1st “Leisure”
https://matome.naver.jp/odai/2137852601055208401/2137863189009469503
1990年発表のデビューアルバム。ファンからすれば一番人気がない作品ですが、歴史に名を残すような他の作品に比べたら、ということであって、単体としてはよくできたアルバムだと思います。サウンドは当時流行りのマッドチェスター+シューゲイザーな感じ。サイケでダルダルなダンスミュージックです。まだ世間では流行りの音楽をやってるアイドルバンドという扱いでした。”Sing”は1996年制作の映画『トレインスポッティング』のサントラになりました。
https://matome.naver.jp/odai/2137852601055208401/2137863189109471203
2nd “Modern Life Is Rubbish”
https://matome.naver.jp/odai/2137852601055208401/2137863189009469703
1993年発表。この作品がブラーを英国を代表するポップバンドへとのし上げました。当時英国では人気といえばNirvarnaのようなアメリカのグランジバンド。そんな中デーモン・アルバーンはあえて、誰しもが売れないと思っていた「英国らしさ」にこだわりました。ビートルズやキンクス、XTCなどの英国的なポップミュージックを参照点として、「英国らしさへの回帰」「ビートルズへの回帰」はのちにオアシスなどのバンドとも共鳴して「ブリットポップムーヴメント」を巻き起こしました。
3rd “Parklife”
https://matome.naver.jp/odai/2137852601055208401/2137863189009469803
1994年発表。歴史に名を残すブリットポップの金字塔的アルバムです。サウンドは2ndの続編としてよりバラエティに、よりポップに進化しました。初心者のはまずこの作品を聴くべし。”Girls&Boys”はノリノリのベースにのせて進むチープなディスコミュージックをグレアムの”変な”ギターリフがぶちこわす最高のブラーの代表曲。
4th “The Great Escape”
https://matome.naver.jp/odai/2137852601055208401/2137863189009469903
1995年発表。俗に言うブリットポップ3部作の最後の作品です。3rdよりもブリットポップとしての密度は濃く、より楽しく、より病的に。デーモンの批判精神やグレアムのギターリフはさらにキレを増しています。しかしこの時期から、英国のアイデンティティを追求するデーモンと、アメリカのオルタナティブロックに傾倒しローファイ志向なグレアムとの間に亀裂が入りはじめ、バンドは一時活動休止になります。活動復帰したブラーは問題作の5th”Blur”を作り上げます。
5th “Blur”
https://matome.naver.jp/odai/2137852601055208401/2137863189009470003
1997年発表。デーモンの「ブリットポップは死んだ」という言葉とともにリリースされました。このアルバムで、今まで作り上げた英国的ポップミュージックを捨て去ってしまいます。ソニックユースやダイナソーJr、ペイヴメント、ベックなどアメリカのオルタナティブロック志向のグレアム・コクソンの趣味が強く現れた作品です。グレアムのノイジーでローファイなギターが目立ちます。当初英国を席巻していたグランジを彼らなりに料理した”Song 2″がブラーで最も有名な曲になってしまうのは皮肉な話ですね。セルフタイトルだからといってこの作品を最初に手に取ってしまう案件が多発しています。
6th “13”
https://matome.naver.jp/odai/2137852601055208401/2137863189009470103
1999年リリース。5thと比べよりノイジーに、より陰鬱に、より実験的に。グレアムとの強くなる確執やエラスティカのジャスティーンとの失恋を経験したデーモンが最も個人的な内面を吐露した作品といえます。そして2003年初頭、デーモンとグレアムの確執は決定的になり、グレアムはついにブラーを脱退してしまいます。
7th “Think Tank”
https://matome.naver.jp/odai/2137852601055208401/2137863189009470203
2003年発表。グレアム不在の中作成されました。ゴリラズなど様々なソロキャリアを積んだデーモンのアフリカ音楽やアラブ音楽の影響が現れ、今までのどの作品とも大きく違ったサウンドです。この作品を発表してからグレアムのいなくなったブラーは求心力を失い活動を休止します。ところが2009年にグレアムが復帰。ライブ活動やシングルも発表し、2014年には来日も。果たして新しいアルバムは出るのか、と思っていたら・・・・。
8th “The Magic Whip”
https://matome.naver.jp/odai/2137852601055208401/2143180085593479403
2015年突然新作のリリースが発表されました。実に12年ぶり。”これぞブラー!”なキャッチーな捻くれブリットポップの匂いが懐かしい”Lonesome Street”や、Think Tankの頃にグレアムがいたら確かにこうなるよな、なノイジーなギターが炸裂する”Go Out”など、ブラーらしさへ回帰をしているのかと思いきや、アルバム全体では完全に新機軸です。フォーキーでエレクトロ、トロピカルなレゲエまで。癖になるデーモンのポップセンスは当たり前のように健在でした。これからの活動にますます期待が高まってしまいます。気を長くして待ちましょう。