国民病とまでいえる花粉症患者数
日本の花粉症患者数は年々増してきている。現在、国民の4人に1人はなんらか花粉にアレルギーを持っていると伝えられている。 とくにスギにアレルギーをもつひとが多く、その数は1500万人以上だ。
今や日本の国民病といえる花粉症だが、今年1月末に東京で開かれた「花粉症メディアセミナー」にて、現在の治療法に満足していると答えたひとは全体の3分の1であることが明らかにされた。今まで、多様なグッズやくすりなどの花粉症対策が試されてきたが、本当に効果があるものは少なかったと感じている人が多いのではないか。
最新の花粉症対策である「舌下免疫治療法」、6月より保険適用内に | THE NEW CLASSIC
花粉症治療は、対症療法から根治治療の時代へ
さまざまな種類のアレルギー薬が販売されているが、シダトレンは全く毛色が異なる。抗ヒスタミン薬など既存のクスリは、目のかゆみや鼻水、鼻詰まりなどの症状を一時的に抑える対症療法。対して、シダトレンは「舌下免疫療法」というスギ花粉症の根治を目指す治療に使われる。
「唯一根治の可能性がある免疫療法は、アレルギー治療を激変させる」と専門医たちは期待を込める。
スギ花粉症も食物アレルギーも 根治を目指す「免疫療法」の威力 激変するアレルギー治療最前線|今週の週刊ダイヤモンド ここが見どころ|ダイヤモンド・オンライン
8割に効果あり2割の症状が消えた
日本医科大学付属病院耳鼻咽喉科教授の大久保公裕教授によると、舌下免疫療法は治験の段階で全体の約8割の患者の症状が改善され、約2割は症状がきれいさっぱり無くなったという。
http://www.news-postseven.com/archives/20140314_245366.html
2011年から自由診療で舌下免疫療法を行なう「ゆたクリニック」院長の湯田厚司氏もその効果を次のように語る。
「年間100人弱の患者さんの臨床をしていますが、およそ8割の方に効果があり、うち半分には大きな効果があります。完全に症状がなくなったという人も2割います。効果がなかった方も1~2割いますが、全体から見て少数です」
http://www.news-postseven.com/archives/20140314_245366.html
舌下免疫療法とは
舌下免疫(減感作)療法(SLIT、スリット)は、パン片を舌下に置いて、そこにスギ花粉エキスを垂らし、2分ほど経った後に飲み込むという投与を1日1回、自宅で行うことで、花粉への抵抗力をつけスギ花粉症を治療する方法です。これまではスギ花粉エキスを注射によって投与する方法がとられていたが、これでは毎週の通院が2年以上必要となるため受けられる人が限られていた。舌下免疫療法では自宅で行えることが最大のメリット。治療期間は2年以上かかる点、全員が治るわけではない(10-20%には効果がない)、スギ花粉症単独のアレルギーに限定されている、治療の開始時期に制限がある(花粉が飛ぶ前)という4点には注意が必要。現在は自由診療のため治療費は年間で7万円程度かかる(医療機関によって異なる)。
http://caloo.jp/hospitals/search/all/t262
舌下免疫療法は2014年6月頃に保険適応となる予定。
減感作療法はこれまで、注射を用いるものが一般的で、長期間に渡る通院や、注射の痛みなど、患者の負担が大きかった。舌下治療薬なら、舌の上に垂らすだけなので負担が少ない。治療薬は鳥居薬品の「シダトレン」。1月に厚生省に認可されており、4月に保険適用、6月以降、医師の診断のもと処方薬として、販売が始まる予定。
花粉症が薬で治る?「舌下減感作療法」とは 「シダトレン」が保険適用