【NBA】D.ハワードを獲得したレイカーズが今季優勝できないワケ

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NBA屈指の伝統を持つ強豪チームロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)。過去16度のNBAチャンピオンに輝き、その中心にはいつも「支配的なセンター」がいたが、不思議なことにレイカーズは「支配的なセンター」を獲得した年に優勝していないのだ。
過去16度のNBAチャンピオンに輝くロサンゼルス・レイカーズと、偉大なセンターたちの歴史
最後の優勝は2009ー2010シーズン。左上から時計回りに、カリーム・アブドゥル=ジャバー、ジョージ・マイカン、シャキール・オニール。

▼LAL、歴史的大補強を経て2012-13シーズン優勝待ったなし!

史上空前の大補強で、今シーズンのLALのラインアップがすごい

≪主戦力≫
●コービー・ブライアント
※得点王2回、シーズンMVP1回、ファイナルMVP2回、通算29,576得点(NBA歴代5位)
●パウ・ガソル
※2006世界選手権MVP、2008五輪得点王
●メッタ・ワールド・ピース
※ロン・アーテスト

≪新加入≫
●ドワイト・ハワード
※3年連続最優秀守備選手賞、リバウンド王4回、ブロック王2回
●スティーブ・ナッシュ
※2年連続シーズンMVP、3年連続アシスト王
●アントワン・ジェイミソン
※シックススマン賞1回

しかしLAL、“また”やってしまいましたね……

現役世界最高のセンタープレーヤー、ドワイト・ハワードを獲得してしまった!
Dwight David Howard。身長211cm、体重120kg。驚異的な身体能力を誇り、ディフェンスに優れ、強烈なスラムダンクを毎試合何本もたたき込む、リーグNo.1センターだ。コミカルな「スーパーマン」キャラクターで大人気。昨シーズンまでオーランド・マジックに所属し……、この経歴、つい最近にも見た気がしないだろうか。そう、シャキール・オニールである。

▼歴史を振り返ると、大変な事実が見えてくる……

「レイカーズは支配的なセンター獲得年に優勝できない」の法則

NBA屈指の伝統を持つ強豪チームロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)。過去16度のNBAチャンピオンに輝き、その中心にはいつも「支配的なセンター」がいたが、不思議なことにレイカーズは「支配的なセンターを獲得した年」に優勝していないのだ。

ちなみに今年。プレシーズン8戦全敗。開幕戦にも破れ、現在1勝4敗。なんとウェスタンカンファレンス単独最下位である。
【NBA】どうしたレイカーズ。スター軍団、早くも崩壊の危機? (webスポルティーバ) – Yahoo!ニュース

今回も「支配的なセンター獲得年に優勝できない」の法則の力が!

●LAにやってきた「支配的なセンター」の過去を振り返ってみよう

▼ウィルト・チェンバレン 1968-69シーズンLAL入り

Wilt Chamberlain
7年連続得点王、8回のリバウンド王、1試合100得点も記録した伝説の大巨人は、76ersでシーズンMVPを獲得した翌年、トレードでLALにやってきた。しかし、その年の成績は、キャリア最低の平均20.5得点。プレーオフではファイナルまで進んだが、ボストン・セルティックス相手に第7戦で敗れる。チェンバレンはこの第7戦で怪我をして試合終盤をベンチで過ごした。その後3年連続で、レイカーズはセルティックスにファイナルで敗れる。

ウィルト・チェンバレン獲得の結果→同年NBAファイナル敗退

なお、1971-72シーズンに現在もアメリカプロスポーツ史上最長記録となる33連勝を果たしたレイカーズが、勢いをそのままにニューヨーク・ニックスを破ってNBAファイナル制覇

▼カリーム・アブドゥル=ジャバー 1975-76シーズンLAL入り

Kareem Abdul-Jabbar
オスカー・ロバートソンとともに、ミルウォーキー・バックスで活躍したカリーム・アブドゥル=ジャバー(ルー・アルシンダー)。シーズンMVP、得点王、ファイナルMVPなど数々のタイトルを獲得したが、ロバートソンが引退するとチームが低迷。ニューヨークかロサンゼルスへのトレードを志願してLAL入りした。ジャバーは当時低迷していたLALを劇的に改善しシーズンMVPを獲得したが、チームは勝率5割も超えられずプレーオフに進むことができなかった。その後、1979年にアーヴィン・“マジック”・ジョンソンをドラフトで獲得するまで、LALは低迷を続けた。

カリーム・アブドゥル=ジャバー獲得の結果→同年プレーオフ進出失敗

なお、1979-80シーズンにマジック・ジョンソンを擁してNBAファイナル制覇。ジャバーは第5戦で負傷し、最終第6戦はマジックがセンターをつとめた。

▼シャキール・オニール 1996-97シーズンLAL入り

Shaquille O”Neal
オーランド・マジック入団以来、衝撃的なシーズンをくり返していた“シャック”ことシャキール・オニール。チームを初のプレーオフに導き、翌年にはファイナルに進出するも、アキーム・オラジュワン、クライド・ドレクスラーを擁するヒューストン・ロケッツにスイープ負けした。チームがアンファニー・ハーダウェイ(ペニー・ハーダウェイ)との高額契約を交わすと、チームとの関係が悪化。FAになると、7年間1億2,000万ドルという契約でLAL入りした。移籍後も明らかに自分勝手なプレーが災いし、プレーオフではユタ・ジャズ相手に圧倒され、カンファレンスセミファイナルで敗退した。

シャキール・オニール獲得の結果→同年プレーオフ2回戦敗退

なお、同じく1996-97シーズンにLAL入りしたコービー・ブライアントと3年間不遇の時を過ごしたあと、1999-2000シーズンにNBAファイナル制覇

▼パウ・ガソル 2007-08シーズンLAL入り

Pau Gasol
身長213cm、体重117kg。メンフィス・グリズリーズで新人王を獲得したスペイン人で、2006年の世界選手権(日本で開催された)でスペインを初優勝に導き、MVPを獲得。しかし、途中で負傷(骨折)してしまう。2007-08シーズンの2月、プレーオフ寸前にLALへ加入。LALはシャキール・オニールをトレードして以来のNBAファイナルに進出したが、ボストン・セルティックスに敗れてチャンピオンリングを逃した。ナチュラルポジションはパワーフォワードだが、LALには同じくパワーフォワードのラマー・オドムがいたため、若手のアンドリュー・バイナムが成長するまではセンターをつとめることが多かった。

パウ・ガソル獲得の結果→同年NBAファイナル敗退

なお、翌2008-09シーズンに同じくボストン・セルティックスを破ってNBAファイナル制覇

●例外

▼ジョージ・マイカン 1947-48シーズン「ミネアポリス・レイカーズ」入り

George Mikan
バスケットボールは、このジョージ・マイカンが現れてから全く別のスポーツになった(「ゴールテンディング」「ショットクロック」はマイカン封じのために生まれたルール)。1946-47シーズンにNBL「シカゴ・アメリカン・ギアズ」入りし早速シーズンを制すが、チームが新リーグPBLA加入など迷走したあと、NBL「ミネアポリス・レイカーズ」入り、1947-48シーズンを制す。1948年にライバルリーグのBAA(後のNBA)にレイカーズが引き抜かれる。同年、圧倒的な強さでファイナルに進出するが、第3戦でマイカンが負傷。2連敗を喫するが、4勝を制してBBAタイトルも獲得した。

ジョージ・マイカン獲得の結果→NBLファイナル制覇

なお、翌1948-49シーズンはBBAファイナル制覇

●結論

「ハワードよ、今年は優勝できないかもしれないが、いつかちゃんと優勝できるから大丈夫だ。うん、いつかは約束できない。来年かもね、3年後かもね。優勝できなくても腐らずに、我慢して偉大なセンターになるんだ!」

なお、エースのコービー・ブライアントは「40歳までプレーしたい」そうなので、当分優勝のチャンスはあるだろう。たぶん。

果たして、今年のレイカーズは「法則」を打ち破ることができるのか……?

https://matome.naver.jp/odai/2135226208010523901
2013年01月28日