3.11  原発20キロ圏内 今もただ1人生きる人がいる事知っていますか?

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福島第一原子力発電所事故。この影響をじかに喰らった地域のひとつに、福島県双葉郡の富岡町がある。福島第一原発から20キロ圏内に位置し、今なお一定の放射線量を記録する富岡町。事故以来、町全域が立入禁止の警戒区域に指定された状態が続く。

あの原発事故から7年、今もな立ち入り禁止の警戒区域で一人暮らす人がいた。

松村直登(まつむら なおと)、54歳。この地で代々、米農家を営んできた家系の5代目

福島原子力発電所の4基が爆発した際には、南方を目指して両親と避難したものの、その先で「放射能しょってるから入らないでくれ」などと拒まれた。それならと両親を福島県いわき市に置き、単身で富岡町に帰郷。かくして警戒区域内で唯一の人となった松村。
3.11 希望の番人 – 原発20キロ圏内に生きる松村直登 | VICE Japan

松村さんの住む富岡の駅
津波被害があった

「俺はここで外からも(放射線を)浴びて、中からも(食べ物で)浴びてた。で、ジャクサ(宇宙航空研究開発機構)の博士が俺のことを調べたいと。だから検査してもらったんだ。そしたら俺はチャンピオンだって。チャンピオン。(受けた放射線量がそれだけ高いと)どうなるんだ?って訊いたら、病気が発症するのは30、40年か先だと。その頃にはどうせ寿命で死んでっから構わない」。
3.11 希望の番人 – 原発20キロ圏内に生きる松村直登 | VICE Japan

ある時期までは区域内での自給自足が主体になってきた松村さん。これが意味するのは、この地で放射能汚染された野菜や肉、魚を摂取してきたという事実。

ガイガーカウンターが示す数値はおおよそ毎時7マイクロ・シーベルトという高い値だ。これを年に換算すると、61.32ミリ・シーベルト。安全基準に掲げられているのが年間1ミリ・シーベルトで、蓄積数が100ミリ・シーベルトを越えると人体に影響が現れるとされている

「最初は怖かったよ。放射能が巻き散ったと思ったから。そんで次考えたのが、ずっといればガンになんのか、白血病になんのかってことだった。でも動物とずっと一緒にいるうち、動物も俺も元気だし、大丈夫だっぺって」。現在の日課は、飼い主を失った牛やイノブタ、ダチョウの面倒をみることだ。
3.11 希望の番人 – 原発20キロ圏内に生きる松村直登 | VICE Japan

現在は、検査をクリアした湧き水と、外から届く支援物資しか喉を通さない

原発事故から1年半をなんと牛舎に幽閉され続け、餓死した牛の屍肉を喰らうことで生き延びてきた犬。2012年の夏、松村さんによって救助された。体毛の大半は抜け落ちていたが、献身的な世話により回復。その経緯から〝キセキ〟と名付けられた
それから約2ヵ月後のキセキ。毛も戻り、犬らしい姿に

過酷な環境下の富岡町に、なぜ彼は留まろうとするのか。理由があった。この地に取り残された動物たちを、彼は見過ごせなかったのだ

「どうせこんなところで米作っても、誰も買わない。それなら草生えねえ方がいいから、牛放してくれって(土地の持ち主から言われて)。それで、みんな放したんだ」。牧場では、生き残った数十匹の牛たちがやせ細りながらも緩やかな日常を過ごしている。このほとんどが、本来ならとうに殺されていた牛たちだ。

まだ少しニオイするな」そこで待ち構えていたのは、無残な姿になり果てた牛たち。「120頭は死んでる。もっとかもしんねえ。みんな死んで腐って、今は骨と角だけだよ。最初は、腐った死体にハエやウジがすごかった。町のなか、黙ってて聞こえるのはハエの音だけ。ブンブンブンブン。最初は臭すぎて、5分いたらニオイも染みついた。これは骨だけだから見られっけど、当時は生々しくて。生き地獄、地獄絵図。(この町で死んだのは)もう1000頭超えてっぺなあ」
3.11 希望の番人 – 原発20キロ圏内に生きる松村直登 | VICE Japan

牛舎にて。餓死して骨となった牛たちを眺める

。「東電で働いてる俺のいとこ、家も近くでな。原発が爆発した日、着替えを取りにそいつ戻ってきてな。俺に、逃げねえのか?って言うの。だから訊いたんだ、大丈夫だべ?って。そしたら、うん、2、3日で直るからって(返事してきた)。そんなウソつくか? 自分の家族は逃がして、(もうここには)いねえんだぞ。ひどいべ? そこまできたって、まだウソつくんだぞ。洗脳って分かる? 原子力発電所は絶対に爆発しない、放射能は絶対に漏れないって洗脳されてる。俺、東電の社員に聞いたんだよ。爆発した時、お前らどう思ったんだ?って。そしたらみんな口々に、ミサイル撃たっちゃ(撃たれた)って。原発はそもそも爆発しねえから、外から、たとえば北朝鮮からミサイル撃たっちゃ、って」
3.11 希望の番人 – 原発20キロ圏内に生きる松村直登 | VICE Japan

富岡簡易裁判所付近に集められた放射性廃棄物

「俺の夢? とりあえず今いる動物だけはみんな助けたい。動物みんな一緒だべ。これ、かわいいべ?」。松村の気を引こうと、その袖を何度もついばむダチョウ。それを嫌がることなく優しく接する男の目尻には、いくつもの皺(しわ)が深く刻まれていた
3.11 希望の番人 – 原発20キロ圏内に生きる松村直登 | VICE Japan

この一帯は事故後長い間停電が続いており、ソーラーパネルで太陽光発電している。これでパソコンとケータイの電力はまかなっていたとのこと 。今は電気が通っているみたいですね。

原発事故 残された動物「知って」
放浪牛に餌を与える松村直登氏
https://matome.naver.jp/odai/2139290169073777401
2018年03月11日