ハリウッド映画の流れを変えた傑作選

takydromus
ハリウッド映画の作風にも流行があります。その流行が起きるきっかけになった映画をまとめました。

(注)公開年は制作国のものです。また「ハリウッド映画」とは、正確にはハリウッドに拠点を置くメジャー映画スタジオが制作した映画のことですが、この項では便宜上アメリカ映画全般を示しています。

シリアスでダークなアメコミヒーロー

『ダークナイト』
▼公開年
2008年▼与えた影響
アメコミヒーロー映画におけるシリアスな作風

▼解説
アメコミ映画に犯罪映画のエッセンスを取り入れ、欧米で一大旋風を巻き起こした大傑作。これ以降、ヒーロー物にシリアスでダークな要素が増えることになりました。

閉鎖空間での極限状態

『ソウ』
▼公開年
2004年▼与えた影響
シチュエーションスリラー
ゲームを仕掛ける犯人

▼解説
老朽化したバスルームを舞台にした傑作。この映画の成功によって、特定の状態に特化したシチュエーションスリラーや、犯人が凶悪なゲームを仕掛けてくる作品が増えました。

ちなみに、ヒッチコックの『裏窓』は、シチュエーションスリラーの元祖的傑作です。

弓矢の雨

『英雄 ~HERO~』
▼公開年
2002年▼与えた影響
空を埋め尽くす弓矢

▼解説
2002年に公開されたジェット・リー主演の香港・中国合作映画。アメリカでは2004年に公開され、2週連続で興行成績1位という外国語作品としては異例のヒットを飛ばしました。

劇中に登場する、空を埋め尽くすような弓矢の雨は、その後のハリウッド映画で何度も繰り返し真似され続けています。


https://matome.naver.jp/odai/2134984629243988201/2135003471664830403
▼参考画像
『英雄 ~HERO~』 予告編より。

ジャパニーズホラー

『ザ・リング』
▼公開年
2002年▼与えた影響
日本産ホラーのリメイク
貞子に代表される日本的幽霊

▼解説
鈴木光司のホラー小説を映画化した『リング』のアメリカ版リメイク作です。『ザ・リング』が成功したことにより、日本産ホラーのリメイクがハリウッドで続きました。

それら後続の作品群が興行的に不発だったため、ブームは早々に沈静化。しかし、「白装束に黒髪ロングの女性」という日本古来の幽霊像は欧米で定着したようで、個人撮影の心霊動画などにもこういった幽霊が頻繁に登場するようになりました。

ゾンビが走る!

『28日後…』
▼公開年
2002年▼与えた影響
走るゾンビ

▼解説
ゾンビといえば、一部の例外を除いてノタノタ歩くのがお約束でした。しかし『28日後…』は、ゾンビ役に陸上選手を起用して、走るゾンビを前面に押し出しました。映画におけるゾンビ像に変化をもたらした作品です。

登場人物の手持ちカメラ映像

『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』
▼公開年
1999年▼与えた影響
POV(主観映像)
モキュメンタリー(擬似ドキュメンタリー)

▼解説
「登場人物が撮った映像」というスタイルでヒットを飛ばした超低予算ホラーです。このスタイルに習ったスペイン産ホラー『REC/レック』を皮切りに、『クローバーフィールド』などのフォロワーがぞくぞく登場して、ホラー/スリラー映画のスタイルとして定着しました。

バレットタイム

『マトリックス』
▼公開年
1999年▼与えた影響
バレットタイム(タイムスライス, マシンガン撮影)

▼解説
複数のカメラで撮影するバレットタイムを大々的に採用して大ブームを巻き起こし、バレットタイムを使った映画が量産されるきっかけになりました。

しかし、スタイルだけを真似た安易なものが氾濫したせいか、今ではバレットタイムはすたれています。

色鮮やかな未来都市

『フィフス・エレメント』
▼公開年
1997年▼与えた影響
未来都市像

▼解説
視覚効果を使ったシーンは、あらを隠すために照明や色彩が暗いことが多くありました。それを徹底的に明るく鮮やかに撮ったのが『フィフス・エレメント』です。

それは同時に、『ブレードランナー』が植えつけた「暗く退廃した未来都市」のイメージの呪縛を解くことでもありました。

やるせない幕引き

『セブン』
▼公開年
1995年▼与えた影響
陰鬱な結末
オープニング・クレジット

▼解説
制作費が大きな映画では、広く一般受けするように「めでたし、めでたし」な終わり方をするのがハリウッド映画界では慣例でした。その慣例を破りながらもヒットを飛ばし、映画界に衝撃を与えたのが『セブン』です。

また、影像作家のカイル・クーパーが手がけたオープニング・クレジットの作風も他の影像作品に影響を与えました。

オフビート

『パルプ・フィクション』
▼公開年
1994年▼与えた影響
オフビート(型破りの, 風変りな)な作風

▼解説
それまでの映画とは一線を画した作品。映画界にタランティーノ旋風を巻き起こし、『パルプ・フィクション』の作風に影響された映画が多数撮られることになりました。

サイコスリラー

『羊たちの沈黙』
▼公開年
1991年▼与えた影響
サイコスリラー/サイコサスペンス

▼解説
歴代受賞作品の大半が人間ドラマだったアカデミー作品賞を、猟奇殺人がテーマの陰鬱な『羊たちの沈黙』が受賞したことで話題になりました。以降しばらくサイコスリラーのブームが続きました。

二丁拳銃

『男たちの挽歌』シリーズ
▼公開年
1986年▼与えた影響
二丁拳銃

▼解説
香港映画ですが、本作の二丁拳銃を撃ちまくる銃撃戦がハリウッド映画に影響を(主にクエンティン・タランティーノ経由で)与え、クエンティン・タランティーノがブレイクした後、ハリウッド映画界に二丁拳銃を流行させました。

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https://matome.naver.jp/odai/2134984629243988201
2012年12月05日