《宇宙戦艦ヤマト2199》旧作との相違点[第17話記憶の森から]

legion96
『宇宙戦艦ヤマト2199』は、2012年に劇場先行公開およびビデオソフト先行発売され、2013年4月からMBS・TBS系列でテレビ放送となったアニメーション作品。各話新旧比較まとめを地上波TV放送前に更新予定。

【第17話】『記憶の森から』

古代は、ビーメラ星に残された遺跡からイスカンダルの情報を持ち帰っていた。滅びた文明の残した亜空間ゲートを活用することにより、一気に数万光年の大跳躍が可能になるというのだ。古代と真田、森雪はゲートを再起動させるべくシステム衛星に乗り込むのだが…。
ヤマトポータル | 宇宙戦艦ヤマト2199

2192年の回想を織り交ぜながら物語は進む

※旧作【第18話】「浮かぶ要塞島!!たった二人の決死隊!!」に相当

[軍事法廷にかけられるドメル] ●旧作:旧作第21話「ドメル艦隊!!決死の挑戦状」冒頭にドメルはバラン星基地崩壊と作戦失敗の責任を問われて本星で軍事法廷で裁かれ死刑判決が下った。デスラーの恩赦によって死刑は免れた。(旧第21話)
●2199:バラン視察に向かう総統専用艦デウスーラI世が爆破されデスラーが暗殺(殺されたのは影武者で後[18話]でゼーリックの策謀と判明する)された。(第15話)デスラーのバラン視察を知っていたのはディッツとドメルのみであったためこの二人が共謀し暗殺を企てたと疑われる。ドメルはデスラー暗殺容疑で軍事法廷にかけられ死刑判決が下った。

TV第一シリーズの企画段階では「デスラー暗殺未遂」「ガミラス内の政治内紛」という設定があったが話数カットの為か実現しなかった。

軍事法廷でドメルに死刑判決が下った

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ドメルの死刑判決を喜ぶゼーリック
[反政府運動に加担した容疑で連行されるドメルの妻] ●旧作:無し。ドメルの妻は登場しない。
●2199:反政府分子を匿ったとして収容所に送られる。次話18話においてヒスから「戦功によって妻エリーサの罪一等を減じられるだろう」との発言から反政府運動へ加担は事実のようである。

収容所に送られるエリーサ見つめるメルダ
脱走者をかばったため銃で殴られるエリーサ
[中心となるストーリー] ●旧作:ヤマトに合わせて移動するガミラスの宇宙要塞がバラン星にあと8日というところで現れる。この宇宙要塞はあらゆる機械の繋ぎ目を外して分解させてしまうマグネトロンウェーブを発する。迂回が不可能なこの宇宙要塞13号に真田と古代が破壊に向かう。
●2199:ビーメラ4で回収した波動コアに記されていた数万光年の大跳躍が可能なる亜空間ゲートの一つを起動させるべくシステム衛星に向かう。今回目的の亜空間ゲートを利用できれば約3万光年を跳躍でき一気にバラン星まで到達できる。

ビーメラ4で回収した波動コアには亜空間ゲートはすでに滅んだ文明の遺産でありその管理者としてガミラスの名も記されていた。

亜空間ゲート
亜空間ゲートをコントロールするシステム衛星
システム衛星進む3人
古代「どっちに行けばいいんだか」
真田「うむ」
ユキ「たしか、このシステムはガミラスより古い文明が作ったんですよね?」
真田「そうらしい」
ユキ「その人達は、「ガミラスに汚された」って思うのかな?」
真田「汚れちまった悲しみに、今日も小雪の降りかかる・・か・・・」
古代「何です?」
ユキ「中原中也ですね?」
真田「昔、この詩が好きな奴がいてね」
ユキ「たしか、20世紀の詩人ですよね?」

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衛星内を巡回する警備ロボット
旧作18話のガミラス宇宙要塞の警備ロボットとほぼ同じデザイン。
[真田と古代守のエピソード(回想描写)] ●旧作:宇宙要塞の中で「許してほしいことがある」と真田が古代と話しかけるシーンがある。真田は宇宙戦士訓練学校で古代の兄の守と同期でだったこと、仲が良かったこと、冥王星会戦前に守の乗るゆきかぜを整備したのは真田であり帰ってこれなかったのも自分のせいだ思っていることなどを語る。
●2199:反乱容疑で営倉に入れられた新見の回想と真田本人の回想を劇中で合わせて表現することで2192年から2199年のメ号作戦直前までの真田、古代(守)、新見3人の過去を背詰めする描写がある。メ号作戦が陽動であることを知りながら軍機のためとはいえ親友の守に伝えなかったことを心の奥で悔んでいると語る。

旧作では兄守とのエピソードの他に真田が小学生時代の月の遊園地での事故のことなどが語られる。この事故によって真田の手足を機械化(サイボーグ)させているという旧シリーズでの設定はリメイク版2199では継承されていない。

古代守を見送るふたり
新見「遠慮の無い人」
真田「あいつは自分に正直なんだ、キミも正直になった方がいい」
宇宙防衛大学時代の3人
[イスカンダルからの第一の使者ユリーシャの秘密] ●旧作:無し。旧シリーズではサーシャ以前に地球に来た使者はいない。サーシャの通信カプセルには波動エンジンの設計図とイスカンダル星の座標が記されていた。
●2199:自動航法室の中核はユリーシャであること。2198年にイスカンダルからユリーシャが波動エンジンなどの技術供与、1年後にサーシャが波動コアを地球に届けた。当初ユリーシャによってイスカンダル星の位置情報をもらい航路を設定する予定であったが、1年前の事故よりユリーシャが意識を失ったため正確なイスカンダルの座標が不明となる。ヤマトの自動航法室はユリーシャの記憶をトレースしてイスカンダルへ航路を設定していることが語られた。道義的に許されることではなく、だからこそユリーシャを無事に故郷へ送り届けることもヤマトのミッションのうちの一つとも真田の口から語られた。


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自動航法室とユリーシャのことを話す真田
真田「・・・、我々はいまだに、イスカンダルが大マゼランのどこにあるかを知らない」
古代「!」
ユキ「でも、イスカンダルから航路図が・・、」
古代「そうですよ、自動航法室にはそのデータがインプットされているんでしょう?」
真田「そんなものは無い」
ユキ「え?」
真田「彼女はイスカンダルへの道を示してくれる・・・、その筈だった」
古代「待って下さい。じゃ、ここまでどうやって」
真田「彼女の記憶をたどってね・・・」
古代「まさか・・・、それって」
真田「ん、自動航法室の中核は、ユリーシャなんだよ」
1年前の森雪とユリーシャの事故について語られる
[警備ロボットの破壊] ●旧作:真田が警備ロボットにいち早く気づき銃で破壊。古代に「戦闘班長のお前もボケーッと油断するときもあるんだな」と語る。
●2199:警備ロボットを銃で破壊するのは旧作とは違い真田ではなく古代であった。その際真田は古代に「さすがだな」と発言した。

[真田と古代守の軍に配属される前に所属した教育機関] ●旧作:宇宙戦士訓練学校
●2199:宇宙防衛大学

[中原中也の詩] ●旧作:無し。
●2199:古代守が好きだった中原中也。とくに詩集「山羊の歌」に収録の「汚れちまった悲しみに」という詩を中心に真田と古代守の思い出が語られます。

様々な解釈のできる詩で製作者サイドがこの詩をどう解釈し17話にどのようなメッセージを込めたのか今のところ正確なことはわかりません。

道は違っても、この世界を守りたい。その気持ちは同じってことさ
汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる汚れつちまつた悲しみは
たとへば狐の皮裘(かはごろも)
汚れつちまつた悲しみは
小雪のかかつてちぢこまる

汚れつちまつた悲しみは
なにのぞむなくねがふなく
汚れつちまつた悲しみは
倦怠のうちに死を夢む

汚れつちまつた悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れつちまつた悲しみに
なすところなく日は暮れる・・・・・

メ号作戦に出撃するゆきかぜを見送る真田の手には中原中也の詩集が
真田「長いこと借りっぱなしだったな」
守 「やるよ! いや、お前に持っていて欲しい」
真田「繰り返し読んでみたんだが、オレには詩の良さがわからない」
守 「正直な奴だな、ハハハ・・・」
[ヤマトの離脱準備] ●旧作:爆破作戦を待つヤマト艦体にもマグネトロンウェーブの影響が出はじめる。ヤマト艦内ではワープの成功率が55%という計算が出る。爆破作戦が成否に関わらず艦が破壊される前に宙域を離脱する決断しヤマトはワープ準備に入る。
●2199:今話では無く次話18話にゲート調査に向かう鹵獲機の帰還を待つヤマトは待機限界時間を設定し宙域の離脱準備をするストーリーがある。

[真田の危機] ●旧作:敵宇宙要塞破壊のため遠隔操作が可能な開閉口に真田は残り古代をシームレス機に乗せ避難させる。爆破の際に要塞開閉口が閉じるとふんだ真田の賭けはあたり助かった。
●2199:システム衛星の制御区画に真田が入ると扉が閉まってしまう。システムを再起動すると大量の中性子が数秒間放出されるということが判明。制御区画外には中性子の影響がないことも同時に判明。古代達に真田は一人で作業すると告げシステムの再起動を試みる。

古代守との思い出を語りながらシステム再起動作業を進める真田
真田「陽動であることは極秘だった。親友に事実を告げる勇気もなく、ただ、命令には忠実に・・・。オレはそういう男だ・・・」

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真田はとっさの判断で中性子から身を守った
古代「真田さん!」
真田「中性子は水を通りにくいんだ」
古代「まったく、アナタって人は・・・」

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亜空間ゲートをコントロールするシステム衛星の再起動に成功
[人類滅亡まであと・・・] ●旧作:260日(旧18話)
●2199:275日

https://matome.naver.jp/odai/2137468935668472701
2013年09月12日