茂木健一郎さん 連続ツイート第878回「アメリカだけが、特別なんだよね」

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★ 連続ツイート ★

滞在中のカリフォルニア州ロングビーチから、連続ツイート第878回をお送りします。文章は、その場で即興で書いています。今、現地時間は午前6時31分です。本日は、観察結果系、そうだね系ツイート。

茂木健一郎@kenichiromogi

あと(1)というわけで、TEDも今日でおしまい。私は朝空港に向かって日本に帰ります。私にしては珍しく手元で何もしないでずっと聞いていた。じっと座って黙って人の話を聞くということができない私がなぜそんなことができたのかと言えば、やはり内容が厳選されていて、密度が濃かったからだろう。

茂木健一郎@kenichiromogi

あと(2)「一人学級崩壊」の茂木健一郎を黙って座らせて聞き入らせる。それが、TEDなのであるが、そんな風にじっくりと聞いている中で、つくづく思ったのは、これはアメリカ文化を背景にした会議なのだな、ということ。一番の拍手をもらう人は、自分の身体を張って、何かをやった人。

茂木健一郎@kenichiromogi

あと(3)社会の中に、何種類かの人間がいたとしよう。自分で何かの行動をする人。行動すべきと思う人。受け止める人。批評する人。腐す人。このスペクトラムの中で、アメリカはもともと前者の方に偏っており、日本は、どちらかというと後者の方に偏っている。TEDで称賛されるのは前者。

茂木健一郎@kenichiromogi

あと(4)じゃあ、日本だけが自分では行動しないで、批評したり腐す人が多いのかと言うと、そうではないようだ。たとえば、イギリスでは、批評的スタンスというのが市民権を得ている。だから、あの国はなかなか変わらない。一方で、その批評的スタンスの背後に知性があるから、一応成立はする。

茂木健一郎@kenichiromogi

あと(5)TEDのステージには、さまざまな国の人が上がる。今回は、アフリカや、アジアの人が多かった。その話を聞いていると、英語のうまい下手は別として、世界に向き合う姿勢のようなものが、やはりアメリカ人とは異なることがわかる。行動だけでなく、自省や分析、体験の告白のようなもの。

茂木健一郎@kenichiromogi

あと(6)これは、私がアメリカに初めてきた約30年前くらいから基本的には変わっていないように思うけれども、とにかく行動してナンボであり、名の通った企業に勤めているよりも、小さくても「創業者」(founder)であることに価値を置く文化があるからこそ、TEDの熱がある。

茂木健一郎@kenichiromogi

あと(7)そのような意味では、よく日本がグローバリズムの波に乗り遅れているというけれども、文化的には、アメリカだけがちょっと変わっているのであって、世界には、日本の他にも、「やられている」国がたくさんあると思う。ネットのプラットフォームの生成においては、アメリカがほぼ独占である。

茂木健一郎@kenichiromogi

あと(8)一国の文化というのは、そう簡単に変わるわけではないから、当分アメリカにやられっぱなしだと思う。興味深いのは中国で、国の体制はあれだけれども、一人ひとりの表現の強度は、めざましいものがある。一方、その他の国も、アメリカ風のproactiveな文化を共有する人がちらほら。

茂木健一郎@kenichiromogi

あと(9)結局、日本の中にもいる、proactive な人たちと連携していく以外にないのかな、と思う。日本文化の多数が腐し系、批判系だとしても、それ自体は行動することの邪魔にはならない。自分でやる方が、面白いよね。TEDの唯一のメッセージは、そこにあるのかもしれない。

茂木健一郎@kenichiromogi

以上、連続ツイート第878回「アメリカだけが、特別なんだよね」でした。

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2013年03月02日