matome.naver.jp/odai/2139540869222337901
2018年02月05日