ヨーロッパの拷問器具・処刑器具【古代/中世/近代/異端審問/魔女狩り】

ろんばーと
これらの拷問器具や処刑器具を見ていると、ギロチンがいかに人道的な処刑器具なのかよく分かります…

【No.1】拷問台/Rack

執行人がレバーを引くと固定された丸太がその場で回転し、犠牲者の体が伸びていく。
棘つきローラーが敷いてある、ドイツ製の改良版拷問台。

【No.2】親指締め機/Thumbscrew

オーストリア女帝マリア・テレジアが発布した拷問マニュアル「テレジア法」に収録。
指のどの部分を痛めつけるのかを、精緻に解説している。
日露戦争における旅順攻略戦の風刺画。

【No.3】頭蓋骨粉砕機/Head Crusher

犠牲者のあごを台の上に載せ、ネジを回して頭部を圧迫をしていく。
頭蓋骨が砕かれる前に下あごが粉砕される。

【No.4】苦悩の梨/Pear of Anguish

閉じた状態の梨を犠牲者の口や性器に突っ込む。
ネジを回すと梨が開いていき、同時に内部の突起がせり出してくる。
性的犯罪を疑われたものに使用された。

【No.5】振り子/Pendulum

三日月型の巨大な刃物をロープで吊るし、左右にスイングさせながら徐々に高度を下げていく。
自白しなければ胴体が切断される。
エドガー・アラン・ポー『落とし穴と振り子』挿絵
スペイン異端審問における振り子の恐怖を描いている。

【No.6】鉄の処女/Iron Maiden

扉には無数の穴が空いており、内側に向けて長い釘が突き出ている。
穴は急所を外す位置にあり、扉を閉めると犠牲者は内部で宙釣りになる。
扉は分厚く、断末魔が外に漏れないようにできている。

【No.7】水責め椅子/Ducking Stool

口うるさい”がみがみ女”を人々の前で笑いものにしている。
てこの原理で力を入れたり緩めたりを繰り返し、水責めにする。

【No.8】がみがみ女のバイオリン/Shrew’s Fiddle

手と首を固定されて街中を引き回される。
二人向かい合わせで使われることもあった。

【No.9】がみがみ女のくつわ/Schold’s Bridle

口の部分に突起があり、舌を押し下げて話せなくする。
プラカードを下げて街中を引き回され、さらし者にされる。

【No.10】のんだくれのマント/Drunkard’s Cloak

穴の空いた樽に顔だけ出され、街中を引き回される男版の晒し刑。
嘲笑の対象となる。

【No.11】晒し台/Pillory

広場でさらし者にされ、槍状のもので突かれたりしている。
多くの市民が集まるよう、市場が開かれる日に晒す。
石はもちろん、腐った卵や糞尿も投げつけられた。

【No.12】ガロット/Garrotte

取っ手を回すとベルトが締まっていき、罪人を窒息死させる処刑器具。
首の後ろ部分にある先端部がせり出し、脊椎を刺し砕いて絶命させる改良版もある。

【No.13】異端者のフォーク/Heretic’s Fork

両手を縛られたうえでベルトを首にまかれる。
頭を上にしたまま微動だにできない。

【No.14】審問椅子/Interrogation Chair

ベルト締め上げることで、犠牲者の身体に針が食い込んでいく。
金属製の椅子の下で火を燃やし、椅子全体を高温に熱して拷問効果を高める。

【No.15】ユダのゆりかご/Judas Cradle

肛門を標的にした拷問器具。
犠牲者をロープで一定の高さまでつるし上げ、先端部が肛門に直撃するよう落下させる。

【No.16】ハゲタカの娘/Scavenger’s Daughter

別名”スケフィントンの娘”
【NO.1】の拷問台とは正反対の作用、つまり人体を引き伸ばすのではなく圧縮することを目的に、ヘンリー8世治世下のロンドン塔所長レオナルド・スケフィントンが開発した。
頭と手首足首を固定するため全く動くことができず、長時間はめられると重篤な精神障害を引きおこす。
改良版ハゲタカの娘。
上部のネジを回すと輪が狭まっていき、身体がさらに圧迫されていく。

【No.17】腸巻き取り機/Intestinal Crank

【聖エラスムスの殉教/ディルク・ボウツ】
犠牲者は生きたまま腹を裂いて腸を引きずり出され、それが巻き取られる様を眺めつつ出血多量で絶命する。
【聖エラスムスの殉教/ニコラ・プッサン】
シリアの司教エラスムスはローマ皇帝ディオクレティアヌスの迫害を受け、激しい拷問の末にこの器具で処刑された。

【No.18】ファラリスの雄牛/Brazen Bull

古代シチリアの暴君ファラリスが制作を命じた。
犠牲者を内部に閉じ込めた後、真鍮製の雄牛を下から火であぶって焼き殺す。
雄牛内部の仕組みにより、犠牲者の断末魔は牛の鳴き声のように聞こえたという。
画面左下の担ぎ上げられている男は雄牛の制作者ペリロスで、この器具最初の犠牲者となった。
左がファラリスの雄牛、右が吊るし刑、手前は拷問台で体を引き伸ばされつつ、水責めの拷問を受けている。

【No.19】ウィッカーマン/Wicker Man

古代ガリアで信仰されていたドルイド教における処刑装置。
巨大な人型の檻の中で家畜や人間を閉じ込めたまま焼き殺す。

【No.20】九尾のネコ鞭/Cat o’ Nine Tails

9本の縄でできたムチの先端には金属製のカギ爪が付いている。
犠牲者の背中はカギ爪によりズダズタに切り裂かれる。

【No.21】スペインの長靴/Spanish Boots

金属製または木製の長靴内側には、無数の突起が敷き詰めてある。
これを犠牲者のすねにはめ、太ももの骨が砕けるまで締め上げる。

【No.22】スペイン式くすぐり器/Spanish Tickler

棒を取り付けて長さを延長してから使用し、盗みや不貞行為を行った者の肉をこそぎ取る。
器具はほとんど洗浄されずに使い回されたので、犠牲者の多くは深刻な感染症にかかった。
サラゴサの司教ヴィンセントはローマ皇帝ディオクレティアヌスの迫害を受け、激しい拷問の末に殺害された。

【No.23】スペインのクモ/Spanish Spider

女性の乳房をカギ爪でわしづかみにし、そのまま宙に引き上げるか又は引きずり回す。
身体はズタズタに引き裂かれる。

【No.24】スペインのロバ/Spanish Donkey

三角木馬。
足に重りを括り付けて苦痛を増加させる。
犠牲者の股は裂け、以後まともに歩くことができない。

【No.25】オーストリア式梯子/Austrian Ladder

幅の広い大きな梯子を壁に立てかけ、犠牲者を後ろ手に縛り上げた後、レバーを回して身体を引き伸ばす。
肩を脱臼させる直前で止め、無防備な脇の下に火を近づけて自白を促す。

【No.26】貞操帯/Chastity Belt

レイプを防止するため妻に対して装着させた、姦通に対する刑罰として使われた、など諸説ある。
妻は夫の懐から金を盗り、貞操帯の鍵を持った右の愛人に横流しをしている。

【No.27】ワニのペンチ/Crocodile Shear

男性器用去勢器具。
高温に熱してから使用し、国王の暗殺を企てた不届き者の陰部を引きちぎる。

【No.28】吊り籠/Gibbet

罪人を絞首刑に処した後、見せしめのために遺体を高所に吊るす。
四つ裂きの刑の場合、バラバラになった各部分はそれぞれ異なる場所で晒された。
“キャプテン・キッド”こと海賊ウィリアム・キッド
ロンドンで絞首刑に処された後、見せしめとして遺体を3年間も放置された。

【No.29】膝くだき器/Knee Splitter

ボルトを締め上げて膝を砕き、完治不能の傷害を負わせる。
膝だけでなく腕や肘、足にも使われた。
火であぶってから使うことでより効果が高まる。

【No.30】カタリナの車輪/Catherine Wheel

犠牲者を車輪に縛ってハンドルを回すと、刃によって体はズタズタに切り裂かれ、車輪の遠心力で内臓は飛び出る。
また車輪の下で火を焚いて焼き殺すこともあった。
【聖ゲオルギウスの拷問/ミシェル・コクシー】
ドラゴン退治をしたゲオルギウスは、ローマ皇帝ディオクレティアヌスの迫害を受け、激しい拷問の末に処刑された。
【聖カタリナの殉教/レリオ・オルシ】
アレクサンドリアのカタリナが車輪の拷問を受けたことから名付けられた。

【No.31】人間プレス機/Human Press

ハンドルを回すと器具の天井部が下がっていき、内部であお向けに寝かされた犠牲者を押し潰していく。
いずれ犠牲者の内臓は破裂し、頭蓋骨は粉砕される。
画面右側の器具。

【No.32】乳房裂き器/Breast Ripper

拷問と刑罰の両方に使われた。
神への冒涜を行った女性、異端者の女性、姦通罪に問われた女性に対して、高温にあぶってから乳房を引き裂く。
【聖アガタの殉教/セバスティアーノ・デル・ピオンボ】
シチリアのアガタは激しい拷問の末に両乳房を切断され、獄中で死亡した。

【No.33】ギロチン/Guillotine

ギロチン発明以前のフランスでは、身分が異なれば処刑方法も異なり、車裂きの刑や八つ裂きの刑など、残虐極まる処刑法が存在していた。
身分を問わず誰もが苦痛少なく平等に斬首されるギロチンは、「自由・平等・博愛」を掲げたフランス革命の象徴となった。
国外逃亡に失敗したマリー・アントワネットは、タンプル塔に1年間幽閉された後、ギロチンで処刑された。
反対派を大量にギロチン送りにしたロべスピエールは、クーデターにより自らもギロチンで首を刎ねられた。

【No.34】魔女の錐/Witch Pricker

悪魔との契約(性交)の際、女性は体のどこかに印を付けられ(魔女の印)、その箇所は刺しても無痛・無出血だとされた。
そこで容疑者の全身に錐を突き刺してそれが単なるホクロやアザなのか、それとも魔女の印なのかを判定する。
中央の器具は体に当てると刃が引っ込む仕掛けとなっており、多数の人々が魔女に仕立て上げられた。

【No.35】ストラッパード/Strappado

魔女狩りで盛んに使われた。
両手を後ろ手に縛りあげた後、滑車で巻き上げ吊るし上げる。
重石を足にくくり付けることで、両肩を容易に脱臼させることができる。
ニッコロ・マキャベリ
『君主論』の著者で政治思想家。
メディチ家の要人を殺害した容疑(ボスコリ事件)で逮捕されてからの1ヶ月間、この拷問器具による過酷な責めを6度も受けた。

【No.36】編み上げ靴/Brodequin

両足をそれぞれ各2枚の木の板で挟み込み、ロープできつく縛り上げて固定する。
この状態で太ももの僅かな隙間に金属製の楔を打ち込み、両太ももを猛烈に圧迫させる。
ルイ15世暗殺未遂犯フランソワ・ダミアンは、逮捕後に編み上げ靴による激しい拷問を受け、処刑台まで自力で登れないほど痛めつけられた。

【No.37】処刑人の剣/ Executioner’s Sword

死刑執行人が使用する斬首専用の剣。
ギロチン発明以前はヨーロッパ各国で使用されていた。
レオノーラ・ドーリ
マリー・ド・メディシスの側近の妻で、悪魔祓いや魔術を謳ってマリーを取り込み、夫婦共々巨万の富を築いた。
マリーの息子ルイ13世が起こしたクーデターにより、レオノーラは魔女として斬首され、遺体は灰になるまで焼却された。

【No.38】首切り役人の斧/ Headsman’s Axe

ロンドン塔にある断頭台と首切り役人の斧。
イングランドの斬首刑では斧が使われていた。
【レディー・ジェーン・グレイの処刑/ポール・ドラローシュ】
一撃で絶命させるには相当な技量が必要で、実際失敗もあった。
そのため死刑執行人はナイフを常備し、いざという時にはこれを使って対象者の首を切断した。

【No.39】首吊り人の縄/ Hangman’s Knot

斬首刑の執行人はヘッズマン、絞首刑の執行人はハングマンと呼ばれていた。
この結び方は強度が高くそう簡単には解けないため、処刑の他にも釣りやクライミングで使われている。
【戦争の惨禍-絞首刑/ジャック・カロ】
左下では跪いて許しを請う兵士がいる一方、右下では賭けに興じる兵士が描かれている。

【No.40】ハリファックス断頭台/Halifax Gibbet

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