あまり知られてないけど葛飾北斎の娘が天才過ぎてため息が出るレベル!

jamjamjam66
北斎の娘も画家だった。しかも素人目で見てもスゴい。沢山の方に見て頂いたようで、とても有り難いです。ツイートを拝見して情報を追加しました。(2/16 情報を追加しました。)

浮世絵といえば

江戸時代後期の代表する浮世絵師といえば、葛飾北斎
葛飾北斎 – Wikipedia

冨嶽三十六景なんかが代表作。

この北斎に娘がいたのをご存知でしょうか

北斎の娘とは

葛飾応為(かつしかおうい)と言います。
なぜ「おうい」という名がついたかというと、北斎が「おーい、おーい」と呼んでいたのでそのまま名前になったというウソみたいな本当の話
葛飾応為 – Wikipedia

そしてまた葛飾応為も浮世絵師であり、”おんな北斎”とよばれています
おんな北斎─天才浮世絵師の娘・葛飾応為─ – 陽出る処の書紀

北斎の迫力にはかなわないものの、女性ならではの繊細さとモダンさ。江戸時代に描かれたとは思えない作品ばかりなのです。

葛飾応為の作品

三曲合奏図
琴、胡弓、三味線を弾く3人の女性の様子。
今にも音が聞こえてきそうな躍動感があります。

ボストン美術館蔵

琴を弾く女性の左手のアップ

自分でこの指の形試すとわかりますが、結構ムリした形。演奏中の勢いがないとこの形にならないかも。
激しい演奏だったのかもしれません。

ここに描かれている三人は町娘と芸者と遊女。実際にこの三者が一緒にいることは在り得ない構図だそうです。
蜘蛛の巣にかかった蝶々|酒日和、猫日和。

三曲合奏図について解説しているブログがありました。
『吉原の女の人を表わしているんですが、
蜘蛛の巣は囚われの身
露は儚い身の上を表わしているそうです。』

華龍のちょっとした話
http://sunshine25.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07

吉原夜景図
夜の吉原の妖しさと艶やさ。

太田記念美術館蔵

「吉原格子先之図」見どころ《緻密な細部描写》格子に隠れてよく見えない遊女たちの顔。はっきりと描かれるのは奥に座る1人のみです。よく見ると鼻筋には白のハイライトが。細部へのこだわりに驚かされます。単眼鏡をお持ちの方はお忘れなく! pic.twitter.com/vQtfsO62xf

この作品には一見応偽の記名がありません。
しかしよく見ると、提灯の一部に「応」と「為」の文字を入れ、さりげなく自分の作品であることを表明しています。
北斎の娘は「光」を極めた(荒俣宏さん) – 「どらく編集委員」通信 – [どらく]


https://matome.naver.jp/odai/2134715841487358101/2139254304590222603
粋ですね。
夜桜美人図
灯籠の光と暗闇、浮びあがる桜と女性
陰影の表現が特徴的

メナード美術館蔵

星の色は白い点描に加え、淡い藍や紅を一点二点と描き加え、夜空の星の明るさの等級の違いを表わすために、5種類くらいの描き分けが見られます。
葛飾応為《夜桜美人図》抒情と科学の暗闇──「安村敏信」:アート・アーカイブ探求|美術館・アート情報 artscape

こんなところも応偽作品のみどころ。
唐獅子図
真ん中の獅子は北斎、周りの花は応為の合作

色使いがすごい!

応為は西洋画の影響を受けているのか、光の取り入れ方が独特。
フィルメールやレンブラントは『光の画家』といわれますが、応為もそう評価されれべきなのではないでしょうか。

現存する作品は10点余りと少ない。

応為は父の北斎を看取ったあと、家出をして消息不明となってしまったそうです。
葛飾応為・・・・・・北斎の娘 – 鯨の散歩道 – Yahoo!ブログ

ちなみに北斎と応為は片付けが出来なくて、部屋が散らかったら引っ越しを繰り返していたそうです。そのため北斎は生涯で90回以上引っ越しを経験しているそうです。
北斎が引越しマニアだった理由は? – 歴史 – 教えて!goo

北斎と応偽の様子がこちら。
北斎の門人・露木為一による『北斎仮宅写生図』
二人の生活ぶりを描いたものだそうです。

北斎は布団に入りながら絵を描いています。

【追記1】ちなみに北斎漫画を加工したこんな作品もあります。こちらは笑えますw
https://matome.eternalcollegest.com/post-2133689238661555901

【追記2】
杉浦日向子さん作品の『百日紅』、こちらは文学史漫画で北斎と応為について知れるとのこと。興味のある方は調べてみてください。
http://www.amazon.co.jp/%E7%99%BE%E6%97%A5%E7%B4%85-%E4%B8%8A-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9D%89%E6%B5%A6-%E6%97%A5%E5%90%91%E5%AD%90/dp/4480032088

山本昌代さんの『応為坦坦録』、応為が主人公の小説、史実に忠実な作品だそうです。
興味を持った方は是非とも。
http://www.amazon.co.jp/%E5%BF%9C%E7%82%BA%E5%9D%A6%E5%9D%A6%E9%8C%B2-1984%E5%B9%B4-%E5%B1%B1%E6%9C%AC-%E6%98%8C%E4%BB%A3/dp/B000J78920

【追記3】
1996年に公開された必殺仕事人の映画シリーズ『必殺! 主水死す』(ひっさつ もんどしす)にお栄が登場。 美保純が演じていました。
必殺! 主水死す – Wikipedia

葛飾北斎役の鈴木清順が、出てきてまもなく殺され、娘のお栄(葛飾応為)役の美保純も殺されちゃったのには驚きました。
「必殺!」2本イッキミ : 好きな俳優、今日の一枚

あ、そうなんだ…

気になった方は是非とも。

【追記4】
原宿の太田記念美術館で「葛飾応為「吉原格子先之図」-光と影の美」開催中
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/

入館料: 一般¥700 ・大高生¥500・中学生以下無料
2/26まで作品が見れるみたいです。

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https://matome.naver.jp/odai/2134715841487358101
2017年09月18日