業なかばで倒れてもよい。
そのときは、目標の方角にむかい、
その姿勢で倒れよ。
人の一生というのは、たかが五十年そこそこである。
いったん志を抱けば、
この志に向かって事が進歩するような手段のみをとり、
いやしくも弱気を発してはいけない。
たとえ、その目的が成就できなくても、
その目的への道中で死ぬべきだ。
生死は自然現象だから、これを計算に入れてはいけない。
偏見を持つな。相手が幕臣であろうと乞食であろうと、
教えを受けるべき人間なら俺は受けるわい。
夢中で日を過ごしておれば、いつかはわかる時が来る。
人生は一場の芝居だというが、芝居と違う点が大きくある。
芝居の役者の場合は、舞台は他人が作ってくれる。
なまの人生は、
自分で自分のがらに適う舞台をこつこつ作って、
そのうえで芝居をするのだ。
他人が舞台を作ってくれやせぬ。
道は長い。けいこつに果てるな。
事にやぶれれば、腹なんぞ切らずに、
命のつづくかぎり駆けて戻って来い。
世の既成概念を破るというのが、真の仕事である。
慎重もええが、思いきったところがなきゃいかん。
慎重は下僚の美徳じゃ。大胆は大将の美徳じゃ。
将か士かは人のうまれつきで決まるものだが、
お前は大将修行をやれ。
今は力を培養するときだ。
その時機を辛抱できぬのは男ではない。
志さえ持てば、
前身がなんであろうとかまわぬことだ。
そのことは我が胸に成算がある。
やろうと思えば、世に出来ぬことはない。
財政の独立なくては、思想の独立もなく、
行動の自由もない。
おのおの、その志のままに生きよ。
英雄とは、自分だけの道を歩く奴のことだ。
何でも思い切ってやってみることですよ。
どっちに転んだって人間、野辺の石ころ同様、
骨となって一生を終えるのだから。
おれは落胆するよりも、
次の策を考えるほうの人間だ。
人間、好きな道によって世界を切り拓いていく。
人間に本来、上下はない。
浮世の位階というのは泰平の世の飾りものである。
天下が乱れてくれば、ぺこぺこ剥げるものだ。
事をなさんとすれば、智と勇と仁を蓄えねばならぬ。
人間はなんのために生きちょるか知っちょるか?
事をなすためじゃ。ただし、事をなすにあたっては、
人の真似をしちゃいかん。
男子は生あるかぎり、理想をもち、
理想に一歩でも近づくべく坂をのぼるべきである。
四、五十人も人数が集まれば、一人ぐらいは異論家はいる。
いるのが当然でもある。
その一人ぐらいの異論を同化できぬ己を恥じろ。
男はどんなくだらぬ事ででも死ねるぞという自信があってこそ、
大事を成し遂げられるものだ。
人として生まれたからには、太平洋のように、
でっかい夢を持つべきだ。