妻の死を描いた漫画「さよならもいわずに」の絶望と再生

bakakyoudai
一冊の本から「悲しみ」と「絶望」が溢れている。妻の急死という実話を基にした上野顕太郎氏の作品「さよならもいわずに」についてまとめました。

▼「ヒマだからな!」が口癖の、知る人ぞ知るギャグ漫画家うえけんこと上野顕太郎氏

上野顕太郎@ueken18

@kurii_mureemon 年取って暇を標榜するのがきつく、いかんいかん、気を取り直して…暇だからな!!

「ホエーとは何か?」「ピロリ菌の語源は?」「雑誌の懸賞は誰が抽選している?」
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上野顕太郎氏の著作「ひまあり」の紹介文章。暇なので気になったことを調べてみた、的なノリの作風

数万の野生の馬が草原を疾走する風景を描くためだけにモンゴルへ旅行した経験がある
上野顕太郎とは – はてなキーワード

▼そんな上野氏に突如訪れた悲劇を描いた「さよならもいわずに」とは

「さよならもいわずに」は、シュール・ナンセンス・パロディを得意とするギャグ漫画家の上野顕太郎に突然訪れた「妻の死」をドキュメンタリータッチで描いた作品。

2004年12月10日に亡くなられた、最愛の妻キホさんとの日々を、死の前日から約一ヵ月後までを中心として、過去や現在を交錯しながら克明に描いている。エンターブレイン社の「コミックビーム」誌にて2009年8月から2010年5月まで連載された。

▼唐突に訪れた「妻の死」という絶望をドキュメンタリータッチで描いた作品

(あらすじ)
上野顕太郎氏の奥様であったキホさんは、上野氏の「帽子男」「ひまあり」といった作品にも頻繁に登場していたため、読者にもよく知られる存在だった。上野氏とは出版社開催のパーティーで知り合い、その後ご結婚。二人の間には10歳の娘さんがいる。

2004年12月10日深夜、上野氏が自宅二階にある仕事場から一階に下りたところ、キホさんがうつぶせで倒れていた。上野氏は必死で蘇生法を行うも…

▼突然の妻の死。その瞬間、「世界は意味を無くした」

人の死がどれだけ淡々と処理され、日常が残酷に淡々と過ぎていく現実
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作者が葬式を終え、茫然自失、外の世界が奇妙に歪み出す辺りでは同様に胸が傷んだ。
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▼意味の見出せない絶望の中で、妻のかけらを探し集めていく

キホさんが存命したころの写真やビデオ映像、ともに鑑賞した映画など、さまざまなところにキホさんのかけらは存在していた。仕事をこなしながらもかけらを捜し求め続け、ときには「誰か自分と妻を盗撮していないものか」とまで思い立ち、盗撮DVDを探すことも。

どれだけ苦しめばいいのか、妻の死を描くことで何か救われるのか、そのような苦しみと葛藤の中、描かれていく本作の果てにあるものは・・・

▼つらくてどうしようもない、という心の叫びが全編につまっている

この作品のページを何度も開くのは辛い。けれど開くと見入ってしまう。どんな小さなものにも、描かれた時間があり、そこには鎮魂の時間が流れている
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終盤間近の、いわゆるクライマックスでは作者とともに思わず嗚咽し、それが中々収まらなかった
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『さよならもいわずに』を読む。妻が突然死してから世界が変わる。マンガのコマから絶望が伝わってくる。大切な人を失ったことのある人だとぐわーんと来るんだろうか。

▼様々な表現方法を用いて語られる絶望感。悲しみは本体に収まりきれず、表紙にまでにじみ出る

時間軸を操作し、表現技法に工夫を凝らし、妻との日々・妻を亡くしてからの娘との日々を手を変え品を変えマンガ作品に作り上げている
思い出日記 上野顕太郎『さよならもいわずに』(エンターブレイン刊、2010年)

(SSDD)@coco_n

上野顕太郎『さよならもいわずに』読み終えた。大切な人をなくしたことがある者にとってはあまりに辛い作品。その裏で強烈なマンガ表現に目を奪われるこの後ろめたさ。
書店で見かけたら、まず手にとって見るといい。表紙にまでにじみ出た悲しみを、指先で感じ取ることができる。

もっと毎日でも一人で泣いたらええやん。あんまり泣けへん自分もいらんのんか?そうか、泣く代りに描いてはるんか。表紙の加工はその滴やったんか。
さよならもいわずに 感想 上野 顕太郎 – 読書メーター

総裁ちゃん@aizomemilk

上野顕太郎「さよならもいわずに」 amazon.co.jp/gp/aw/d/404726… 本屋で表紙見ただけで顔色がサッと土色に変わるくらい悲しい

▼読んでいて辛くなるほどだが、普段見失いがちな、肉親の大切に気づかせてくれる作品

「大切な人を失ったすべての人に。そして大切な人がいるすべての人に。」と上野の献辞がある。
asahi.com(朝日新聞社):大切な人がいるすべての人に さよならもいわずに(上野顕太郎) – 漫画偏愛主義 – 映画・音楽・芸能

大切な人がいるかも分からない人にもぜひ読んでもらいたい。きっといま自分が生きていることに感謝し、そばにいる人が愛(いと)おしく思えるに違いない。
asahi.com(朝日新聞社):大切な人がいるすべての人に さよならもいわずに(上野顕太郎) – 漫画偏愛主義 – 映画・音楽・芸能

ただでさえ重たいテーマを更に、重く、重くしています。なので、読むにはそれなりの覚悟が必要でしょう
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途中数ケ所ギャグ漫画家らしいくすぐりもあるが、逆に動揺を隠すための痛々しい行為に見える程
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大切な人との一緒にいられる時間を大事にしよう、という思いを喚起してくれる点でも十分に意義のある漫画だと思う
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漫画名言bot@kou07670157

さよならもいわずに:「つらい時につぶやける名前があるのは素敵なこと」とキホは言った

TEN@hikiten

この作品の最後にあるのは絶望だ。だがその先に希望があることを今の私は知っている。「さよならもいわずに」/ 上野顕太郎。 これから読む物語の冒頭に書かれている言葉として、最も物語を彩るものだと思う。

空と踊る男@dancewithsky

積ん読してた上野顕太郎『さよならもいわずに』読んでボロ泣き。よくこんなマンガ描いたなぁ。最愛の奥さんが突然亡くなるまでとその後の状況を事細かに描いているんだけど、自分の悲しみと混乱を生のままさらけだしつつ、ギャグマンガ家ならではの客観的な視点も忘れないのがすごい。

ルイ@tundratiger

長らく躊躇していた『さよならもいわずに』をようやく読む。これ、鬱病に悩む伴侶を持つ人もしくは伴侶を持つ鬱病に悩む人に薦めたい漫画だと思った。

渡山博崇@katarohimayato

上野顕太郎の「さよならもいわずに」をつい読み返してしまって、朝っぱらから泣いている。とても個人的な作品だからこそ、全ての別れゆく人たちに伝わるものがある。

ayana.k_w@ayana6chi17

さよならもいわずに も買ってしまった(;_;)なんかじわじわ泣ける箇所多すぎて泣けなかった(;_;)たぶん私が死んだら殿はああなるな(;_;)(;_;)

hana@Paverhoeas

「ああ……誰かが俺を狙撃してくれないもんだろうか」

全ての描写が衝撃的で
激しいコトバや描写を使ってい…『さよならもいわずに (ビームコミックス)』上野 顕太郎 ☆5 bit.ly/142OvMh

上野顕太郎@ueken18

「さよならもいわずに」のフランス語版が出版されました。オリジナルよりちょいと大きいA5版です。ありがたいことです。
photozou.jp/photo/show/167…
https://matome.naver.jp/odai/2137371713212357201
2018年06月03日