ハリー・ポッター裏設定―人物篇―

rikuroku63
ポッターモアやインタビューの情報を中心に人気キャラクターの裏設定をまとめました。

リーマス・J・ルーピン(三作目アズカバンの囚人~)

三作目、アズカバンの囚人で印象的な「まね妖怪」ボガードの授業を行った、「闇の魔術に対する防衛術」の先生です。
ハリーの父・ジェームズや名付け親のシリウスとは学生時代からの親友であり、忍びの地図の製作者でもあります。
大人の魔法使いでも使えるものは少ない守護霊の呪文をハリーに教えるなど、非常に優秀で人間的にも優れた魔法使いですが、とある障害を抱えているためまっとうな職に就くことが難しい状況にあります。
ハリーからは「今までで最高の先生」と評価されており、マクゴナガル先生からも「有能な教師」との評価を得ています。

ある事件をきっかけに教職を辞しホグワーツを去りますが、その後はダンブルドア率いる反ヴォルデモードの組織である不死鳥の騎士団に入り、強大な敵に立ち向かうハリーたちを時に見守り時に支え続けます。

リーマスの父は魔法使いで、ボガードやゴーストなどの研究をしていたそうです。
闇の魔術に対する防衛術に関して教鞭をとれるほどの腕というのはここから来ているのかもしれません。
そしてリーマスの父は狼人間に対し、否定的でした。
あるきっかけでフェンリール・グレイバック(ヴォルデモートの部下、本編ではロンの兄であるビルをも噛んでいる)の不興を買います。
その結果、リーマスが五歳の時、グレイバックに噛まれます。

「グレイバックは子ども専門でね……若いうちに噛め、とやつは言う。そして親から引き離して育て、普通の魔法使いを憎むように育て上げる。ヴォルデモートは、息子や娘たちをグレイバックに襲わせるぞ、と言って魔法使いたちを脅した。そういう脅しは通常効き目があるものだ」
「ハリー・ポッターと謎のプリンス」よりリーマス・ルーピンのセリフ

狼人間であるということが知れると魔法界では迫害されます。
そのため幼いころのリーマスは同世代の子供たちと遊ぶこともできず、友人もいなかったそうです。
10歳になる頃には両親だけの手には余るほどになってきていました。そのためホグワーツ入学は絶望的だと思われていました。

そこに転機が訪れます。アルバス・ダンブルドアがルーピン一家を訪問したのです。
変身は月に一度、それも夜のほんのわずかな時間のみ。その時だけ他の生徒から引き離せば何の問題もなく通えるだろう。他の生徒と何も変わることはない。
両親にそう説いたダンブルドアは、ホグズミードにある封鎖された「叫びの屋敷」に続く通路に「暴れ柳」を植え満月の夜にはそこに閉じ込めることで、同世代の友人がほしいというリーマスのひそかな願いを叶えます。
のちに「私の人生で最高の時だった」とまで言わせるリーマス・ルーピンのホグワーツの生活はこうして始まったのです。

「しかし、変身することだけを除けば、人生であんなに幸せだった時期はない。生まれて初めて友人ができた。三人のすばらしい友が」
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」

のちにリーマスは見た目を自由に変えられる「七変化」の力を持つ闇払い、ニンファードラ・トンクスと結婚します。
トンクスはシリウスの親戚でもあり、またマッド・アイ・ムーディーの愛弟子で、ロンの二番目の兄・チャーリー・ウィーズリーとは同級生です。
年齢差、そして何より自身が狼男であることに強い引け目を感じているリーマスに一度ははっきり断られます。
守護霊の形が変わり、得意の七変化の能力に支障をきたすほどにショックを受けるトンクスですが、六巻終盤、ついにリーマスが折れる形で結ばれます。

その後も一度はトンクスが妊娠したことで狼人間の力が子に遺伝するのではないかと恐れ、彼女の元から逃げ出すなど悩み迷います。
ハリーはそんなリーマスを見、「僕に吸魂鬼と戦うことを教えてくれた人がそんな臆病者だとは思わなかった」とまで罵ります。

「親は」ハリーが言った。「子どもから離れるべきじゃない。でも――でも、どうしてもというときだけは」
「ハリー・ポッターと死の秘宝 上」より

「でも、それでルーピンがトンクスのところに戻るなら、言ったかいがあった。そうだろう?」
「ハリー・ポッターと死の秘宝 上」

ハリーの言葉がきっかけとなり、ルーピンはトンクスの元に戻り、やがて元気な赤ちゃんが生まれます。
そしてハリーにトンクスの七変化を受け継いだ息子の名付け親(後見人)になることを頼みに来ます。

ですがその後、ホグワーツでヴォルデモート対ホグワーツ防衛隊の決戦が始まります。
「不死鳥の騎士団」として、そして次代の希望となる息子の親として、リーマスとトンクスは決戦にその身を投じます。
1998年5月、勝利を喜びあう人々の中に二人の姿はありませんでした。
リーマスはアントニン・ドロホフの手に、そしてトンクスは伯母でありシリウスを殺した人物でもあるベラトリックス・レストレンジの手にかかり亡くなっていました。
映画版のカットシーンでは決戦前に互いの無事を祈る二人の姿がありました。

二人の死後、息子のテディはトンクスの母であるアンドロメダによって育てられます。
17年後、本編最後の章ではビルとフラーの娘のビクトワールトの恋がちらりと描かれています。
ポッター家とは良好な仲のようで、ハリーの息子のジェームズやアルバスからは「ビクトワールとテディが結婚すれば本当に家族になれるのに」と言われていたり。
またリーマスには人狼としては初めて、勲一等マーリン勲章が贈られました。
ちなみに「人狼」は著者インタビューによるとエイズへの差別をイメージされているそうです。

「息子を知ることができないのは残念だ……しかし、あの子は、私が死んだ理由を知って、きっとわかってくれるだろう。私は、息子がより幸せに暮らせるような世の中を、作ろうとしたのだとね」
「ハリー・ポッターと死の秘宝 下」より

https://matome.naver.jp/odai/2138294724693890301
2013年10月28日