ファーストガンダムが30年以上も支持された7つの理由

kotetsu1968
30年以上支持された本や物語は今後も語り継がれていくといいます。ファーストガンダムがなぜ30年以上も支持されたのか、その理由を探ってみました。

■テーマが一貫している

ニュータイプ
歴代GUNDAMの一貫したテーマとしてあげられるのが「ニュータイプ」。このニュータイプという概念が製作者側でもはっきりしていない概念であった為、視聴者側も人によって認識の度合いが違うところが議論を巻き起こし想像力を掻き立てられている。
元はジオニズム提唱者であるジオン・ダイクンが予言したニュータイプ「お互いに判りあい、理解しあい、戦争や争いから開放される新しい人類の姿」からかけ離れ、いつの時代も新しい技術・能力は軍事目的で使われてしまう。その技術・能力が進歩すればするほど悲惨な結果を残す事を表現している。

■キャラ設定が巧みである

アムロ・レイ
サイド7を襲撃するザクに遭遇し、避難中に偶然ガンダムの極秘(操縦)資料を手にする。
アイドリング中だったガンダムに乗り込み、装甲の厚さに助けられながらもザク2機を撃破し初陣を飾ってしまう。そのままパイロットとなり、ジオン軍との戦いの中、成長していく。
元々、機械オタクで一人っ子。負けず嫌いなところがあるが精神的に脆い所やまだ成長しきっていない不安定なところがある。
ライバルとの戦いや戦友たちの死が急激に彼を急成長させニュータイプと目覚めていく様は見ている側を惹きつける材料になっている。
ブライト・ノア
第13独立部隊として囮作戦を命じられてしまう悲運のホワイトベース艦長。その為、ジオン軍からの様々な攻撃にあうものの強かな戦略も見せ、相手を欺ける一面もある。
ブライト本人も戦いの中で指揮官として成長していくが心労が積み重なり病に倒れる。ミライに艦長を譲りながらも、ホワイトベースを守り抜く使命感は絶対の安心感がある。アムロとは出会いから衝突。若いパイロットを叱責し成長させるその様は、単なる先輩風ではない。
ホワイトベースの存在自体が乗組員全員の安全地帯と感じさせるのはブライトの揺ぎ無い正義感からであろう。ホワイトベースを見てホッとするのはそのせいかも知れない。
セイラ・マス
政治家ジオン・ズム・ダイクンの娘。シャアの実妹。幼少の頃に父ジオンの死去にあい、ダイクン派のジンバラル(ランバラルの父)に預けられる。その後独裁化を目論むザビ家の迫害から逃れる為、マス家の養女となりセイラ・マスとなる。兄のシャアは復習の為、サイド3に旅立つがセイラはサイド7に移住。政治家の娘ということから、言葉使いに育ちの良さを感じる。ブライトも唯一「さん」付けで呼ぶのはセイラのみ。
自分の素性とシャアの存在を確認する為に、兄シャアと接触を試みる姿は、戦乱で生き別れた兄弟愛と虚しさを感じる。
ミライ・ヤシマ
地球連邦の元高官であるヤシマ氏(故人)の娘。サイド7をザクに襲撃された際、避難民としてホワイトベースに乗り込む。スペースグライダーの資格を持っていた為、ホワイトベースの操艦を買って出るあたりはスレッガー中尉が「ホワイトベースのお袋さん」と揶揄するほどの「母」的な存在であった。
良家の令嬢だった為か、軟派で職業軍人的な気骨のあるスレッガー中尉に惚れ込む。だがそのスレッガー中尉も目覚しい戦果を上げつつもミライに母の形見を渡し戦中に死する。最後までブライトとホワイトベースを守り、戦後はブライトと結婚し二人の子供を授かる。
シャア・アズナブル
ガンダムファンの中でも圧倒的にファンが多くその理由は自信に満ちた態度から出る格好良さと美形であろう。幼少はセイラで記載した通り。父ダイクンがザビ家に暗殺されたと知り復讐を誓う。
アムロとは初期の頃からモビルスーツで戦うも、ガンダムの性能とアムロの急成長を前に一度も勝ったことはなく、本人のプライドから木馬とガンダムに終始固執する。ザビ家への復讐心は常にあり、ガルマとキシリアを殺害。
テーマであるニュータイプはシャアも持ち合わせているが、自分よりも優れているララァを傍に置く。しかしララァはニュータイプとしてさらに優れているアムロに引かれ、シャアは嫉妬を覚える。

■戦争観がリアル

単なるロボットアニメではない
人類はコロニーで生活を始めるが自治権を巡りジオン公国が独立戦争を仕掛ける。
地球に残れた者と宇宙へ移民した者の間には深い溝が生まれ、地球連邦政府とコロニー住民(スペースノイド)との間で衝突が頻発し一年戦争に発展する。
一般市民を巻き込んだ様はまさに残虐であり、1話からフラウ・ボウの祖父と母を亡くす。
また適役のジオン軍は紳士的なところを随所に見せる。ホワイトベースに爆薬を仕掛けるも子供が乗っていることに驚き、「下がれ!」という辺りはジオン軍も戦争に巻き込まれた一員であると思わせる辺りは単なるロボットアニメと一線を引いている。

ガンダムの武器たるモビルスーツはあくまで市民のための戦具である。その背景を無視してお台場に等身大のガンダム像ができたが、あれには反対だ
ガンダム原作者、富野由悠季の戦争観|歴史ニュース総合案内

■セリフが際立っている

30年経った今でも覚えている人は多いのでは…

殴ったね! オヤジにもぶたれたことないのに!
坊やだからさ
サングラスにはギレンが写っている
ザクとは違うのだよ、ザクとは!
アムロ、行きまーーーす!
連邦軍のモビルスーツはバケモノか!

■正義も悪もない

それまでのロボットアニメと違い、国家間の戦争をロボットアニメで描いた作品であり主人公が地球連邦軍というだけで正義ではない。
(どちらかというと宇宙に強制移民させた地球側にいる政府関係者や高官の方が悪役に見える…)
一つ言えるのは、主人公であるホワイトベースの乗組員達は圧倒的不利な状況にも関わらず若いクルー達が必死に助 け合いお互い成長していくが、それに対しジオン軍はザビ家が独裁化を計るもお家騒動から戦中に親兄弟が殺し合い衰退していく違いがある。

■ザビ家のお家騒動

ジオン共和国の国王となるデギン・ソド・ザビは長男であるギレンと対立する。デギンにはギレン(長男)、キシリア(長女)、サスロ(次男)、ドズル(三男)、ガルマ(四男)の五人兄弟がおりサスロは一年戦争前に死亡しているため、機動戦士ガンダムには登場していない。
デギンはジオン公国を地球連邦と対等な独立国を目指していたが、総裁のギレンは全人類を掌握し独裁政権を目論んでおり、これをヒトラーとダブらせ「世界を読み取れなかった男」と揶揄している。
デギンはギレン・キシリア・ドズルの猛々しい性格を疎んでおり、ガルマを溺愛していたが地球で戦死。ドズルもソロモンで戦死し意気消沈の中、地球連邦軍との和平交渉に赴くがギレンは自らの戦略に叛いた父が存在することを承知でソーラ・レイでデギンもろとも光の渦に消し去ってしまう。それを知ったキシリアはギレンを射殺。そのキシリアはシャアに狙撃され死亡するというザビ家一族が一年戦争内で滅亡の道に至ってしまう。

■オタク受けするモビルスーツ

メカ的な要素をふんだんに盛り込み、プラモデル販売で一気に子供心を掌握させたが、その子供達が大人になってもプラモデル熱は冷めていない。
そのままガンプラに染まったオタク達は美少女系のフィギャアに走り、秋葉文化を支えたのは言うまでもない。

参考文献

https://matome.naver.jp/odai/2134253442441879701
2012年08月11日