1年ほど前のことだ、フジ・メディア・ホールディングスが、保有するグループ会社の産業経済新聞社の株式売却を、牛丼チェーンのすき家を展開するゼンショーホールディングスに持ちかけた。フジ関係者への取材で明らかになった。
高まるメディア不信 報道スタンス全網羅 | 特集 Part1 | 週刊ダイヤモンド
しかも、振られていた…。
結局、ゼンショー側が首を縦に振らなかったため、売却話は立ち消えになったが、実現していれば、民放キー局と全国紙が系列関係にある日本のメディア業界の慣例が壊れる一大事件になっていたかもしれない。1年前の話とはいえ、フジ側にその意志があること自体がニュースといえた。
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産経「好きや!」 すき家「NO」
この話はこれまで報道されていないため、知っている人はほとんどいないはずだ。しかし、フジ関係者によると、実は全国紙記者がこの情報をより正確に把握していたという。
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すき家新聞、吉野家新聞、松屋新聞の三強時代?
ただ、彼らがそれを報道することはない。というのも客観報道を旨とする大手メディアはこうした売却や合併話について、実現することが決まらない限り、ストレートニュースとして報じることはない。同業という身内意識もあったかもしれないが正確性を担保するためでもあり、報じなかったこと自体は悪いことではない。
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明日は我が身、の身内意識。
iPhoneがどこぞのキャリアから出るのなんのと、飛ばし記事はバンバン出すのに、報じないのは悪いことではない、は通らないのでは。
根本には当然、メディア不信。
その背景には、続出する誤報など質の劣化や、過剰に保護されたメディア企業自体の既得権益化もあるだろう。
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そんなことは火を見るより明らか。
そもそも、ジャーナリズムという概念の希薄な日本メディア。
冤罪を量産しても、一向に反省することなく、下劣な情報ばかり垂れ流すメディアに、不信感というよりも無視する傾向が高まる。