ツイードとは
ツイード (tweed) は、イギリス、スコットランドの毛織物の一種。元はボーダー地方のツイード川流域で作られた。
本来は、スコットランド産の羊毛を手紡ぎした太い糸を手織りで平織りまたは綾織りにし、縮絨起毛させない、粗く厚い織物。織る前に糸をさまざまな色に染め、細かい色彩の模様を入れる。
近年では、スコットランド産に限らず、また機械紡ぎ・機械織りのものや、細い糸を使ったものでもツイードと呼ばれる。
アウター・ヘブリディーズ(諸島)のルイス島で作られるHARRIS TWEEDは高品質のツイードブランドとしてよく知られている。
ツイード – Wikipedia
一般のウール(羊毛)と違う理由
日本で、一般的に着用されているスーツに使われている多くのウールと、ツイードは感触が違います。ザラザラと粗くて、かたい感じ。ここは、服部晋氏の『洋服の話』を読むとツイードというものがもっと分かりやすいです。それはウール(羊毛)は大きく分けて2種類あって、その1つがツイードであると。その違いは、梳毛と紡毛です。
ブランドファッション通信: 冬の定番「ツイード」についての歴史と多様性
ツイード種類
ツイード=綾織、というのが昔だったそうですが、時代とともに平織、杉綾、「ニシンの骨」の意味を持つヘリボーンが登場します。基本的に厚手の紡毛織物としては同じ括りです。
ブランドファッション通信: 冬の定番「ツイード」についての歴史と多様性
ツイードは上流階級の紳士達の防寒着に使われ中流階級へと流れていく
ツイードがファッションスタイルとして注目されたのは、上流階級の英国紳士達の間からでした。狩猟とフライフィッシングのようなアウトドアで活躍する紳士にはもってこい。すぐにアウトドアのアイテムとして高い評価を受けますが、本当の意味でファッションアイテムとして認知されたのは、1848年以降。インヴァリーの氏族ファーガソンがバルモラルの土地をヴィクトリア女王の夫アルバート公に売却し、王室の邸宅として使われるようになってからと言われています。
ブランドファッション通信: 冬の定番「ツイード」についての歴史と多様性
ハリス・ツイードの登場
数々の有名ブランドで使用されている、英国の高級生地「ハリスツィード」。スコットランドのアウター・ヘブリディーズ諸島のハリス地方で伝統ある職人たちが羊の新毛を手で紡いだ糸で手織ったものがハリスツイードと呼ばれています。お店でツイードのジャケットを見ていると、袖や裏地にHarris Tweedと書かれたタグをよく目にしますが、あれは織られた後に審査を受けて、合格した印というわけです。この合格品に付いている、英国王室からの使用が許可された、上に十字架をいただく宝珠こそ英国ハリス・ツイード協会の登録商標なのです。この協会は1909年に発足し、手織り工場を持つ600軒以上もの農家を管理しています。
ハリスツイード
戦間期からアメリカントラッド、モッズ、映画への影響
1919-1939年の戦争中の間、ツイードジャケットは英国人のワードローブとなります。さらに、アメリカに渡り、Jプレスやブルックスブラザーズによってデザインが改善されます。そのアメリカのツイードジャケットは、アイビーの発祥であるアメリカ東海岸の名門私立大学のエリート学生によって着られるようになります。そこから、ツイードジャケットは米国内で異なるレベルの社会の中で拡大
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多様化するツイード
ツイードジャケットをトレンドとして推す傾向は強い。もっというと、ジャケットだけじゃなく、キャップ、ヘッドホン、ブーツ、ワーカートラウザーなど、製品カテゴリーを越えて使用されています。ブランドだと、ナイキ、アレキサンダー・マックイーン、カルバン・クライン、ラルフローレン、メゾンキツネ、オリバースペンサーなどなど。
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