明治32年の自転車乗り方本が「まるで乗れる気がしない」と話題に

MonohaStar
明治の「自転車乗り方本」がすごい

明治の「自転車乗り方本」がすごい

この図版が掲載されているのは、明治32年(1899年)に出版された「自転車乗用速成術:一日一時間三日三時間」という本


https://matome.naver.jp/odai/2137142138513355801/2137142801214028003
表紙
村松武一郎 著
内外商事週報社
60ページ

https://matome.naver.jp/odai/2137142138513355801/2137142801214027903
目次
「一日一時間三日三時間」という不思議なサブタイトルは、1日1時間の練習を3日行うだけで、3時間で自転車に乗れるようになりますよ、ということのようです。

上級者向けの乗り方が紹介されているのは「自転車遊戯法」の章

近頃米国チカゴ市に於て流行せる自転車曲乗の図十四番を左に掲ぐ
近代デジタルライブラリー – 自転車乗用速成術 : 一日一時間三日三時間

不思議なイラストは当時のシカゴで流行していた曲乗りを紹介した図だったんですね。


https://matome.naver.jp/odai/2137142138513355801/2137142801214027103

せっかくなので十四図をすべて紹介。


https://matome.naver.jp/odai/2137142138513355801/2137142801214027203

https://matome.naver.jp/odai/2137142138513355801/2137142801214027303

https://matome.naver.jp/odai/2137142138513355801/2137142801214027403

https://matome.naver.jp/odai/2137142138513355801/2137142801214027503

https://matome.naver.jp/odai/2137142138513355801/2137142801214027603

https://matome.naver.jp/odai/2137142138513355801/2137142801214027703

こちらの挿絵は自転車の乗り方を練習しているところだったようです


https://matome.naver.jp/odai/2137142138513355801/2137142801214028103

まず第一図の如く左足を楷(ふみかけ)にかけ右の足を以て地を踏み、地を踏むと同時に地を蹴りて徐々自転車を先方へ廻転せしむ可し、廻転を屡(しばし)ば為す内には其進行の勢にて右足の地を踏むこと少なきに至る可し
近代デジタルライブラリー – 自転車乗用速成術 : 一日一時間三日三時間

「三日三時間」の1日目に行う練習。地面を足で蹴って勢いをつけるコツをつかんだら、2日目の勢いをつけたあとサドルに座ってペダルをこぐ練習に進みます。最終日の3日目は往来に出ての路上教習です。

この乗り方は、ペニー・ファージング(前輪が大きい自転車)時代の名残り?

明治32年の自転車のお値段

当時、石川商会(丸石自転車の前身)が扱っていたアメリカのピアス号が195円、ス子ル号優等車が125円の中で、ラ-ヂ1号はフリー式(ペダルを逆回転させると空回りする機構)が280円、コースター式(ペダルを逆回転させるとブレーキがかかる機構)が300円という価格
富士覇王号の歴史

明治32年の1円は現在のお金で約2万円にあたるそうなので、自転車は250~600万円くらいもする高級品だったんですね。

関連リンク

「自転車乗用速成術」は国会図書館の近代デジタルライブラリーで閲覧できます。

「自転車遊戯法」が書かれたのと同じ1890年代頃のアメリカを舞台にした映画「明日に向って撃て!」の中には、主人公が自転車の曲乗りをするシーンが出てきます。[1:30~から]

江戸・明治時代の自転車関係の資料一覧。

https://matome.naver.jp/odai/2137142138513355801
2013年06月17日