結露とは?
窓ガラスなどの表面や壁体の内部に空気中の水蒸気が凝縮して水滴が付着すること。水蒸気が含まれた通常の空気を不飽和湿り空気といい、これを冷却すると空気はついには水蒸気によって飽和する。この空気を飽和湿り空気といい、そのときの空気温を湿り空気の露点温度という。これをさらに冷やすと、空気中の水蒸気の一部が凝縮して小水滴となって空気中に浮遊する。この水滴を湯気とか霧という。この現象の過程と同様に、ガラスのような不透湿性の材料表面温が下がると、表面に接する空気中の水蒸気が凝縮して、その表面に水滴が付着する。これを表面結露という。表面温が0℃以下になると結霜、または氷結する。
結露を放っておくと…
1.カビの発生
カビは、適度な湿気と温度、そして栄養のあるところにはどこでも繁殖し、温度20~70℃、湿度70%以上になると急激に発生しやすくなります。
また、建材や仕上げに使われる接着剤などを栄養分として結露によるシミや湿気のある場所に発生しやすい。
2.ダニの発生
ダニは高温多湿を好むため、一般的に夏に発生、活発に活動し、冬には活動しないものといわれていますが、最近は暖房機器や加湿器の普及など生活様式の変化などから、冬でも住宅内でダニが活動しやすくなっています。
ダニが発生すると、かゆみ、腫れ、ニキビ、喘息など様々な病気の原因になるといわれています。
3.腐朽菌(ふきゅうきん)の発生
腐朽菌は、湿度80%以上、温度10℃以上で発育を開始します。
木材が腐朽すると、菌によって分解された成分のなかに、シロアリを誘引する物質が含まれることもあり、木材が腐朽している部分はシロアリの被害を受ける可能性が高くなります。
4.シロアリの発生
住まいに大きな被害をおよぼすシロアリは、湿った木材を好みます。
白アリは、地中に巣をつくり、湿気の多い床下などに害をおよぼすヤマトシロアリと、自ら水分を運び、家全体に被害を及ぼすイエシロアリがいます。
5.化学物質
建材に使われている接着剤の多くが、水溶性の接着剤が使われています。
したがって、水蒸気が多く発生すると接着剤が溶けだし、化学物質が放出されやすくなります。接着剤が溶けると、耐久性も落ちてしまいます。
人体に与える影響
カビ、ダニが原因と思われる病気
•シックハウス症候群 : カビやダニが原因の一つと言われています。
•アトピー性皮膚炎 : カビやダニが原因の一つと考えられています。
•小児ぜんそく : 住環境の影響による病気の可能性があり、カビやダニによる室内空気の汚染が原因の一つとされています。
•アレルギー性皮膚炎 : 病気を引き起こすアレルゲンの多くがカビやダニが原因の一つと言われています。住まいに与える影響
•木材の腐食による耐久性、耐震性の低下
•腐朽菌の発生による木材の腐食とシロアリの発生
•断熱材の腐食により、断熱性能の低下
結露対策
自然換気をする・除湿する
昔と違い、今は気密性の高い住宅が増えています。もし、二重サッシを使っていれば、結露も少ないと思いますが、普通のサッシの場合、1時間に1回は換気をして、部屋の空気を入れ替えて、部屋の温度を下げましょう。
また、除湿機を使ったり、エアコンの除湿機能を使うのもいいと思います。本当は、換気扇が一番効率的ですが、部屋にはついていない場合がほとんどだと思うので、除湿機をおすすめします。
それから、ガスや石油を使った暖房器具は、わりと結露しやすいので、電気代と相談になると思いますが、エアコンを使ったほうが、結露はしにくいです。
まめに窓を拭く
古典的ですが、新聞紙や雑巾などでまめに窓を拭くようにしましょう。特に、暖房をつけてから、温まるまでの間に一度拭いたほうがいいです。
結露はそのままにしておくと、下に水が垂れたり、カーテンや壁紙が汚れて、カビが生えたりもします
部屋から湿気の原因を取り除く
部屋に洗濯物を干していたり、乾燥するので、加湿器を使っている場合には、これらの水分が湿気の原因になることがあります。それでも、乾燥が気になるので、やめたくないと言う人には、やはり換気をおすすめします。
窓にシートを貼る
窓に結露をしないシートを貼るのが、一番楽な方法です。ホームセンターなどで売っていますし、包装材のプチプチなどでも代用できます。