部下や子どもはほめて伸ばせ!成績や才能が本当に伸びる【ピグマリオン効果】とは?

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新入社員の育成や、学校教育の場に携わる人たちには必ず読んでほしいです。才能を伸ばす秘訣をお教えします。

あなたはほめて伸びるタイプですか?

期待をされた人ほどその通りの成果を出せる、という説があり、それを「ピグマリオン効果」といいます。これは、60年代、米国の教育心理学者ローゼンタールが説いた説です。
期待を込めれば人は伸びる「ピグマリオン効果」

このような効果が起こる理由として、ローゼンタールは、人は常に相手の期待に対し最も敏感に反応するから、と説明しています。
ピグマリオン効果

▼どのような実験を行ったかというと…

まず、小学生に普通の知能テストをさせ、その結果を担任の教師にこのように報告しました。
「このテストは将来の学力の伸びが確実 に予測できるものです。まだ研究中なので結果を教えることはできませんが、先生にだけ、将来伸びる子の名前を教えましょう。」
しかし、そこで教えられた数 人の生徒は知能テストの成績に関係なく、ランダムに選ばれた子でした。それから1年ほどしたあとで、再び知能テストをしたところ、名前をあげられた子は、 そうでない子に比べて明らかに成績が上がっていました
ピグマリオン効果

教師の期待のまなざしを子どもは感じ取ったと考えられています

▼名前の由来となったピグマリオンとは

ピグマリオンは、ギリシャ神話の登場人物、キプロスの王の名です。ピグマリオンは、自分で創作した彫像の女性を愛してしまい、妻にしたいと熱心に願っていました。すると、その熱心さを見た愛と美の女神アフロディテが、人形を本物の女性に変え、王の夢を実現させてくれたという寓話があります。
期待を込めれば人は伸びる「ピグマリオン効果」

ピグマリオンと妻ガラテア

怒ったり、けなして伸ばすのは間違い?

反対に、期待されないで「お前はダメだ」と言われ続けていると、その言葉通りに成績が下がったり、能力が落ちてしまうことがあります。これを「ゴーレム効果」と呼びます。
期待を込めれば人は伸びる「ピグマリオン効果」

ゴーレムとは、ユダヤの言い伝えに出てくる泥人形の怪物の名です。呪文によって動くゴーレムは、主人の意のままに操られ、何でもこなすことができるのですが、額の護符の文字を一つ消されただけでただの粘土に戻ってしまいます。「ゴーレム効果」は、この寓話を比喩的に使った心理学用語です。
期待を込めれば人は伸びる「ピグマリオン効果」

あまりにほめすぎて甘やかしてしまうのもよくないことですが、ことさらに相手をけなすのもよくないでしょう。

現代の若者はみな自分に不安を持っている

本来、自己が確立していない子どもや若者は、みな自分に自信がなく、不安なのです。だからこそ、親や指導者から「あなたには必ずいいところがあるよ」「ここを伸ばせば必ずうまくいくよ」、こうした言葉をかけられ、信じてもらうことで、自分の可能性を信じ、自分を伸ばしていくことができるのです。
期待を込めれば人は伸びる「ピグマリオン効果」

《ビジネスへの応用》

ハーバード大学のリビングストン博士は「ピグマリオン効果は企業の人材マネジメントにも役立つ」とし、「ピグマリオン・マネジメント」を提唱しました
新人教育に生かしたい「ピグマリオン効果」とは?|廣済堂 人材サービスインフォメーション

研究結果がこちら↓

①マネージャーが部下に何を期待し、どう扱うかによって、部下の業績と将来の昇進はほとんど決まってしまう。
②優れたマネージャーは、「業績をあげ、目標を達成できる」という期待感を部下に抱かせる能力をもつ。
③無能なマネージャーは部下に②のような期待感を与えることができず、部下の生産性も上昇しない。
④部下は自分に期待されていることしかやろうとしない傾向が強い。
新人教育に生かしたい「ピグマリオン効果」とは?|廣済堂 人材サービスインフォメーション

新入社員にこそ、できる上司をつけるべき

この人にならついて行きたいと思わせること

人は誰でもほめられれば気持ちが良いものです。「お前にならできる」と期待の言葉をかけられればいっそう奮起し、実力以上の結果を出すこともできるでしょう。逆に、「お前にはできない」と最初から自分が期待されてないことを知ったならば、やる気も失せ、努力を怠り、ストレスを感じてしまいます。

部下のモチベーションを上げるのも上司の言葉次第。過度な期待はプレッシャーをかけてしまうので禁物ですが、あたたかい言葉をかけてやり、いい環境で仕事をさせてやることが人材育成の手助けとなってゆくはずです。

https://matome.naver.jp/odai/2137215006982300801
2013年06月25日