【静岡・磐田】「ゆるキャラ・しっぺい」の由来になった怖い・感動の話【市内に伝わる霊犬伝説】

・平成23年に、磐田市を広くPRするためのイメージキャラクターを公募

・市内に伝わる霊犬伝説「悉平太郎（しっぺいたろう）」がモチーフ
イメージキャラクター「しっぺい」｜磐田市について｜磐田市役所

毎年八月の初めになると、どこからともなく、白羽の矢が町家の棟高く突きささっています。矢を立てられた家には、必ず年頃の娘がいましたが、この家を年番といって、そこの娘を生きたまま柩 (白木の箱)に入れて、８月１０日の真夜中に見付天神へお供えする「しきたり」（習慣）になっていました。
伝説　〜見付天神　矢奈比賣神社　公式ホームページ〜

怪神が現われ、大きな声をあげて柩をかき破り、遂に娘を食い殺してしまいます。人々は、このような悲しいできごとを毎年繰り返しながら、泣き祭りを続けていたのです。
伝説　〜見付天神　矢奈比賣神社　公式ホームページ〜

延慶の年（１３０８年）に、雲水（僧）が見付の宿へ来て、この泣き祭りの話を聞いて哀れに思い、何とかこのようなことがなくなるようにできないものかと、苦心難行の修法をしました。その結果、これは妖怪の仕業であることがわかりました。そして修法の中で妖怪たちの話声をちらっと聞きました。

「信濃の国の悉平太郎に知らせるな。悉平太郎がこわい」
伝説　〜見付天神　矢奈比賣神社　公式ホームページ〜

省略

僧侶は悉平（しっぺい）太郎を信濃へ探しに行き、とうとう見つけ出します
そして次の年再び人身御供の行事が行われる季節になりました
村人は、柩（ひつぎ）に悉平太郎を入れて妖怪を待ちます

やがて山内鳴動（山の方で地ひびき）して、妖怪が現われました。みりみりと柩を破るやいなや、中にいた悉平太郎は猛然ととび出して、妖怪に襲いかかりました。悉平太郎と妖怪の格闘の響き声がものすごく聞こえてきます。長い格闘の末、静かになり、ついに妖怪はかみ殺されてしまいます。
伝説　〜見付天神　矢奈比賣神社　公式ホームページ〜

一説では、重傷を負いこの地に倒れたので人々は、見付天神横へ山神として祀ったともいいます。又、秋葉街道犬居、阿多古大宮付近にて死亡したという話もあります。光前寺には「霊犬早太郎の碑」があって、無事帰山したものという話が伝わっています。
伝説　〜見付天神　矢奈比賣神社　公式ホームページ〜