ヴィンテージブライス Kenner Blythe Doll

calmek
Blytheは1972年にkenner社で作られた人形で、当時は人気が出ず、一年で製造中止されました。レプリカブライスと区別するのに、ケナーブライス kenner blytheやヴィンテージブライス vintage blythe、ヴィンブラと呼ばれています。

ヴィンテージブライスの特徴

・インパクトのある大きな頭(グレープフルーツ大)。
・三頭身のスタイルで約28cm。
・アイギミックを持ち、後頭部の紐を引っ張ると目の色と向きが変わります。
・ボディはリカちゃん人形と同じサイズですがより年齢が高いボディラインを持っています。

ヴィンテージブライスの目

・ピンク(正面)、青(左向き)、オレンジ(正面)、緑(右向き)。

アイホールの形に二種類あります。
背中の刻印が6行タイプに多いアーモンド型と、刻印7行タイプに多いおにぎり型。
この二種類のアイホールの形の中にも個体差があるようです。

アーモンドのアイホール
6行タイプに多く、おにぎりタイプよりまぶたの下がりめ率が高い。
とろんとした、眠そうな、アンニュイな雰囲気のあるニュアンスがあります。
おにぎりのアイホール
写真のブライスは典型的はおにぎりアイホール。
7行タイプに多く、まぶたも上がり気味なブライスが多いので、活発な印象を与えます。

ヴィンテージブライスの髪

髪色は四種、主な髪型は以下の通りです。
髪色は劣化も含めて同じ髪色の中にも複数存在します。

・ブルネット(濃い茶色)…前髪有り(少なめ)、前髪有り(多め)
・赤毛…前髪有り(もっさり)、右わけセンターパーツ前髪なし
・ブロンド…右わけサイドパーツ前髪なし
・黒髪…前髪有り(少なめ)

上記以外にレアな髪型が存在します。

・センターパーツ
・赤毛やブロンドの前髪ち有り(少なめ)、など。

髪質は大きく分けて軟毛と硬毛があります。
毛質は複数存在します。

・軟毛はやわらかく縮れやすい。
・硬毛は硬くボリュームがある。


https://matome.naver.jp/odai/2136048399739500001/2136094717739312203
髪質の違い
写真は硬毛の黒髪と軟毛の赤毛。

ヴィンテージブライスのメイク

アイシャドウの色はグリーン、
チークはピンク、
リップはピンク。

製造時に出た違いや経年の劣化でメイクの色には個体差があります。
イエロー味の強いアイシャドウ等。

メイクの色が濃いブライス
写真の補正の違いで色味が違ってきますが、
写真の子はメイクの色、特にリップの色が濃いタイプ。
メイクの色が薄いブライス
製造時の差や保存状態によりメイクの濃さは様々ですが、基本の色調は同じです。
チークやアイシャドウのグラディエーションの上部は消えやすいです。

ヴィンテージブライスの刻印

ボディの背中にケナー社の刻印が刻まれています。
刻印には二種類有り、一般的に6行タイプより7行タイプの方が目の形がパッチリしていて人気があります。

【6行タイプ】

Blythe TM
KENNER PRODUCTS
CICCINNATI, OHIO
(c)1972 G.M.F.G.T
PATTENTS PENDING
MADE IN HONG KONG

【7行タイプ】

Blythe TM
KENNER PRODUCTS
CICCINNATI, OHIO
(c)1972 GENERAL MILLS
FUN GROUP.INC
PATTENTS PENDING
MADE IN HONG KONG

ヴィンテージブライスのまつげ

やや硬めですが柔軟性のある素材が使われていて、まぶたに植毛されています。
長さや向きに固体差があります。

やや下向きの長いまつげ
下向きのまつげのブライスはアンニュイな印象、
ピン!と上を向いたまつげのブライスは活発な印象
まつげがないブライス
オリジナルのまつげが抜けたブライス。
まつげがあるなしで随分印象が変ります。

ヴィンテージブライスのオリジナルボックス

Blythe dolls

オリジナルボックスの箱の種類は髪色と同じ数の4種類。

・青(ブルネット用)
・きみどり(赤毛用)
・ピンク(ブロンド用)
・オレンジ(黒髪用)

アシュトンドレイクの復刻版ブライス
オリジナルボックスを忠実に再現しています。

ヴィンテージブライスのオリジナルアウトフィット

ドール付属のドレス

*Pretty Paisley(ブロンドのオリジナルドレス)
*Love’N Lace(赤毛のオリジナルドレス)
*Golden Goddess(ブルネットのオリジナルドレス)
*Medieval Mood(黒髪のオリジナルドレス)

ドレスセット 12種

*Pretty Paisley
*Love’N Lace
*Golden Goddess
*Medieval Mood
Roaring Red
Pinafore Purple
Pleasant Peasant
Kozy Kape
Lounging Lovely
Aztec Arrival
Kozy Kape
Pow-Wow Poncho
Priceless Parfait

小物

Wig and sunglasses sets(ウィッグとサングラス)
Wardrobe Case(収納ケース)

Pretty Paisley
Love ‘N Lace
Golden Goddess
Medieval Mood

ウィッグとサングラスのセット。
ウィッグは質が悪いのですが、サングラスはフィット感やデザイン性が有り大変人気があります。
希少価値が高い為、特にサングラスはオークションなどで高値で取引されています。

ヴィンテージブライスのプロトタイプ

製品化される前に試作品として作られたプロトタイプが存在します。(英語サイト)

まほうのひとみアイアイちゃん

ブライスは当時、日本でも「まほうのひとみ アイアイちゃん」の名称でトミーより販売されました。
人形本体はケナー社のブライスですが、箱とドレスが日本向けに作られています。
このパッケージとアウトフィットは、人気の程はともかく、今日ではヴィンテージブライス本体より希少価値があると言えます。

パリトイのブライス

当時イギリスでもパリトイ社よりブライスが販売されました。
中身は同じブライスですが、パッケージの背面デザインが少し変更されました。

ヴィンテージブライスの画像

ブライスを一躍有名にしたジーナ・ガランのサイト。(英語)
彼女のブライス写真集をきっかけにTAKARAよりレプリカブライスが作られ始めました。
サイトのgalleryのカテゴリーでヴィンテージブライスの写真が見れます。

ヴィンテージブライス図鑑は必見!

プロトタイプを保持する(していた?以前売りに出されていました)、
yatabazahさんの個性溢れるサイト(英語)。

ヴィンテージブライスのリペア、リストア

40年以上前の人形ですので、経年の劣化や破損は避けて通れない問題と言えます。
主だっては髪の縮れ、ヘアカット、アイチップの黒抜け、腰のクラック(割れ)、まつげの抜け、メイクの欠け(特にチークは残りにくい)、変色、退色など。
箱入り未開封であってもいくつかの劣化は起こりうる可能性があります。
年月を重ねた証として受け入れるか、気になる点を修繕するか、個人の好みによるでしょう。
リペアしたブライスを状態が良いオリジナルとしてオークションに出品している等の一種の詐欺も存在しますので気をつけましょう。

ヴィンテージブライスのリペアは難しく、高価なドールを失敗で破損してしまう恐れがあります。
@naiさんはレプリカのカスタムを始め、海外からも数多くのヴィンテージブライス修繕の依頼を受けられ、恐らく世界で一番ヴィンテージブライスを手に取った人ではないでしょうか。

著者も数年前に腰のクラックの修理とメイクのリペアを依頼しました。
修繕技術が感動的に素晴らしいです。
但し、メイクに関しては新品のようにピカピカになった事が嬉しい反面、逆に古い人形が持つアンティーク感を損なった感もあり、そこは個人の好みに拠るかも知れません。

人形服作家でレプリカのカスタムもされています。
ヴィンテージブライスの修理も受けているそうです。

山下早紀さんのサイト。
customのコーナーでヴィンテージブライスのリペア方法が紹介されています。
下半身をレプリカボディに取り替える方法は難易度も低く違和感がないのでおススメです。

変色・退色した箇所をやすりで削る方法が紹介されています。
劣化の中でも変色は重大な問題ですのでこれをクリアすると見違えるようにきれいになります。
但し、やすりで削る事でアイシャドウのグラディエーションを損なう、開頭した後の接着が難しいというマイナス面もありますので決断は慎重に。

https://matome.naver.jp/odai/2136048399739500001
2014年10月10日