人生で勝つために必要なのは「パクる能力」!?

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勝ちパターンを「パクる」

アレキサンダー大王は、騎兵の高機動性を活用した勝ちパターンで歴史的大成功を収めた。
敵の主戦力が本領を発揮できなくなるように、敵軍に対して自軍が有利な配置になるように、自軍を俊敏に移動させるのがミソだ。
ハンニバルはアレキサンダー大王の勝ちパターンをパクってイタリアに攻め込み、ローマ軍を打ち破りまくり、ついにはローマは「ハンニバルには会戦で勝てない」と諦め、会戦以外の方法でハンニバルに抵抗を続ける持久戦略にでる。
ローマが何年もの間ハンニバルに抵抗を続けられたのは、カルタゴ側にはハンニバル以外に強い武将がいなかったからだ。ハンニバル以外にハンニバルの勝ちパターンをちゃんとパクれる武将がいなかったからだ。
ハンニバルがイタリア中を転戦し、勝ちまくり、攻略していっても、ハンニバルがいなくなったところをローマが攻めれば、結局、取り返せる。
そして、ハンニバルにフルボッコにされたローマ軍の敗残兵の中にいたスキピオという若者が、数年後に、ハンニバルの勝ちパターンをパクって、ついにはハンニバルを「会戦で」打ち破る。
「パクっただけでしょ」とよく言われるが、「勝ちパターンをパクる」ことができる人間は、一般に思われてるほど多くない。

ジョブズだからこそ、パクれた

「ウィンドウ+アイコン+マウス」などの先進的なグラフィカルユーザインタフェースはジョブズの発明ではなく、ジョブズがパロアルト研究所からパクったものだ、などと言われるが、ジョブズだからこそ、パクれたのだ。それは、「ハンニバルだからこそ、アレキサンダー大王をパクれた」や、「スキピオだからこそ、ハンニバルをパクれた」という構造に似ている。
そして、「ウィンドウズは、マックのパクりじゃないか」や「エクセルはロータス123のパクりじゃないか」という話も似ている。「ゲイツ(もしくは、MSにいたパクる能力を持った誰か)だからこそ、パクれた」のじゃないだろうか。
Yahooジャパンもはてなブックマークも「タイムマシン経営」と言われ、ようは、アメリカで流行っていた「ポータルサイト」や「ソーシャルブックマーク」のパクりでしょ、と言われたが、これも同じではないだろうか。
誰にでもパクれたわけじゃなく、そこに「パクる能力」を持った誰かがいたから、パクれたのじゃないだろうか。

「パクる能力」とは、いったい何だろうか?

明治のころ、日本はドイツの製鉄技術をパクろうとしたが、最初はうまく行かなかった。
日本とドイツでは石炭の質が違うから、同じ方法だと、質の良い鉄が作れなかったことなどが原因だったという。
そこで、日本の石炭で良質の鉄を生み出す製法を編み出した。
パクる能力とは、「パクるべき部分と、パクるべきでない部分を見極める能力」と「パクるべきでない部分を補完する能力」の組み合わせではないだろうか。
もちろん、アイデア力やオリジナリティが重要なのはそのとおりかもしれないが、それと同じか、むしろそれ以上に、「取り入れるべきアイデアとそうでないアイデアを判別する能力」という、「アイデアの重みづけ能力」が重要なのではないだろうか。
そして、守破離ではないが、どんなにパクりに徹しても、結局、自分のオリジナリティはにじみ出してくるものだ。
ハンニバルだって、スキピオだって、最初は「ああやれば勝てるんだ。俺もパクろう」と思ってやり始めたが、パクりの練度が上がれば、そこにオリジナルの工夫が追加され、パクったものが、自分の血肉になっていく。
もちろん、パクらずに自分のオリジナルのやり方にこだわって成功する人もいるが、一方で、最初から「オレはパクるのはイヤだ」と自分のオリジナルにこだわって、いつまでもくすぶっている人、というのもよく見かける。
だから、人によるが、少なくとも、自分のオリジナルにこだわってうまく行ってない人は、まずは、いったん、徹底的にパクるところから始めるやり方を試してみたらどうだろうか。
もちろん、ハンニバル、スキピオ、ジョブズ、ゲイツがやったような「効果的なパクリ方」自体を「ちゃんとパクれる」のは少数に留まるだろうが、そこまで徹底しなくても、もっとささやかなレベルでしっかりパクって、「ささやかな成功」を納められるのは、それほど少数というほどでもないのではないかと思うのだ。

パクる技術を学べる関連書籍

https://matome.naver.jp/odai/2135925134963887801
2013年01月27日