驚愕!興行収入58億円『テルマエ・ロマエ』の原作使用料が100万円

emo.tam
昨年映画化され58億円を超えるヒットとなったテルマエロマエ。漫画原作者のヤマザキマリ先生がテレビ番組でその原作使用料を公開しましたが・・・。海猿原作者の佐藤秀峰先生の過去のツイートとあわせてまとめています。

■ 本件に関する佐藤秀峰先生のツイートを2ページ目に追記しました。
■ 本件に関するヤマザキマリ先生のツイートを最後尾に追記しました。


https://matome.naver.jp/odai/2136162769072278901/2136163030872914803
TBS ジョブチューン ~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!

▼ で、放送された驚きの事実

漫画家・ヤマザキマリが『テルマエ・ロマエ』映画化の知られざる事実を暴露!
ジョブチューン 〜アノ職業のヒミツぶっちゃけます! | TBSテレビ

今のテレビ見たくなかった・・・テルマエ映画58億円興行収入の内、原作者がもらった額は100万円
知らないうちに出版社が100万円で権利売ってたって酷いな・・・
映画「テルマエ・ロマエ」
『俳優の阿部寛、上戸彩らが出演し、2012年4月28日に公開され興行収入59億8千万円を記録した映画『テルマエ・ロマエ』の続編となる『テルマエ・ロマエII』の製作が決定したことが30日、明らかになった。』

http://news.mynavi.jp/news/2013/01/30/119/

▼ 『映画がいくらヒットしても私自身は全然儲からなかった』

今、テレビ番組でテルマエロマエの作者さんが映画化までの流れを話してたんだけど、「原作使用料として100万円入金されるからよろしくね」っていきなり言われて終わっちゃったんだって。金額も勝手に決められてたんだって。そりゃ原作者の意向なんてまるまる無視のひどい実写化が横行するわけだ…

SlaveEngineer@SlaveEngineer

@karako @karako @julimitsui え、たったそれだけ?確か映画の著作権は原作者とは別なはず(興行収入の分け前にには預かれないと記憶)。本当ならひど過ぎ。
@SlaveEngineer 録画していたわけではないので、一字一句間違えずに書き出せているわけではないのですが、「映画がいくらヒットしても私自身は全然儲からなかった、映画の宣伝番組への出演などの、ただ働きばかりが増えて大変だった」というようなことを話されていましたよ。
しかも、その後の番宣の出演料とかも全然なしだって。原稿ですごく忙しい中、収録で丸一日拘束されるのに。それなのに周囲からは「映画大ヒットしたし超儲かってんでしょー!」みたいに言われて困ったって。よくぞぶっちゃけてくださいました。
ヤマザキマリさん、まとめると、興行収入58億円のテルマエロマエの映画の権利料は当初から勝手に決められてて100万円前後でそれしか原作者の手元には入ってこず、番宣であちこち連れまわされるのもノーギャラで、原稿料は1ページ2万円弱とのお話でした…

▼ 漫画の映画化における「原作使用料の安さ」は業界の慣習?

タケダケント@takedakent

「原作使用料が安いっ」てのは知ってたけど、具体的な金額はちょっとショッキングだったね。
こういう「こういう業界だし仕方ないな」っていう泣き寝入りしてくれる漫画家ほど業界はガンガン売ってくれるんだろうな・・・だって売れば売るほど会社が(検閲により削除)だからアニメ化映画化ドラマ化してくれるんだな

▼ それを裏付ける『海猿』原作者、佐藤先生の過去ツイート

映画化に関して、海猿の原作者・佐藤先生のツイートまとめ。以下原作使用料に関するツイートを一部抜粋します。

佐藤秀峰@shuhosato

僕は海猿の原作者だけど、映画の2作目が公開された時、もらったお金は250万円くらいだった。
70億ヒットとか言われても関係ない。
(今は交渉してしっかりもらってる)
漫画家はいい様に利用されていて、それでも映画化されると喜ばなきゃいけない。
なめられてると思う。
LIMIT OF LOVE 海猿(海猿シリーズ2作目)
『2006年5月6日に全国東宝系にて公開。日本国内の315スクリーンで封切られ、530万人を動員、興行収入71億円のヒットを記録し、2006年公開の邦画実写映画では興行収入第一位となった。』
wikipediaより

佐藤秀峰@shuhosato

一般論としてですが、漫画を原作に映像作品が作られた場合、原作者である漫画家に支払われる原作使用料の相場は以下の通りです。
1時間テレビドラマであれば、20~30万円、映画であれば100~200万円。
1クールドラマをやれば200~300万円です。
テルマエ・ロマエ映画化の100万円はまさにこの相場のとおりですね。

佐藤秀峰@shuhosato

視聴率や興行収入に応じて、成功報酬が支払われる例は少なく、1回原作使用料を受け取ってお終いというのがほとんどです。
後は、テレビでの再放送を何回まで認める、というような決まりがあるので、上限を超えて再放送が行われた場合などに、再度、原作使用料をもらえることがあります。

佐藤秀峰@shuhosato

その他にDVD化された場合などは、実売数を基準に、定価から数%のロイヤリティをもらえます。
これは原作使用料よりもらえることもあります。
海猿は当時、邦画で歴代1位のDVD販売数で、原作使用料の数倍のお金をもらいましたが、他の原作者はそれ以下の収入だろうと思います。

佐藤秀峰@shuhosato

今、述べてきたことは一般論で、交渉次第では成功報酬を受け取ることもできますし、漫画家はエージェントを自前で探した方が良いのではないかと思っています。

佐藤秀峰@shuhosato

これも実例で言うと、僕の場合、出版社に交渉を頼まず、代理人に交渉をお願いした結果、映像化の報酬は数十倍に上がりました。
なので、僕自身は現状に不満はありませんが、それまではそのお金は誰の懐に入っていたんだろう?と思います。
『出版社に交渉を頼まず、代理人に交渉をお願いした結果、映像化の報酬は数十倍に上がりました』の部分について、関連記事より抜粋補足↓。

「それは『海猿』の映画2作目までです。邦画ナンバーワンで70億のヒットと言われても原作者の僕には200万円ちょっと。どんなに興行収入が上がっても固定。“それはおかしいだろう”と思ったので、契約を小学館(海猿は同社のヤングサンデーで連載)に任せず自分で交渉しました。と言っても、行政書士さんに頼んで契約書の文面を作ってもらったり、数字の調整をしてもらったりしてですね」
【漫画家のリアルな経済事情】映画は70億円超ヒット! 『海猿』の原作者にはいくら入るのか、佐藤秀峰本人に聞いた(4/5) – ウレぴあ総研

それで原作使用料はどこまでアップしたのだろうか。「2作目のヒットや色々な要因があったとは思いますが、結果として映画の3作目からは10倍以上にアップしました。桁が一つ上がったんです」
【漫画家のリアルな経済事情】映画は70億円超ヒット! 『海猿』の原作者にはいくら入るのか、佐藤秀峰本人に聞いた(4/5) – ウレぴあ総研

「以前は映画で『海猿』のグッズなどが作られても、まったく僕には権利料が入ってこなかったんですよ。それも交渉してお金が入ってくるようになりました」
【漫画家のリアルな経済事情】映画は70億円超ヒット! 『海猿』の原作者にはいくら入るのか、佐藤秀峰本人に聞いた(4/5) – ウレぴあ総研

「作家さんは出版社より立場が弱いですから、十分な権利料がもらえなくても『その代わり本をいっぱい売るから!』と言われたら、なかなかそれ以上の主張ができないんです。でも、言ったら変わりますね。言わなきゃ変わらないってだけです。“作家が黙ってるからそのまま黙ってやっちゃおう”で済ましてしまう部分が、出版社にはありますね」
【漫画家のリアルな経済事情】映画は70億円超ヒット! 『海猿』の原作者にはいくら入るのか、佐藤秀峰本人に聞いた(4/5) – ウレぴあ総研

▼ 【追記】 本件に関する佐藤秀峰先生のツイート

『次回作から交渉するのが得策かと思います。』

佐藤秀峰@shuhosato

驚愕!興行収入58億円『テルマエ・ロマエ』の原作使用料が100万円 – NAVER まとめ matome.naver.jp/odai/213616276…
 このまとめに僕の名前が出てくるせいか、昔の発言がやたらRTされていて何となく恥ずかしい…。

松永豊和@bakuneTM

@shuhosato 秀峰さんの行動や発言は漫画業界にとって革命であり救世だったから、それを常識化させるためにどんどん引用されるべきだと思う。ヤマザキマリさんは気の毒だったと思う。今からでもなんとかできないのかな?

佐藤秀峰@shuhosato

@bakuneTM 恐縮です。。契約書にはんこを押してしまったのであれば今からひっくり返すのは難しいでしょうから、次回作から交渉するのが得策かと思います。弁護士じゃなくとも行政書士に入っていただくだけで、かなり交渉しやすくなると思います。

『作家さんはちょっとだけ勇気を出していろんな所と交渉して、納得のいく契約を結んだほうがいい』

以下、佐藤先生がリツイートした「弁護士の小倉秀夫先生のツイート」を交えてまとめています。

単純に、漫画家の側が、テレビ局や映画会社と交渉する弁護士を用意していないのが問題だと思うんですよ。RT @tyokorata: 向こう側の作り手に、漫画や小説の書き手がまるでいないのがミソ

佐藤秀峰@shuhosato

テルマエ・ロマエ関連のまとめで僕の名前も一緒に挙がっているケースが多いのでうっすら言及しますと、僕は原作使用料+成功報酬をいただいています。
多分、ヤマザキさんの60~70倍貰ってるかなぁ…。
交渉すれば上がるよ。

佐藤秀峰@shuhosato

きっと作家さんはお金の交渉とかは苦手な方が多いと思うのだけど、だったら弁護士さんに交渉を依頼するか、弁護士さんに依頼するのが敷居が高いのなら、行政書士さんに依頼して自前で契約書を作るか、アドバイスを貰って先方の用意した契約書のドラフトに赤を入れるだけでもかなり待遇は変わるよ。
今時の弁護士は全然敷居が高くないので、漫画家の皆さんは弁護士にもっと相談したらよいと思います。RT @shuhosato: きっと作家さんはお金の交渉とかは苦手な方が多いと思うのだけど、だったら弁護士さんに交渉を依頼するか、弁護士さんに依頼するのが敷居が高いのなら、行政書士さん

佐藤秀峰@shuhosato

そう思います。小倉先生には僕もお世話になっておりますが、とても心強いですよ。RT@Hideo_Ogura 今時の弁護士は全然敷居が高くないので、漫画家の皆さんは弁護士にもっと相談したらよいと思います。

佐藤秀峰@shuhosato

弊社運営サイト「漫画onWeb」でも漫画の契約の関する無料お悩み相談室をやっていますし、サイトを通さずとも記載されている専門家に直接ご連絡いただいても、丁寧に応えてくれると思いますよ。 
 mangaonweb.com/viewer.do?ctsn…
日本の場合、出版社、レコード会社、映画製作会社、テレビ局の取り分が多すぎることが、クリエイター貧乏に繋がっているわけで。
なのに、これらの人たちと一緒になってエンドユーザーやネット叩きをしているクリエイターの方々は、冷静に考え直してみるといいと思う。

佐藤秀峰@shuhosato

映画ファンや同業者に「映画化していただいて作品を売っていただいてるのに、金のことでガタガタ言うな」とはよく言われますが、僕はきちんと権利を主張して、社員にもきちんとお給料を支払いたいな。
「作家が金のこと言うな」っていう作家は大体スタッフを安く使うじゃない?

佐藤秀峰@shuhosato

作家が清貧の思想を勝手に信じる分には構わないけど、スタッフや誰かに強いたりした時点でアウトだと思うんだよな…。
いっぱい稼いでいっぱい雇用を産み出していっぱい税金払ったほうがみんな幸せじゃん。

佐藤秀峰@shuhosato

だから、作家さんはちょっとだけ勇気を出していろんな所と交渉して、納得のいく契約を結んだほうがいいと思います。
きっと100年後の作家は「100年前の作家は交渉もせず、契約書も作らずに仕事してたらしいよ、野蛮だよなぁ〜」って言ってるよ。
@shuhosato 佐藤先生初めまして。稚野鳥子と申します。少女漫画界は特に遅れていて閉鎖的だと思います。私はデビュー前にフリーでデザインの仕事をしていたので原稿料の交渉をずっとしてきましたが、交渉をしたことが無い人も沢山いて驚きました。

佐藤秀峰@shuhosato

@torikochiya 初めまして。僕もデビュー時点では原稿料などの交渉できないタイプした。異業種から見れば不思議な商慣習ですよね。

小田隆@studiocorvo

@shuhosato 初めまして。正当な対価を受け取りそこで得たものを周囲に還元していくことは、とても有意義なことだと思います。僕が仕事をしている美術、デザイン業界はマンガ業界以上に立ち後れている部分があると思います。

佐藤秀峰@shuhosato

@studiocorvo 漫画は産業としてギリギリ成立している分だけ融通が利く余地があるとは感じています。
漫画も決して楽ではないのですが、美術の世界は大変そうですね。。。

▼ 最後に、ヤマザキマリ先生のツイートより


https://matome.naver.jp/odai/2136162769072278901/2136163030872915803

映画撮影時期のツイートより

昨夜帰還。辛かったり悲しかったり不安だったり嬉しかったり感激したりときめいたり、この一週間ほど自分の感情が激しく振り回されたことはありませんでした。へとへとです。結論として、テルマエの実写は原作を超越した素晴らしい作品になりそうです。

最近のツイートより

…テレビの仕事は増えましたがテレビタレントにはなりません。テレビ見ないし全く興味も無いし。ただ世界の素晴らしさだけは伝えていかんと…せっかくいろいろ見て感じてきた事が溜まってはいますから。兼高かおるさん的な要素もアリの漫画家になれればいいなと思ってはいます。

本件に関するツイートより

日本を離れる前にこれだけツイートしておこう:
要は私だけではなく家族にまで憶測皮算用の迷惑が掛かるのが耐えらなかった上でのあの番組の出演だったのですが、日本は欧米に比べて著作者側の権利が弱過ぎる事は海外暮らしだから尚更痛感出来る事。漫画家は鶴の恩返しの様に精神力と体力削って作業しているのだから、その権利はもっと尊重されて然り
というわけで著作権料の件に関してのツイートはいろいろ面倒臭いのでもうしません。アシさん達の力が結集したテルマエの最終回も脱稿しましたし、混沌とした状況の中でも心は絶好調に満たされております。本日のスタジオパークでは来月から始まる新連載にもちょっと触れております。

▼ おすすめまとめ

漫画家さんにとって初動がなぜ大事なのか?一連のツイートをまとめています。

https://matome.naver.jp/odai/2136162769072278901
2013年02月26日