茂木健一郎さん 連続ツイート962回「国が、決めることじゃないから」

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【毎朝お届け】茂木健一郎の連続ツイート
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◆ ◆ 連続ツイート ◆ ◆

連続ツイート962回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、今朝のニュースに接して。

茂木健一郎@kenichiromogi

くき(1)日経が、大学入試センター試験を廃止して、複数回のテストの導入を検討していると報じた。nikkei.com/article/DGXNAS… まず、現行の大学入試のあり方に問題があることを関係者が認識していること自体は、良いことだと考える。

茂木健一郎@kenichiromogi

くき(2)その上で、センター試験を廃止して、複数回のテスト(アメリカのSAT型、あるいは、イギリスのA levelやO level型?)を導入するだけでは、大学入試は根本的には変わらないと考える。依然として二次試験を課したり、複数校の併願ができない状態では、本質は変わらない。

茂木健一郎@kenichiromogi

くき(3)実は、大学入試に関する一連の報道には、前提になっているマインドセットがある。それは、国(文科省)が率先して、大学入試のあり方を一律に決めていくという発想。私は、日本の高等教育の改革のためには、このマインドセット自体を変えることが必要だと考えている。

茂木健一郎@kenichiromogi

くき(4)しばらく前にも、大学入試にTOEFLを義務づけるという構想が報道された。しかし、それぞれの大学がどのような試験で英語力を見るかということは、本来各大学の自主性に任せられるべきことであって、国が号令をかけて「義務づける」ような性格のことではないと思う。

茂木健一郎@kenichiromogi

くき(5)センター試験は5年後をめどに廃止するという日経報道。では、それまでの受験生はどうなるか? 本来、来年度の入試から、センター試験は使わない、という大学が出てもいいわけで、そのことで、初めて多様性が生じ、実質的な競争も始まるのではないか。

茂木健一郎@kenichiromogi

くき(6)先日ハワイ大学のカレッジの一つに行ったときに、日本からの留学生が、「英検の取得級でも願書を出せる」と言っていた。へえ、面白いな、と思ったが、本来、英語力を見る方法は多様であり、各大学が工夫して競えば良いだけの話である。一律にTOEFLを義務づけるのは競争原理が働かない。

茂木健一郎@kenichiromogi

くき(7)もともと、日本の教育には、競争原理が働きにくい。文科省が「検定教科書」や「教育指導要領」で標準化を図っている。それは一時期には一定の成果を上げたのかもしれないが、今の時代に必要なのは、多様性、自律性、そして競争であろう。そのスタートは、来年度からでもできる。

茂木健一郎@kenichiromogi

くき(8)入試を多様にするということは、偏差値支配からの開放をも意味する。それぞれの入試の基準がばらばらになってしまったら、一律のスコア、一律の偏差値で大学を序列化することもできなくなってしまう。そこから、真の意味での競争が始まる。偏差値競争は、意味のないあだ花に過ぎぬ。

茂木健一郎@kenichiromogi

くき(9)日経の、「センター試験廃止へ 文科省、複数回の新テスト検討」という見出しは、報道機関としては過不足のない表現だが、その背景にある「国が決める」というマインドセットこそが、問題の本質だと感じた。本当のニュースは深層に隠れており、私たちを不自由にしているものは別にある。

茂木健一郎@kenichiromogi

以上、連続ツイート962回「国が、決めることじゃないから」でした。

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2013年06月06日