▼ PRISMってなに?
メールやSNSのメッセージなど、ネットでやりとりしているデータの多くは個人的な、プライベートなものです。知らない人、望まれない人には見られないという信頼があってこそ、安心してSNSを使えるわけですね。
でももし、政府がそういったデータをすべてチェックできるとしたら…? そんなスパイ映画めいたシステム「プリズム(PRISM)」が実在することが明らかになり、いま大きな話題になっています。
以下、駆け足ですがPRISMのお話をまとめてみました。
アメリカの盗聴システムです。NSA(国家保安省)が運営しており、メール、写真、音声、動画、文書、接続記録など、ネットでやりとりされるデータなら、好きなものをなんでものぞき見できるそうです。
対象となるのはマイクロソフト、ヤフー、グーグル、フェイスブック、アップル、スカイプ、YouTube、AOL、PalTalk。
実際のサービスで言えば、GmailやYahoo!メールなどのメールサービス、フェイスブックやiCloudに預けたデータ、スカイプの通話記録などなど。アメリカ(NSA)がその気になれば、ネットのプライバシーはほぼすべて丸見えになります。
▼ アメリカの話なんでしょ?
PRISMの対象はアメリカ国民以外です。つまり、Gmailやフェイスブックを利用している日本人もみんな対象になりえます。
▼ だれが言っているの? ソースどこよ?
PRISMの存在は内部告発により明らかになりました。NSAの職員であるエドワード・スノーデン氏が、英ガーディアン紙と米ワシントン・ポストに情報を伝えています。
▼ 本当にそんなことできるの?
どうやらそのようです。オバマ大統領をはじめとする政府高官は、PRISMに関する報道を否定しませんでした。それどころか、「PRISMは合法なものだ」と言っています。
Googleやフェイスブックのボスたちは「政府はプライバシーデータに直接アクセスできない」などコメントしていますが、海外メディアは「つまり間接的にならアクセスできるってことだよね?」と指摘しています。
▼ 何のためにそんなことするの?
テロ防止のため。アメリカ政府はPRISMから得た情報で、過去2つの大きなテロを防げた、と言っています。
▼ データを盗聴されない方法ってあるの?
PRISMに限った話で言えば、レポートされた9つの会社のサービスを使わなければ大丈夫なはず。たとえば、Twitter社はPRISMへの協力を断ったそうです。日本製のサービスもだいたい大丈夫だと思います。
ただ、主なスマホ(iPhone、Android、WindowsPhone)はいずれもPRISMの対象企業の製品ですから、ガード固めるの難しいかもしません…ブラックベリーなら大丈夫?
メールやSNSをはじめとするプライバシーが、PRISMを通してネットに無差別に広がる…なんてことはないでしょう。でも、PRISMは明らかなプライバシー侵害だとして、アメリカをはじめとする各国で騒ぎになっています。

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