今回は「リーク」ではない。
FRANCE 24@FRANCE24
The website has collated a variety of records including cables, intelligence reports and congressional correspondence and is releasing them in a searchable form.
WikiLeaks to release more US diplomatic records – FRANCE 24
公電、インテリジェンス報告書、議会での文書など多種多様な記録文書を集め、検索可能な形で一般公開。
kade ellis@onekade
The new records, dating from the beginning of 1973 to the end of 1976, have not been leaked and are available to view at the US national archives. They include many communications which were sent by or to then US secretary of state Henry Kissinger.
Many of the documents, which WikiLeaks has called the Public Library of US Diplomacy (PlusD), are marked NODIS (no distribution) or Eyes Only, while others were originally marked as secret.
Sky News: WikiLeaks to release more US documents
今回新たに公開された記録は、1973年初めから76年終わりにかけてのもので、リークされたものではなく、米国立公文書館で閲覧可能なものである。これらの文書の中には、当時のヘンリー・キッシンジャー国務長官によって、また同国務長官宛てに送られた通信文書が多数含まれている。
文書の多くはNODIS (no distribution: 配布不可) もしくは Eyes Only (閲覧のみ、写し不可) とマークされている。また、元々は機密指定されていたものもある。
ウィキリークスからのお知らせ
WikiLeaks@wikileaks
今回新たに大量リリースされたのは、1973年初めから76年終わりにかけての米外交文書。
キッシンジャー=ヘンリー・キッシンジャー。説明不要かもしれませんが……
– ヘンリー・キッシンジャーとは
1923年、ワイマール共和国時代のドイツに生まれたヘンリー・キッシンジャーの家族は、アドルフ・ヒトラーが政権を掌握すると米国に移住した。
ドイツ語の能力があったヘンリーは第二次大戦で欧州戦線で従軍、終戦後もドイツの戦犯の処遇にあたり、1946年に復員、ハーバード大学へ(政治学)。ウィーン体制に関する論文で博士号取得。
博士号取得後、ハーヴァード大で教えていたときにCFR (Council on Foreign Relations: 外交問題評議会) に参加、「米国の外交政策についての提言」を(政権外部から)行うようになる。
1968年大統領選挙の共和党予備選の際に候補者のブレーンをつとめ、その候補者が破れると共和党のリチャード・ニクソン陣営にスカウトされて大統領選を戦う。そしてニクソンの当選と政権の成立とともに、国家安全保障担当補佐官 (National Security Advisor) となり、政権の中枢へ。
1974年、ウォーターゲート事件でニクソンが大統領を辞し、副大統領のジェラルド・フォードが大統領に昇格すると、キッシンジャーは国務長官となり、1977年まで同職をつとめた。
このころの外交政策は、controversialなどという表現ではぬるくてぬるくて何もカバーできないほどだが、詳細は米外交研究書なども多く出ているのでそちらをご参照いただきたい。
現在は「現代外交の生き字引的存在」として多くの著書を持つほか、世界各国で講演活動を行っている。また、ニクソン以降のアメリカの歴代大統領をはじめとする世界各国の指導層と親交を持っており、国務長官退任から30年以上たった現在でもその国際的影響力は「最大級」と評価されている。
最近では、ジョージ・W・ブッシュ政権において指南役として活躍した。ブッシュはキッシンジャーとは定期的に会談の機会を設けており、政権外で最も信頼する外交アドバイザーであった。
ヘンリー・キッシンジャー – Wikipedia
……というわけで、若い人は知らないかもしれないと思いますが、1970年代以降のアメリカの外交や国際政治についてほんの少しでも調べたことがある人なら、「この人の名前を知らない人はいない」ような人です。
WikiLeaks@wikileaks
これはまた、並はずれてえぐい発言ですね。いくらキッシンジャーでも……
「単に違法なことなら、即座にやりますが。憲法違反となると、即座にというわけにはいかないんですな」
文脈は……場の緊張をときほぐすことを狙ったジョークか。
Macomber: That is illegal.
Kissinger: Before the Freedom of Information Act, I used to say at meetings, “The illegal we do immediately; the unconstitutional takes a little longer.” [laughter] But since the Freedom of Information Act, I’m afraid to say things like that. We’ll make a major effort.
Cable: P860114-1573_MC_b
AID CUT-OFF:CYPRUS
Date: 1975 March 10, 00:00 (Monday)
Original Classification: SECRET
Current Classification: UNCLASSIFIED
※キプロス紛争なので英国方面掘らないとトピック的には……ですが。英国では「30年ルール」で開示されているはずです(が、それでも特別に機密指定のままのものもあります)。
– 今回の「メガリーク」の特設サイトの内容
WikiLeaks@wikileaks
WikiLeaks@wikileaks
「キッシンジャー・ケーブル」の対象時期(1973~76年)の日本は、掘り甲斐がありそうですな。
文字の見やすい大きいサイズ:
http://www.wikileaks.org/plusd/images/g/180x120mm_SEAsia_print.jpg
欧州。
若い人は知らないことも多いのでしょうが、今も一般にWestern (日本語では「欧米」)という場合はこの地図で白い範囲(と北米)で、グレイの範囲(ワルシャワ条約機構側、つまりソ連の陣営)は、前提として、入りません。
北アイルランド紛争があるし、ソ連の諜報機関とのあれこれもあって、ダブリンの重要度が上がってた時期っすね。ロンドンは「ロンドグラード」呼ばわりされてたw
アフリカ。
南アフリカはアパルトヘイト政策の時代だし、アフリカ諸国ではクーデターが相次いでいた。個人的に目を奪われるのは、リビア発の公電の少なさと、エジプト初の公電の多さ(70年代……ううむ)。
アルジェリアは、画面が切れちゃってて見えないですね。センスないなあ…。
で、このインフォグラフィックス、一番見たい地域のがないんですよ。中南米。
WikiLeaks@wikileaks

https://matome.naver.jp/odai/2136540957480164001/2136542516648175403

https://matome.naver.jp/odai/2136540957480164001/2136542536748243603
国の上でクリックするとズームする。それぞれの円の大きさが件数の多さを示す。
このキャプチャーでは英国で最大の円がロンドン、その中にあるのはバーミンガムとクライストチャーチ(なぜだろう)。円の外の西イングランドはプリマス。スコットランドにある円はグラスゴーとアーヴァインだ。

https://matome.naver.jp/odai/2136540957480164001/2136542561448315703
ここで「都市の上でクリックすると詳細を表示します」とあるのでそうするが、ううむ。
左からにょきっと別窓が出てきて、「この年、英国であった出来事」として、ウィキペディアの項目が表示される。
これ、かなり面倒なことをしているのではと思うけれど、正直、欲しい情報とは関係ないのでは。。。

https://matome.naver.jp/odai/2136540957480164001/2136542582548389103
WikiLeaks@wikileaks

https://matome.naver.jp/odai/2136540957480164001/2136542437147921503
デフォルトでこのように、NixonとWatergateが入力された状態なので、それぞれのキーワードの右端の×をクリックしてこれらのワードを消して、自分で調べたいものを入れる。

https://matome.naver.jp/odai/2136540957480164001/2136542455047981703

https://matome.naver.jp/odai/2136540957480164001/2136542471748032503
その隣に、IRAのアイルランド語組織名である oglaigh na heireann と入れてEnterキー。
……oglaigh na heireann は使われていないことを確認。(ちなみに、略称のONHでも同じく0件であることを確認した。)

https://matome.naver.jp/odai/2136540957480164001/2136542491048103003
(この色が出てくるのは偶然なのだが、しかしすごいな…… ^^;)
一方で、今度はUVFと入力してEnterを押してみると、1973年11月9日にIRAが12件、UVFが8件あることが確認できる。
WikiLeaks@wikileaks

https://matome.naver.jp/odai/2136540957480164001/2136542635448538203
WikiLeaks@wikileaks
WikiLeaks@wikileaks
WikiLeaks@wikileaks
WikiLeaks@wikileaks
WikiLeaks@wikileaks
Wikileaks以外のアカウントから
Kevin Gosztola@kgosztola
Boing Boing@BoingBoing
Blake Hounshell@blakehounshell
ここでちょっくら、個別文書などの検索例
nofrills@nofrills

https://matome.naver.jp/odai/2136540957480164001/2136542312247480303

https://matome.naver.jp/odai/2136540957480164001/2136542352947574603
1973年3月26日付。72年にOfficialsが停戦して、Provosも一時停戦(→アダムズ、マクギネスら若い世代も同席しての英政府との極秘会談)をしていたがそれが続かず……という状況の中での生々しい文書。
などというオタク話はいいので、形式の件。
青く表示されているタブの一番右に、Raw sourceというのがある。これをクリックすると……

https://matome.naver.jp/odai/2136540957480164001/2136542377547740603
……こういう生々しい「文書」( https://matome.eternalcollegest.com/post-2135668385934619201 ) が表示されるとワクテカしたあなた!
残念でした!
どうやらWLのPlusDでいうRaw sourceというのは、最初から電子化されたもののようです。
nofrills@nofrills
Date: 1973 November 15, 12:41 (Thursday)
Original Classification: LIMITED OFFICIAL USE
Current Classification: UNCLASSIFIED
nofrills@nofrills
WikiLeaks@wikileaks
WikiLeaks@wikileaks
WikiLeaks@wikileaks
WikiLeaks@wikileaks
WikiLeaks@wikileaks
Mikko Hypponen@mikko
#1973STATE117949
#blackbird
nofrills@nofrills
UNCLASSIFIED” なので情報としては新しくないのだろうが、おもしろい(興味深い)>Cable: 1973STATE117949_b wikileaks.org/plusd/cables/1…
ところでちょっと調べものした。
WikiLeaks@wikileaks
nofrills@nofrills
nofrills@nofrills
nofrills@nofrills
nofrills@nofrills
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報道の記事リンク
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「キッシンジャー・ケーブルズ」で確認できること、各論
– キプロス紛争
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– ブラジル(軍事独裁政権)
WikiLeaks@wikileaks
– オーストラリア
WikiLeaks@wikileaks
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– 東ティモール、インドネシア
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htt …
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– チリの軍政とヴァチカン
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– インド
WikiLeaks@wikileaks
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で、なぜこれで、ジュリアン・アサンジがヒーローになるの?
Wikileaksの活動において、ヒーローは、元のリークをした人でしょう? そもそもこれ、Cablegateとは違って元から現時点で機密のものというわけでもないようだし、「リーク」なのかどうかという点でもNoであり、……。
単に「検索しやすく、見やすく、活用できる形」をつけるというだけでも膨大な労力がかかるにせよ、それは編集者の仕事。それともアサンジは「編集の仕事もできる」ことをアピールしたいのかな。
ウィキリークスのアカウントがドヤ顔で流しているような情報は、さほどおもしろくないかもしれない(それぞれの国の内政は激震かもしれないが)。
しかし、「見る人が見れば……」である。これが「宝の山」であることは変わりない。誰も見ないような国立公文書館のどこかにあったのを引き出した意義はある。
kurdish blogger@kurdishblogger
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#Wikileaks
日本時間の8日午前10時にリリース。「ウィキリークス・パブリック・ライブラリー・オブ・US・ディプロマシー」(米外交公共ウィキリークス文書館)。中身は「キッシンジャー・ケーブルズ」と銘打たれた200万点の文書。
(170万点って聞いてますが……)
「プラスD」というハッシュタグは、Public Library of US Diplomacyのこと。(このツイートでは語順が間違ってLibrary of US Public Diplomacyとなってますけど)