モーニング新人賞は福島第一作業員のルポ漫画!衝撃作「いちえふ」

Belfort
週刊マンガ誌「モーニング」の新人賞「第34回MANGA OPEN」の大賞は、48歳の作者・竜田一人が福島第1原発で作業員として働いた経験を描くルポマンガ「いちえふ ~福島第一原子力発電所案内記~」が受賞。その作品情報や反響、関連作品などをまとめてみました。

10/3発売のモーニングに掲載された新人賞大賞受賞作

いちえふ ~福島第一原子力発電所案内記~

東京電力福島第1原発事故後に現場作業員として働いた作者が自らの経験を描いたルポ漫画
モーニング大賞は原発ルポ漫画 現場作業員の体験描く – 47NEWS(よんななニュース)

福島第一原発について紹介した本や映像はあったが、作業員の立場からここまでリアルな現実を描いた漫画ははじめて。Jヴィレッジから福島第一原発への道のりや、原子炉建屋の様子、作業員の一日、下請け業者の実態などが淡々と丁寧に描かれている。
「いちえふ」福島第一原発の作業員が描く渾身のルポ漫画 「モーニング」で48歳新人がデビュー

選考委員の森高さんは「物書きとしての本質を体現していると思える迫力があった! とんでもない熱量を秘めた作品」、東村さんは「圧倒されました。文句なしの大賞です」と絶賛
モーニング:新人賞に原発ルポマンガ 48歳新人が福島第1での実体験描く – MANTANWEB(まんたんウェブ)

選考委員は「グラゼニ」の原作者の森高夕次と「メロポンだし!」の東村アキコ

作者は竜田一人(たつた・かずと)さん48歳

竜田一人@TatsutaKazuto

とりあえずアカウント作っときます。
作者のTwitter

元々漫画家として活動していたが、さまざまな職を転々としている際にあの事故が起こり、「高給と好奇心。それにほんの少しは被災地の為という義侠心から」福島第一原発の仕事を求め、作業員となった
「フクシマの真実」ではなく「福島の現実」を描いた衝撃作「いちえふ 〜福島第一原子力発電所案内記〜」(エキサイトレビュー) – エキサイトニュース(2/2)

原発に働きに行ったら半年で放射線量が上限に近づいてしまって、戻ってきてから漫画を描こうと思い立った
第34回MANGA OPEN、最終選考の議事録を公開します! – モーニング公式サイト – モアイ

片仮名の鍵括弧つきで語られる「フクシマ」と、実際その場に行って体験することとはだいぶ異なっている。描きたかったのはそのこと
第34回MANGA OPEN、最終選考の議事録を公開します! – モーニング公式サイト – モアイ

ネットでは様々な反応が

島田英二郎@asashima1

MANGA OPEN大賞受賞作「いちえふ」。福島第一原発で実際に働いた作者の覆面ルポ漫画。発売前にけっこう話題になってますね。新人賞では前代未聞のことです。Dモーニングならあと20分で読めますよ。app.morningmanga.jp
モーニング編集長

漫棚通信@mandanatsusin

モーニングの「いちえふ」読んだ。体験をたんたんと描ける筆力に感嘆。

ねりまちゃん@nerimarina

「いちえふ 福島第一原子力発電所案内記」読んだ。これは、これはほんとうに「案内記」だ。始業から就業までを淡々と記してる。これは必読なんじゃないだろうか、みんなコンビニでモーニング買った方がいいよ……!

フラン@furan_skin

Dモーニングで読んだ。絵柄は週刊漫画TIMES世代だけど確かに面白かった。:モーニング:新人賞に原発ルポマンガ 48歳新人が福島第1での実体験描く – MANTANWEB(まんたんウェブ) mantan-web.jp/2013/10/03/201… @mantanwebさんから
モーニングの原発作業員の方が描いた漫画読んだ。すごかった。「新人」…?いやいや、新人…?いやいや、絵含め、全てプロでした…しかもすごい上手いほうのプロ…っ

稲葉渉@inabawataru

モーニングの新人発掘漫画が激しく東電擁護の360度どっからどう見ても完全なるステマで、編集部にこんな茶番が見抜けないカス読者だと思われてる事が判明。前々から面白い漫画も激減し、損益分岐点超えたので、今月のDモーニングの課金が終わったら読むの辞める。モーニングはもうダメだ、クソだ。

モーニング公式@morningmanga

罵られると悲しくなりますね。“@inabawataru: モーニングの新人発掘漫画が激しく東電擁護の360度どっからどう見ても完全なるステマで、編集部にこんな茶番が見抜けないカス読者だと思われてる事が判明。前々から面白い漫画も激減し、損益分岐点超えたので、今月のDモーニングの課金

yumetaro@yumetaro

モーニング公式がリプライしてる『いちえふ』の読者さんの感想。作品をどう読もうが個々の読者さんの自由だという前提で、それでもあの作品を「東電擁護のステマ漫画」と読む人がいる事実には、ものすごい断絶を感じざるを得ない。

yumetaro@yumetaro

@cosarin67 リプライありがとうございます。「現場には、働いている人達がいる」という、その当たり前の現実を当たり前のこととして「きちんと」描いているところに感銘を受けました。ぜひ読んでみてくださいませ…!

円山みやこ@maruyama_miyako

「いちえふ」読んだ。作者自ら原発作業員として取材した漫画は、勝又進『深海魚』が最初だろうか。『深海魚』は30年前の作品だが作業員の線量との戦いと過酷さは変わってないように思える。事故前も事故後も。

円山みやこ@maruyama_miyako

恐ろしいのは『深海魚』の30年先に「いちえふ」があって、今日、生まれた誰かが、30年後にも同じように廃炉作業に当たっているがいるであろうという事。

モーニング公式@morningmanga

東電、政府に対して許せないことは山のようにありますが、私たちにできることとして「知ること」「風化させないこと」があると思います。“@gryphonjapan: このツイートのおかげで猛烈に読んでみたくなた。 @morningmanga @inabawataru

大反響を受け連載化決定

竜田一人「いちえふ ~福島第一原子力発電所案内記~」が、10月31日に発売される次号モーニング48号(講談社)より連載される
コミックナタリー – 福島第一原発の作業員によるルポ「いちえふ」連載化が決定

読み切り作「いちえふ 福島第一原子力発電所案内記」が大きな反響を呼んだことから、急きょ決定した。
[いちえふ]原発ルポマンガが大反響で緊急連載 福島第1の“労働記”スタート | マイナビニュース

【関連漫画】29年前にも別の漫画家が原発作業員を描いていた

勝又進「深海魚」

収録された短編のうち2編――表題作「深海魚」と「デビルフィッシュ(蛸)」――は、原発で働く下請け労働者たちを主人公にした作品
mm(ミリメートル) 勝又進『深海魚』

「深海魚」は1984年『COMICばく』に掲載された。また「デビルフィッシュ(蛸)」は、その5年後の1989年、チェルノブイリ原発事故の3年後に『季刊リトルボーイ』に掲載された。
11-11 (2) 勝又進「深海魚」のこと

勝又は東京教育大学(現在の筑波大)の大学院で原子核物理学を専攻した経歴の持ち主であり、原発についての基礎知識を十分にもっていた。そのうえ、実際に原発の取材もしたうえでこの2編を描いた
mm(ミリメートル) 勝又進『深海魚』

「無視しているわけにはいかない。だから漫画を描いて被曝の恐ろしさを描きたい」※本書帯より
今だからこそ孤高の漫画家・勝又進さんの「深海魚」を読み直す:イザ!

「反原発もの」にありがちな左翼臭はなく、勝又らしい詩情とペーソスに満ちた、他に類を見ない原発マンガとなっている。
原発内での労働の様子も重いリアリティをもって描かれ、原発労働者が置かれた苛酷な環境が読者の胸に迫る。それでいて、紋切り型の告発調には陥っておらず、作品として完成度が高い。
mm(ミリメートル) 勝又進『深海魚』

青林工藝舎公式。冒頭14ページが試し読み可
http://www.seirinkogeisha.com/

https://matome.naver.jp/odai/2138091087907711701
2013年11月02日