通風とはどんな病気か
痛風は、「風に当たっても痛い」というくらい足の指などの関節が痛む病気で、名前の由来にもなっています。しかし、 この痛みは痛風の一症状に過ぎず、高尿酸血症ともいいます。
高尿酸血症(痛風)はその名のとおり、血液の中に尿酸という物質がたまる病気ですが、糖尿病といろいろな面で似ています。
血液中の血糖値が高くなるのが糖尿病で、尿酸値の高くなるのが高尿酸血症です。また、糖尿病はインスリン不足による糖代謝異常ですが、高尿酸血症はプリン体代謝異常によるプリン体の過剰産生が原因です。
プリン体とは
プリン体というのは遺伝子情報を担う核酸の主成分で、筋肉が使われるときのエネルギー伝達物質のもとになる物質でも あります。そのプリン体が肝臓で分解されてできるのが尿酸です。尿酸は老廃物として、腎臓から尿に混じって排泄されま す。
しかし、プリン体の合成が過剰になったり、排泄がうまく機能しなくなったりすると、血液中の尿酸の値が高くなります 。これが高尿酸血症ですが、はじめのころは何の自覚症状もありません。その面でも糖尿病に似ています。そして放置して おくと、痛風の発作が起きます。
痛風の患者は圧倒的に男性に多く、国内には30~50万人もの患者がいるといわれます。その背後には、何の症状もないが 尿酸値の高い「痛風予備軍」が500~600万人くらいと推定されています。
通風(高尿酸血症)の合併症
高尿酸血症にも糖尿病のように合併症があり、むしろそちらのほうが怖いのです。その主なものは腎臓障害、尿路結石、 動脈硬化ですが、その中でも動脈硬化がいちばん危険です。動脈硬化は心臓病や脳血管障害を引き起こします。
糖尿病も動脈硬化を引き起こしますから、血糖値と尿酸値の両方が高い人はさらに危険度が増します。しかも、両者は併発しやすいのです。なぜなら原因が同じだからです。
生活習慣病だが、遺伝的な体質も関係
昔は痛風が少なかったため、別名「ぜいたく病」などといわれましたが、おいしいものをたくさん食べたからだれでも痛風になるというわけではありません。高尿酸血症は生活習慣病の一つですが、糖尿病と同じように遺伝的な体質も関係しています。
遺伝的な体質の上に、糖尿病と同様の過食や運動不足からくる肥満などの生活習慣が加わって、高尿酸血症になると考えられています。尿酸値を挙げる要因を次に示します。
●肥満……肥満体の人は尿酸の排泄が抑制されます。
●アルコール……腎臓からの尿酸の排泄を阻害し、尿酸値を上昇させます。特にビールにはプリン体が多いので避けるべきですが、そのほかのアルコールでもよいことはありません。
●プリン体……豚ロースやかつおなどのプリン体を多く含む食品を多く食べると、尿酸値が上昇します。
●激しい運動……肥満解消のつもりで瞬発力を要求される激しい運動をすると、尿酸値は逆に上昇します。運動はジョギングや早歩き、水泳などの有酸素運動にすれば、尿酸値は上がりません。
●ストレス……精神的ストレスも尿酸値を挙げる要因と考えられています。
尿酸値による診断基準
通風は血液中の尿酸値により次のように診断されます。
・6.0mg/dl以下…望ましい値(男女とも)
・7.0mg/dl超……高尿酸血症
・8.0mg/dl超……医療機関で受診、 場合によっては薬による治療が必要
対策は食事と運動
高尿酸血症で太り気味の人は、減量すると尿酸値が低下します。肥満気味の人はまず食事量のコントロールをしながら栄養バランスを取り、運動することによって減量をします。
ただし急激な減量は、エネルギー源として脂肪を利用する際に発生するケトン体が尿酸の排泄を阻害し、かえって尿酸値 が上昇します。
運動は息が切れない程度の有酸素運動をします。ウォーキングなど、継続して実行できる運動がよいでしょう。運動は過剰なエネルギーを消費させ、基礎代謝を高めるばかりでなく、ストレス解消の面からもプラスになります。
プリン体を多く含む食品について
通風の食事対策は、以前はプリン体を含む食品を制限することが第一優先とされてきました。しかし、プリン体はもともと体内で作られるうえに、プリン体から作られる尿酸はわずか20%ですから、制限しても尿酸値を大幅に下げるわけにはいきません。
それでも、プリン体を非常に多く含む食品は避けたほうがよいでしょう。
プリン体はほとんどの食品に多少は含まれていますが、多いのは次の食品です。
・あん肝 ・イサキの白子 ・牛焼肉レバー
・牛肉ひれステーキ ・豚ロースステーキ ・牛・豚・鶏レバー
・かつお ・車えび ・あじ干物
・さんま干物 ・まぐろ ・タラバガニ
・ひらめ ・真だこ
プリン体が少ない動物性の食品
動物性の食品でプリン対含有量が少ないのは次の食品です。
・魚肉ソーセージ ・かまぼこ ・さつま揚げ
・コンビーフ ・かずのこ ・鶏卵
水分を多く取る
通風やその予備軍になったら、尿酸の排泄を促すために水分はたっぷりとって、尿の量を増やすことが大切です。糖分を含まない水分を1日2リットルが目安です。なお、酒類は尿酸の排泄にマイナスです。

