高齢出産のリスクとメリット

ganekuro
ここでいう高齢出産とは主に35歳以上で出産することをいいます。定義により、40歳以上で出産することを指すこともあります。

リスク

流産の確率が上がる
【どんなリスクがあるの?】 – 35歳からの高齢出産

全妊娠の自然流産率(10~15%)に対し、35歳以上では約20%ともされています。主な原因として卵子の老化、またそれに伴う胎児の先天異常があげられるでしょう。

ダウン症児の可能性が上がる
高齢出産とダウン症の関係 | 高齢出産ガイド

高齢出産の場合、赤ちゃんに染色体異常が現れる確立が高くなると言われています。染色体異常の中で、一番頻度の高いものがダウン症候群です。高齢出産とダウン症の関係が大きく取り上げられているのは、このためです。
ダウン症は、21番目の染色体が1本多いことによる、先天性の染色体異常です。知能や運動能力などに発達の遅れが生じたり、心臓に先天性疾患を伴うこともあります。染色体異常の中では比較的軽いものです。一般的にダウン症の発生率は、20歳で1500人に一人、30歳で1000人に一人、35歳で300人に一人、40歳で100人に一人、という割合で確立が上がると言われています。

新生児自閉症の発症率の増加
高齢出産のリスク:新生児自閉症の発症

最近の傾向として、新生児の自閉症発症率の増加があります。
このリスクは、父親の年齢が大きく影響を及ぼしているようです。
米国の研究によると、父親が40歳以上の時に生まれた新生児は、 自閉症や関連の症例が30歳未満の父親の場合の約6倍で、 30~39歳の父親と比較すると1.5倍以上とされているとの報告があります。
父親のリスクも考えて妊娠準備をしなくてはならない結果がでています。
一方、母親については、年齢が高いと若干の影響を及ぼす可能性は排除できないものの、 子どもの自閉症に発症に与える有意な影響は認められなかったとされています。

子宮内胎児発育遅延・早産
高齢出産のリスク:子宮内胎児発育遅延・早産

このリスクは、高齢妊娠と早産の相関関係があるとの報告もありますが、一般的には強い関係ではないと考えられていますので心配のし過ぎはいりません。
そうは言っても、40歳以上の高齢出産のリスクでは、早産率が明らかに増加しますから注意が必要となってきます。

前置胎盤・常位胎盤早期剥離の増加
高齢出産のリスク:前置胎盤・常位胎盤早期剥離の増加

妊娠全体の「前置胎盤」の発生は約0.5%程度です。
しかし、40歳以上の高齢妊娠では約2%程度まで増加していると報告があるようです。
前置胎盤とは、胎盤の子宮腔内の付着部位の異常を示す疾患をいいます。
すなわち前置胎盤とは、胎盤が子宮下部(子宮峡部あるいはその付近)に付着し、発育成長後にやがて胎盤の一部あるいは、全部が内子宮口に及ぶものでリスクは大きいといえます。

帝王切開が多くなりがち
【どんなリスクがあるの?】 – 35歳からの高齢出産

高齢出産では、どうしても帝王切開が多くなりがち。しかし、それは「高齢だから・・・」という不安から医師も産む側も強気になれず、早めに医療介入を行うためかも知れません。また、医師が率先して帝王切開を勧めている部分もあるようです。

妊娠中毒症に罹患しやすくなる
【どんなリスクがあるの?】 – 35歳からの高齢出産

妊娠中毒症はむくみや蛋白尿、高血圧などいずれか1つの症状が出現したもので、中でも高血圧に注意が必要です。高齢出産の場合、高血圧になる可能性は20代の1.8倍とされています。

先天異常の発症率が上がる
【どんなリスクがあるの?】 – 35歳からの高齢出産

35歳以上になると、先天異常の発症率が高くなるのは事実です。しかし、若いから安心・・・というわけではありません。とある調査では25~29歳で1.88%、35~39歳では2.02%、40歳以上では2.38%の確率となっています。加齢が影響しやすいのは、先天異常の中でも染色体異常(ダウン症など)です。これに関しては、35歳以上のリスクが少々高いと言わざるを得ません。

メリット

経済的なゆとり
高齢出産のリスクとメリットやダウン症について-赤ちゃんの部屋

出産を迎えるまでに、経済面で貯める期間がある為、心にもゆとりが出来るということです。また、仕事と育児の両立で多忙な場合、託児施設などの機関を有効に活用することなどができます。

精神的ゆとり
高齢出産のメリット:精神的ゆとり

実際に高齢出産のメリットを体験している人もたくさんいます。
その人たちの多くは、子育てをとても楽しんでいます。
人生経験が豊富であるということは、子育てにも心の余裕があります。
子育てには、親の大らかな気持ちが一番良いことだと思います。
若いお母さんがイライラカリカリして、ヒステリックになっている姿をよく見かけますが、 逆に高齢出産の年齢のお母さんにはあまり見かけません。

若返る
高齢出産のリスクとメリットやダウン症について-赤ちゃんの部屋

高齢で妊娠すると、年齢を重ねるごとに減少していく女性ホルモンの分泌量が増加する為、肌にツヤが戻り若返るということがあります。また、女性ホルモンが増えることで、冷え性の改善効果も期待できます。

長寿?
高齢出産女性は長寿というメリットが?

アメリカで行われた、とあるプロジェクトでは、100歳まで生きた人たちの長寿の秘密を解き明かす研究がなされ、その結果、100歳以上生存した女性は、40歳以上という高齢出産を成しえた人が極めて多かったようです。
このことから、高齢出産=長生き?という見解も出来るかもしれません。
その理由については定かではありませんが、精神的な面のほか、ホルモンの影響も多少はあるようです。

高齢出産は避けるべきなのか?

一概に高齢出産=危険とはいえない
【どんなリスクがあるの?】 – 35歳からの高齢出産

5歳以上の妊娠・出産は、それ以前の年齢よりもトラブルが起きやすい・・・とされています。しかし、年齢問わず妊娠・出産にはトラブルがつき物。よって、一概に「高齢出産=危険」とは言えません。
実際に20代でリスクを伴う出産をする人もいれば、40代以降でも若い人と同じように初産を難なくクリアする人だっています。

リスクをそこまで怖がる必要はない
高齢出産のリスク:リスクを怖がらず

理想的な妊娠・分娩の最適齢期は、母体の事を考えると20才代ですが、昔にくらべると、食料事情など何でも手に入る現代では、体力の向上があり、30代40代の妊婦に心配しすぎるのは、リスク過敏といっても良いでしょう。
それぞれの危険性をきちんと認識し、適切に対応することによって危険を回避することが不可能ではありません。

リスクを上手に避ける
高齢出産のリスクを上手に避ける | 高齢出産ガイド

高齢ゆえのリスクを回避することはできるのでしょうか。100%避けることは難しいかも知れませんが、それに近づけることはできると言えます。日ごろから生活習慣に気をつけて、年齢リスクの少ない体を作ることを心がけてください

ただし、油断は禁物!
【どんなリスクがあるの?】 – 35歳からの高齢出産

高齢出産には高齢出産なりのリスク、また知っておくべき予備知識が数多くあります。それらを学び、理解することでより安全な高齢出産が臨めるでしょう。

参考サイト

https://matome.naver.jp/odai/2134718712089852901
2012年09月10日