【悲報!】パンテーン、ブーム作り失敗か?国際毛髪科学研究会「水が髪に与えるダメージは微少」

seni_seviyorum

パンテーンの新CM、最新の敵は「水」

P&Gのシャンプーブランド「パンテーン」から、新しい商品が紹介されています。
今度のテーマは「水は美髪の敵」。
なんでも、「実は水道水には銅イオンが含まれてて、それが髪に悪くって、でもパンテーンを使ったら銅イオンから髪を守ってあげる…!」という趣旨のCMを流しているようです。

CMの反響

大森ダイヤモンド@Ohmoridiamond

パンテーンのCMの「え?水だったんですか?」って言った時の夏帆に衝撃を受け、シャンプーはパンテーンを使っております。

4月3日新発売のパンテーン!!CMの「水だったんだ~」の言葉がず~っと気になっていて「世界発」の文字につられマツキヨでお得なトリートメント付のセットをダメージケアと両方現品買いしました。
パンテーン / パンテーンプロブイ シルキースムースケア シャンプー/コンディショナーの口コミ(by bobbyのママさん) −@cosme(アットコスメ)−

今までエクストラダメージケアの方しか使ったことがなかったのですが、こちらも気になっていたので購入。
水からのダメージを守ってくれるというのは今までなかったので新鮮です!水がダメージの原因になるなんて知りませんでした…。
パンテーン / パンテーンプロブイ シルキースムースケア シャンプー/コンディショナーの口コミ(by モウフー☆゚*さん) −@cosme(アットコスメ)−

ほどほど反響はあったようです。
しかし、「銅イオンから髪を守ろう」は長続きはしないかも…

国際毛髪科学研究会会長の見解

「水はダメージの主要因にはならない」 — 専門家に聞く、意外と知らない毛髪ダメージの要因と対策 – インターネットコム
左画像は国際毛髪科学研究会会長、井上哲夫氏。

【国際毛髪科学研究会とは?】

以下はサーチナの記事より引用:
国際毛髪科学研究会は、スヴェンソン社の支援を受けて1994年に設立しました。毛髪理論の紹介や、実践に根ざした知識を普及する活動をしています。設立当初は、髪の専門家である理容師・美容師の方々への啓蒙活動に力をいれていたのですが、今では、大手の病院から依頼を受け、抗がん剤使用による脱毛対策や、ストレス性の円形脱毛症に悩む患者さんに対する講演などが増えています。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0524&f=national_0524_016.shtml

会長の見解まとめ:

1.水中の金属イオンが付着することで、髪を傷める・感触が悪くなることはある。
ただ、他の金属イオンでも起こりうる現象なので、銅イオンだけに特別注目するのは不自然。
また、そもそも水道水の銅イオンは極めて低い濃度に抑えられている。

2.商品の特徴を強調するため、珍しさを押し出した話題づくりであろう。

”銅イオンも(濃度が極めて高ければ)髪のたんぱく質を傷めることはあります。ただし、実際に水に含まれているのは、ごく微量です。しかも水道水には基準があり、銅イオン濃度は極めて低く抑えられています。要するに、水道水に含まれている銅イオンだけをことさら気にしても意味がないのです。シャンプーメーカーは、商品の特徴を強調するために、ノンシリコンシャンプーや炭酸シャンプーなど、様々な目先の変わった商品を出すものです。そのような製品情報に振り回されるのは、賢いとはいえません。”
出典
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0524&f=national_0524_016.shtml

”こうした物質が髪に付着することにより、髪の感触が悪くなるというのは事実としてあります。ただしこれは銅に限った話ではなく、カルシウムやマグネシウムでも同様の現象が見られます。他の金属と比べて特異的に銅だけがクローズアップされるのは不自然ですね。

ちなみに、これはミネラルなどが多く含まれるヨーロッパなどの水(硬水)でも見られる現象です”
”他の“髪のダメージ原因”もそうですが、流行によって提唱されるものが多いですね。「水の中の金属成分」が毛髪に直接的なダメージを与えるという化粧品工業会や化粧品学会での発表や論文は見つけられなかったので、“話題作り”という側面が大きいかもしれません。”
http://getnews.jp/archives/339253

別のシャンプーブランドの見解:LUX公式サイト

ユニリーバが出しているシャンプーブランド「LUX」、真っ向からパンテーンに喧嘩を売るような記述を含むページを作成。

では、水に含まれている金属イオン(ミネラル)が髪に蓄積した時の影響は?

・日本の水道中の金属イオンは量が規制されています。
・普通の生活では、カルシウムやマグネシウムといった水の硬度に関係するもの以外の金属イオン(例えば、鉄イオンや銅イオン)の髪への吸着量は非常に小さいと推測されます。
日々の髪のダメージについて|@LUX

化粧品メーカー勤務の方の見解

こちらは薬学部卒、化粧品メーカー勤務の方のはてなブログより。
ものすごく詳しくCMやP&Gの研究の論拠を分析し、わかりやすく解説してくださっています。

詳しい論文の内容はお金を払わないと見れないみたいですが、ここで重要なのは「髪が傷んでいる人ほど、髪の金属量も多い」ということでしょう。

ですが、この事実だけでは「金属が多いから髪が傷む」のか、「髪が傷んでいるから金属が入り込んでしまう」のか、判断できないことに注意する必要があります。

パンテーンの説明としては、銅イオンにより髪のタンパク質が壊れるということになっていますが、そこまではこの論文に書かれていなさそうです。
「銅イオンで髪にダメージ」は本当?(その2) – @nittan_375 on Twitter

2ページ目に、銅イオンによる髪表面の変化の電子顕微鏡写真があります。銅イオンを1ppm含ませた水と、全く含まない水で洗髪した髪。

「・・・1ppmって水道水と比べてどれほどのもんなの?」と思い、水質調査の結果をネットで公開している水道局を探してみると、今治市水道部さんが公開していました。

見てみると、銅イオンの測定値は「0.05mg/L以下」となっています。(水に溶けている場合は、ppm=mg/Lと考えてOK)

ということは、水道水中の銅イオン濃度が多く見積もって0.05mg/Lだったとしても、実験では水道水の20倍の銅イオンを含む水で洗髪していたことになります。う~ん。。
「銅イオンで髪にダメージ」は本当?(その1) – @nittan_375 on Twitter

補記:「世界初」とは言っていますが、「すごくちっちゃい但し書き」を読んでみましょう

CM内で、「世界初」の文字が堂々と表示されるシーンで、画面右下に小さな白い文字で表示されている但し書きをよく読んでみましょう。
上の動画だと、0:10~0:12、0:28~0:29というごく短い間です。

”※世界で販売しているパンテーン製品で初。”

「世界初」とありますが、決して「世界中のシャンプー業界で初めて」という意味ではなく、「パンテーン製品では世界初」、すなわち「当ブランド初」程度の意味のようです。

CMで同じ位置に表示される別のメッセージ「※水の中の銅イオンは身体には良いが、髪にはダメージを与える。」が4秒ほど表示されているのに対して、上の但し書きは一回の表示時間があまりにも短いですね。

これはせこい…。

おばら@ob_nican

パンテーンのCM、髪のダメージの原因はドライヤーの熱から始まって静電気、ついには水に含まれる銅イオンときた。これはオーディオ厨の言う電圧変動、黒点、ケーブルの材質みたいなもんか

いばら@ibaranoumi

パンテーンのCMがダメージ原因は『空気』って言い始めるのを待ってる

jojo@bananaxfish

銅イオンで髪にダメージと言ってるCMもといP&Gの論文に、プロの化学屋はどう正しく評価するんかな。素人考え髪に含まれる金属量とダメージの相関とかいまさら感しか…実際は、名前と香料と油だけ変えて、あとは適当な理由とブランドで売れるんやろな1.usa.gov/11puDD9
例の銅イオンが髪にダメージを与えるとかいうのが気になって論文調べてみた。こういうジャーナルがあるとは笑( ̄▽ ̄)
まあ結論はこの商品コンセプトはアホじゃね?って感じですね。 onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.…

ネットのない時代ならいざしらず、そう簡単に消費者も騙されてはくれない時代です。
あんまりあやしげなCMを流してると、かえって企業のイメージダウンを引き起こしそうですね。

P&Gの別の商品CMについてのまとめ
『レノアの新しいCM「韓国行ったら服が臭くなったけど大丈夫」がいろいろと話題』
https://matome.eternalcollegest.com/post-2133197718554220501

https://matome.naver.jp/odai/2137199367346049701
2013年06月24日