現役編集者が本気で選んだ、人生を豊かにする名言(18/7/2更新)

takikeisuke
ある編集者が、しがらみなしで、自腹で買った本の中からセレクトした名言のまとめです。仕事柄、ビジネスに効く言葉の紹介が多くなるかもしれません。いい言葉と出合ったとき、随時更新していきます。なお、出典情報からは元本のアマゾン内容紹介ページに飛びます(ぜひ元の本も読んでみてください)。

■「まとめ」編集者から
2018/7/2:都築響一さんの言葉を追加しました。
すごく久しぶりにこの「まとめ」にさわりました(笑)。いま、現代ビジネスというウェブメディアの仕事をメインにしており、本はもちろん、ウェブの言葉からも力をもらっています。

■クリエイティブに生きよ

これまでいろいろな出版社で仕事をしましたけど、出版社がダメになるときっていろいろありますが、ひとつは新社屋のビルを建てたとき。もうひとつはそのビルにガードマンが立つようになったとき。3つ目は首から社員証や入館証をぶら下げられたとき。そのとき出版社は死にますね。
『フリーランス、40歳の壁』、226ページより引用

僕はいつも部外者だった。インテリアデザインだって、アートだって、音楽だって文学だって。それでも取材ができて、本が作れたというのはどういうことかというと、ようするに「専門家の怠慢」。これに尽きる。

by 都築響一
『圏外編集者』、161ページより引用

人間の能力というのは奇妙なもので、最初の一作のために全力を注ぎ込んだ人には、二作目がある。しかし、力を出し惜しんで、第一作を書きながら二作目のネタを残しておいた人には、二作目どころか第一作すらない。

by 保坂和志
『書きあぐねている人のための小説入門』、31ページより引用

■「新しさ」を生み出す

デビュー以来、すべての仕事を通して、僕が最も意識していることは「新しさ」である。新しさを生み出すこと、新しさを見せること、それが創作者の使命である。
(中略)「新しさ」をいつも自分の頭から絞り出すこと、それが、人が生きていくうえでも非常に重要な目標だ、と僕は信じている。

by 森博嗣
『作家の収支』、202ページより引用

新しい言葉なんてどこにもありはしない。ごく当たり前の普通の言葉に、新しい意味や、特別な響きを賦与するのが我々の仕事なんだ

by 村上春樹
『村上春樹 雑文集』、354ページより引用

■「なぜ」を問い続ける

これはよく誤解されているのですが、「よい質問」というのは「わからない」からできるのではなく、まったく逆に「完璧にわかる」からこそできるのです。

by 山口周
『外資系コンサルの知的生産術』、54ページより引用

受け手は、一生、「なんかいいよね」「なんかステキよね」と言い続けます。「つくり手」は、「なぜいいのか。これこれこうだからじゃないか」と考え続けます。
広告の世界でも、いい仕事をしている人は、やはり「なぜ」を考え続けている人です。

by 谷山雅計
『広告コピーってこう書くんだ!読本』、18ページより引用

■仕事は「勝負」

自分の案を出す、ということは、「勝負する」ということです。「この案でどうだ!」と。案を出すときは、CD*の喉元にナイフを突きつけるように出すべきです。そしてもし「全然ダメ」と言われたら、激しく凹むべきです。泣くぐらいでもいいと思う。

by 小霜和也
*広告における、クリエイティブディレクター
『ここらで広告コピーの本当の話をします。』、200ページより引用

プロというのは、書きたいことがなにもない状態でも書ける。つまり、「書くことがない」という状態はないことになる。
見ているものがあれば、その絵が必ず描ける、というのと同じだ。考えているものがあれば、それを書ける。だから、見ていない人、考えていない人には、たしかに少し難しいかもしれない。

by 森博嗣
『素直に生きる100の講義』、101ページより引用

■許さなくても、いい

許せないのなら、私は許さなくていいのではないかと思う。今日の午後、あらたに許せないものと出逢っても、これは私には許せないナとつぶやき、ポケットに入れてしまえばいいのではないか。
大切なのは、許せないものをわざわざ目の前に引っ張り出して凝視しないことである。許せない自分だけがダメな人ではなく、皆それをかかえて生きていることを知ることである。

by 伊集院静
『許す力 大人の流儀4』、188ページより引用

■楽しむ者には勝てない

僕の好きな言葉の中に、こんなフレーズがあります。

天才は、努力する者に勝てず
努力する者は、楽しむ者に勝てない

僕がことあるごとに思い出す、最も影響を受けた言葉です。

by 中川ケイジ
『人生はふんどし1枚で変えられる』、200ページより引用

例えばギタリストがギターを持って『アイツの鳴らしたあの音を自分でも鳴らしたい』って思っちゃもうダメなんだよぉ。アイツがあの音を鳴らした時の“気持ち”をコピーするんだよ。衝動を。そうやっていくとオリジナルで一生現役でいられるんだぁ。

by 甲本ヒロト
『藝人春秋』、45ページより引用

■3月11日に―批評より、偽善を―

あのとき、家を放りだされて避難生活をした人間にとっては、偽善かどうかはどうでもいいの。“助けてくれた”という事実だけが大切なの

by 荻野文子
『ヘタな人生論より徒然草』、42ページより引用

担当作の言葉はあまり引用しないようにしているのですが、前職で作った本から例外的に。
荻野先生は阪神大震災のときに被災経験があります。
なお、現在文庫化されています。 http://www.amazon.co.jp/dp/4309408214/

■「孤独」な時間を大事にする

一〇分“今日”を反省し、五分“明日”を夢見ろ

by 左野勝司
『プロフェッショナル 仕事の流儀 運命を変えた33の言葉』、138ページより引用

「孤独」とは友達がいないということではない。
世界とのつながりが絶たれていることでもない。
それはただ、誰にも邪魔されない状態で、自分自身の心の声を聞く貴重な時間が用意されているということなのだ。

by 林英恵
『それでもあきらめない ハーバードが私に教えてくれたこと』、61ページより引用

今まさに、こういう「孤独」の時間を持とうと思っているのですが、意識しないとなかなか難しいですね…

■仕事の真髄

お客さまの満足と、職人の満足はまったく違うものだと思うんです。九五点のパンであれば、お客さまは十分満足するかもしれません。でも、残りの五%がある。この五%が満足できない。いつも満足できない。だからずっと走っている。完全な満足を、ずっと追い求めているんです

by 成瀬正
『プロフェッショナル 仕事の流儀 運命を変えた33の言葉』、44ページより引用

人にできないことをやるのが「仕事」であり、誰でもできることをやるのは「作業」でしかないのである。

by 大前研一
『稼ぐ力』、82ページより引用

■信じて、飛べ

成功したい、モテたいと、欲望を叶えるために必死にもがき続けていることを不幸と呼べば、たしかに不幸かもしれません。仕事でも挑戦すればするほど、あれこれ苦労したり落胆したりすることも増えますし、高望みの相手と付き合うほど、傷つく可能性だって高い。しかし、そんな「走っている不幸」は、本人には辛くても、端から見ていて明るい爽快感があります。きっと、どうにかなるよ、と肩を叩き、励ましたくなってくる。
本当に恐ろしいのは「止まっている不幸」だと思います。出口が無くて、暗く沈んでいくだけのモヤモヤとした不幸。

by 林真理子
『野心のすすめ』、179ページより引用

勇気とはなにかを定義することは、今の私には難しいのですが、少なくともそれは、行動して「ジャンプ」することでしょう。その行動に、周囲はきっと「驚き」ます。だからこそ、そこには「自分だけの人生」があると伝えたいのです。

by 酒井穣
『リーダーシップでいちばん大切なこと』、206ページより引用

自分が担当した著者の方の言葉を載せるのは何か照れくさいですね…
ちなみに私の担当作はこちらです(会社がバレますが…) → http://www.amazon.co.jp/dp/4534049080/

■自信か、それとも慢心か

組織が腐っているとき、自分がところを得ていないとき、あるいは成果が認められないときには、辞めることが正しい選択である。出世はたいした問題ではない。

by P.F.ドラッカー
『仕事の哲学 (ドラッカー名言集)』、78ページより引用

誕生日当日、じつは自分と同じ日生まれのドラッカーの、示唆に富む言葉をピックアップしました。
(2012年11月19日のことです、レイアウトの関係で上のほうにきています)

優秀さとは、有能さと謙虚さの掛け算である、ということ。つまり、能力を磨くよりもプライドを下げる方が手っ取り早いと思った方がいいです。

by 山口揚平
『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか』、195ページより引用

■てのひらから始まる

あのさ
手のひらが合わない男と他の部分合わせられると思う?
恋って、
恋っててのひらからはじまるんだよね

by 姉ちゃん
『僕の姉ちゃん』、79ページより引用

最近ハマッている益田ミリさんの漫画から。弟との掛け合いの中でのせりふです。
ボーリングのハイタッチの話からこの展開というのがすごい。
ちなみに、「手のひら」「てのひら」表記バラバラなのは原文ママです。

迷ったときは、大好きな人がなんて言うかを想像したらいい。
相談相手を選ぶ時点で、自分の心はもう決まっています。

by 伊藤春香(はあちゅう)
『自分の強みをつくる』、138ページより引用

「決断」をテーマにした本を作ったことや、その他決断しようと思うこともあって、「決める」ことにまつわる言葉が気になってました

■自分に翼を生やす

翼を持たずに生まれてきたのなら、翼を生やすためにどんなことでもしなさい。

by ココ・シャネル
『ココ・シャネル 女を磨く言葉』、121ページより引用

13カ条のルール
1.なにごとも思うほどには悪くない。翌朝には状況が改善しているはずだ。
2.まず怒れ。その上で怒りを乗り越えろ。
3.自分の人格と意見を混同してはならない。さもないと、意見が却下されたとき自分も地に落ちてしまう。
4.やればできる。
5.選択には細心の注意を払え。思わぬ結果になることもあるので注意すべし。
6.優れた決断を問題で曇らせてはならない。
7.他人の道を選ぶことはできない。他人に自分の道を選ばせてもいけない。
8.小さなことをチェックすべし。
9.功績は分けあう。
10.冷静であれ。親切であれ。
11.ビジョンを持て。一歩先を要求しろ。
12.恐怖にかられるな。悲観論に耳を傾けるな。
13.楽観的でありつづければ力が倍増する。

by コリン・パウエル
『リーダーを目指す人の心得』、12~47ページより抜粋

いつもの引用と違って、小見出しの抜粋です。それぞれに付随するエピソードもとてもよく、ぜひ元本を読んでください。2013年に13カ条を紹介するのもの何かの縁かもしれませんね。

■勝負とは

「見城君、君は十万円を持って競馬に行くと、九万九千九百円を失ったら『負けた』と思う人なんだよ。でも、百円あったら、まだ勝負はできる。君は若くて、才能があるけれど、結論を早く出しすぎる。それが君の欠点だよ。百円が残っている限り、それはプロセスであり、勝ちでも負けでもない」

by 阿佐田哲也
『人は自分が期待するほど、自分を見ていてはくれないが、がっかりするほど見ていなくはない』、190ページより引用

ここでいう見城君は幻冬舎社長の見城徹氏。彼が二十代後半、色々トラブルに見舞われ参っていたときに言われた言葉だとか。

結局、やる気のない奴にチャンスを与えたところで意味がないのではないか、と思うのです。そういう奴は、下手をするとチャンスの意味すら分からないかもしれない。自動的にチャンスが降ってくるような環境にいると、それが当然だと思って、いつの間にか「もらい癖」がついてしまう。
勝手に仕事をとってくる、ガツガツしているくらいの人じゃないと、与えられたチャンスを活かすことができないような気がします。

by 加地倫三
『たくらむ技術』、147ページより引用

よく覚えとけ。現実は正解なんだ。時代が悪いの、世の中がおかしいと云ったところで仕方ない。現実は事実だ。そして現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、何故そうなったかという原因があるんだ。現状を認識して把握したら処理すりゃいいんだ。

by 立川談志
『赤めだか』、116ページより引用

■プレゼントの極意

一番近くにいる人をプレゼント一つで喜ばせることができないくせに、もっと多くの人を満足させることなんてできない

by 鈴木おさむ
『テレビのなみだ 仕事に悩めるあなたへの77話』、15ページより引用

■自由の意味を知る

自由は山巓(さんてん)の空気に似ている。 どちらも弱い者には堪えることは出来ない。

by 芥川竜之介(岩波文庫の表記に準拠)
『侏儒の言葉・文芸的な、余りに文芸的な』 、82ページより引用

いま「自由な働き方」についての本をつくっています。そちらにも引用しようと思っているのが、この言葉。

自由を目指して生きる理由は、それがとんでもなく楽しいからである。

by 森博嗣
『自由をつくる自在に生きる』、189ページより引用

同じ本から複数回引用するのは心苦しいのだけど、これはズドンときて、取り上げざるを得ない。何か「自由」がマイブーム…

自由の価値というのは、過去の自分よりも、今の自分が、そしてさらに将来の自分が「より自由」になっていく変化を感じることにある。常に自由に向かって進む、その姿勢こそが自由の本質だといっても良い。

by 森博嗣
『自由をつくる自在に生きる』:、89ページより引用

https://matome.naver.jp/odai/2135304045413286001
2018年07月02日