青色照明で自殺が防げる?京都・天ヶ瀬ダムで自殺者がゼロに

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「青色照明」の効果、本当のところはどうなんでしょうか。

興味深いニュースが報じられる

自殺防止対策として2008年に青色照明を導入した京都府宇治市の天ケ瀬ダムで、11年度の自殺者が10年ぶりにゼロだったことが分かった。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20120604/311101/?ST=architecture

天ヶ瀬ダムとは

天ヶ瀬ダム
ダムによってせき止められた湖は鳳凰湖と呼ばれ観光スポットとしても有名

琵琶湖から大阪湾に注ぐ淀川の中流にあるダムで、自殺の名所としても知られています。
2008年には7月から12月の間に7人の投身自殺が相次ぎ、ダムの見学通路への立ち入りが禁止される事態になりました。

青色照明って?

2005年頃から日本において、青色防犯灯が防犯に対して有効との情報に基づき全国的に設置の動きが起こった。2005年、日本のクイズ番組等で、イギリスのグラスゴー市において青色の街灯を設置したところ犯罪が減少したとする事例が紹介され、これを真に受けて奈良県警察が設置に取り組んだことに始まる。
防犯灯 – Wikipedia

先述のクイズ番組では、青色には人の副交感神経に作用して落ち着かせるという鎮静効果と心理的に人を冷静にさせる効果があるという、心理カウンセラーの解釈が紹介された。
防犯灯 – Wikipedia

確かに青色照明を見ると気分が落ち着くような気もしますが…

しかしながら防犯のメカニズムについては心理学的な因果が立証されているわけではなく、青色街灯の防犯効果については、「これがメディアによって報道され、それを知った犯罪を試みようをする者がこの色の街灯が設置してある場所は防犯意識が高い地域であると理解し、このことによって結果的に犯罪発生率が低下しているだけでは」と言う解釈も成り立つ。
防犯灯 – Wikipedia

つまり、未だ科学的に効果が実証されているわけではないのですが、
「人を冷静にさせる、落ち着かせるという効果が期待できる『かも』」という理由で日本では防犯や自殺防止の目的で各地で導入されているようです。

実はあちこちに配置されている「青色照明」

青色照明は鉄道機関では、JR西日本が06年12月に導入し、11年3月末までに管内の踏切など94か所に設置した。
「青い光の奇跡」青色照明で駅や踏切での飛び込み自殺激減 : カラパイア

東日本旅客鉄道(JR東日本)は、10月以降、中央快速線の東京~高尾の24駅と、立川~八王子付近の18踏切に青色のLED照明を導入する。山手線全29駅に青色のLED照明を導入するのに続いての設置となる。
自殺予防で中央線にも青色のLED照明設置、JR東日本|日経BP社 ケンプラッツ

2009年の記事なので既に導入済と思われます。

踏切での鉄道自殺や事故防止のため、JR九州大分支社は「人の気持ちを落ち着かせる」とされる青色の照明を、別府市内の日豊線・亀川―別府駅間の13カ所の踏切付近に3月末から設置している。
asahi.com(朝日新聞社):青色照明で自殺を防げ JR九州、別府の13踏切に設置 – 鉄道 – トラベル

2010年の記事

様々な記事で「青色照明」について触れられてはいますが、どれをとっても「効果は未知数で科学的検証が待たれる」といった内容に終始しています。

「青色照明を導入した天ヶ瀬ダムでは自殺者がゼロになった」という事実は残ったわけですが、
さて、果たして本当に効果があるのでしょうか…。

参考リンク

https://matome.naver.jp/odai/2133879302215696601
2012年06月04日