BuzzFeedの特集によると、ロンドンオリンピックに出場する選手でオープンリー・ゲイな(同性愛者であることを公表している)アスリートは現時点で23人だそうです。 女性アスリートが多く、男性選手は全員個人競技であることから、男子スポーツ界の方がホモフォビアは強く、カミングアウトしづらい現状があるのと思われます。日本だとこういうことを真面目に取り上げる特集記事って無いのが現状ですよね
同性婚やパートナーシップ法がある国では公表しやすいようです
ロンドン五輪出場選手で同性愛を公表している選手は、オランダが4人、アメリカ・イギリス・フランス・スウェーデンが各3人、ドイツ・オーストラリアが各2人、ブラジル・デンマーク・南アフリカが各1人でした。いずれの国も同性婚やパートナーシップ法が一部でも成立している国です。公表しやすい国なのであり、同性愛者がその国に多いわけではありません。
1. Matthew Mitcham マシュー・ミッチャム
2. Judith Arndt ジュディス・アルント
その他多数の実績を誇る
今回のロンドン五輪の自転車個人競技で見事銀メダルを獲得したようです。
ドイツは2002年からパートナーシップ法があります。
3. Marilyn Agliotti マリリン・アグリオッティ
女性と結婚しています。
オランダは世界で最も早く同性婚が可能になった国です。異性婚と全く同じ権利が得られます。
4. Megan Rapinoe ミーガン・ラピノー
「…だから私が(現状を変えるためにも)カミングアウトしてプレーすることをみんなが望んでいるように感じます。(カミングアウトを)必要としている人がいます」
オーストラリアの選手と3年にわたり交際中
アメリカは州により同性婚可能です(2013年5月現在10州)
ロンドン五輪女子サッカーでアメリカチームは優勝しました。
アメリカ女子サッカーではアビー・ワンバック選手も2013年に同じく女子プロサッカーのサラ・ハフマン選手と同性婚しました。
ミーガン・ラピノー選手
「女子スポーツ界はカミングアウトしても支持されやすいですが、男子スポーツ界は男性選手が(女性に比べ)カミングアウトしづらい現状で悲しいです」
「ですが何人もの有名男子サッカー選手が「チームメイトがゲイであることは何も問題はない」と明言しているので現状は良くなると思います。」
Fever Pitch | Out Magazine
男子スポーツ界は偏見が強く男性選手がゲイをカミングアウトしにくい現状であるとラピノー選手は指摘しています。
5. Carl Hester カール・へスター
イギリスにはパートナーシップ法があります。
2014年には同性婚が可能になります。
6. Carole Péon キャロル・ぺオン
7. Lisa Raymond リサ・レイモンド
ロンドン五輪にて混合ダブルス銅メダルを獲得しました
アメリカは州により同性婚可能(2013年5月現在10州)
8. Imke Duplitzer イムケ・デュプリッツァー
9. Edward Gal エドワード・ハル
10. Jessica Landström ジェシカ・ランドストローム
11. Jessica Harrison ジェシカ・ハリソン
ロンドン五輪に出場する選手12,602人の内、単純に1%が同性愛者だとしても126人はいることになるので、実際の同性愛者のアスリートは公表している23人よりずっと多いだろう。
21 openly gay and lesbian athletes at 2012 London Summer Olympics – Outsports
人口における同性愛者の割合は時代、国を問わず5%前後であるという調査結果があります。
しかし、スポーツ界の同性愛嫌悪や観客、スポンサーの反応を恐れてカミングアウトを躊躇する選手が多いようです。
12. Maartje Paumen
13. Seimone Augustus サイモン・オーガスタス
パラリンピックの選手も2名カミングアウトしている人がいます。
23 openly gay and lesbian athletes at 2012 London Summer Olympics – Outsports
イギリス男子馬術代表Lee Pearson選手および、イギリス女子バレーボール代表Claire Harvey選手です
14. Hedvig Lindahl ヘドヴィグ・リンダール
15. Natalie Cook ナタリー・クック
16. Carlien Dirkse van den Heuvel
17. Alexandra Lacrabére アレクサンドラ・ラクラベール
18. Mayssa Pessoa メイサ・ペッソア
19. Rikke Skov リッケ・スコーフ
2012年には性別に規定されない結婚の定義を導入する形で同性婚法が成立しました。
20. Lisa Dahlkvist
21. Karen Hultzer カレン・ハルツァー
「私はアーチェリー選手で、中年でレズビアンで朝はコーヒーを飲む前は機嫌が悪いです。そしてそのどれも私を定義づけるものではなくて、私の一面にすぎません。」
「いつかこのこと(セクシャリティ)が私の目の色や好きな寿司ネタのように(世間にとって)何の問題にもならない些細な事になる日を待ち望んでいます。」
追記:ソチ冬季オリンピックでも7人の選手がカムアしました!
すでにオランダのアイリーン選手がスケート3000mで金メダル。オーストラリアのイラシュコ選手はスキージャンプで銀メダルを獲得しています!
高梨からメダルを“奪った”女子ジャンプ銀メダルのオーストリア・イラシュコは昨年、同性婚。ソチ入り後に「素晴らしいジャンプを見せることが自分の(同性愛者としての)決意表明」とコメント。見事な“有言実行ぶり”で表彰台に上った。
ロシア法に抗議? ソチで「レズビアン」続々カミングアウト – ライブドアニュース
追記:最近カミングアウトしたスポーツ選手の情報をいくつか
1. オルランド・クルス プエルトルコのフェザー級プロボクサー
プエルトリコ代表としてオリンピックのボクシングに出場経験あり。現役プロボクシング界でカミングアウトしている唯一の選手
2. トーマス・ヒツルスペルガー
「トーマス・ヒツルスペルガーは今日、大きな勇気を見せた。引退まで待たなきゃ、人間として真の姿を見せることができなかったなんて、悲しい時代だ。」各界から応援の声
サッカー選手でカミングアウトした人は他にもアメリカのロビー・ロジャース選手が有名です。彼は現在も現役で活躍中です。
3.トーマス・デイリー 19歳のイケメン飛込み選手
16歳でロンドン五輪に出場し銅メダル。イケメン選手としても一躍有名に。
4. ジェイソン・コリンズ 米NBAの男子の現役選手で初
「彼が同性愛を公言したからといって、このような彼の功績も評判も変わらない。昨日と今日で変わったのは、コリンズ選手はありのままの自分でいられるようになったということ、ただその1点」
アスリートのゲームチェンジャーとなるか−同性愛告白のコリンズ選手 – WSJ.com
女子選手や引退した男子選手ではカミングアウトした人がいますが、現役の男子選手では米国初。
5. アビー・ワンバック 女子サッカー歴代最多得点記録保持者
ロンドン五輪でも大活躍し、アメリカチームは日本女子代表を破り金メダルに輝きました
6. グレアム・オブリ― 映画にもなった自転車選手
社会のホモフォビアにより植え付けられた、自らの内面化されたホモフォビックな感情とカミングアウト出来ない抑圧が自殺未遂の原因の一つであると語っています
7. イアン・ソープ 5個の五輪金メダルを持つ豪競泳界の英雄
通算で11の世界水泳での金メダルを獲得
長らくセクシュアリティを隠さざるを得なかったことが、彼の数年に渡るうつ病との戦いの遠因の一つだったのかもしれません。
「偽りの人生を送ってきた。他人の基準で『正しいスポーツ選手』とされる人物になろうとしていた」
イアン・ソープ氏、同性愛告白で「今は落ち着いた気持ち」 :AFPBB News
当時のマスコミのセクシュアリティを詮索する圧力の中、カムアできずに苦しんだようです
「長年にわたって隠していても、それをやめて打ち明けると楽になれる」
イアン・ソープ氏、同性愛告白で「今は落ち着いた気持ち」 :AFPBB News
若い人たちには自分のようにカムアできずに苦しんで欲しくはないと語っています。
8. エリック・ラドフォード カナダフィギュアスケートペア選手
番外編 もしカミングアウトされたら
チャリティ・ファッションブランドJAMMINとNPO法人虹色ダイバーシティとのコラボ
LBGTの子ども達は、異端視、否定、揶揄や嫌悪される存在として学齢期を過ごすのではなく、LGBTであることを多様な在り方のひとつと捉えて生活できるような環境を望んでいます
http://health-issue.jp/teachers_lgbt_survey.pdf
現在は真逆の環境に子供たちが晒されています
64%が自殺を考え、14%が未遂という現実
http://health-issue.jp/teachers_lgbt_survey.pdf
日本の同性愛、両性愛の子ども達が学校で嘲笑に晒されている実態。相談窓口やサポート団体についても載ってます
関連まとめ
基礎知識から職場や学校での偏見差別をなくすため取り組み、同性婚できる社会を目指す団体、パレードなど。日本の現状がわかる資料、そして当事者にとっても便利なサイト集。おすすめの本も紹介
Presenceキャンペーンは日本におけるLGBTに対する社会の現状や調査結果をまとめた、わかりやすい貴重な資料です。特に学生、教員、保護者向け
10m飛び込み金メダリスト
「…~理想を言えば、いつかセクシャリティが例えば髪の色、目の色とか、さらには性別のように重要でなくなり、無関心になることを望んでいる。いつかそうなるだろう。」
「…~スポーツ選手が差別される恐れとか、スポンサー収入、支援者を失う恐れなしにカミングアウトすることが簡単にできるようになるまで、…僕のセクシャリティが注目をあつめるのは構わないんだ。」